編集スタッフ　岡本

今日も1日おつかれさまでした。

皆さんこんばんは。日曜日の20時、いかがお過ごしでしょうか？

週末でリフレッシュされた方や、明日からの一週間に備えて気持ちを整えている方、思い思いの時間が流れていることと思います。

そんな誰もがほっと一息つきたい時間に「おつかれさま」の気持ちを込めて、「エッセイラジオ」をお届けします。

思うようにいかなかった昼間の出来事や、いつも心の端に引っかかっている悩み事など。生活していると日々色々とありますが、このラジオを聴いているその時間だけは、一旦それらを手放して、ゆったりと声に身を任せていただけたら幸いです。

今夜のエッセイの書き手は、DJ・ナレーターの秀島 史香さん。読み手は、当店スタッフの寿山です。

ではさっそく、今夜のエッセイの世界へ、どうぞいってらっしゃいませ。

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悩むのは良いサイン

秀島 史香

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今日は仕事と、
悩んだときの復活方法のお話を。

「ラジオDJってどうやってなったの？
迷いはなかったの？」とよく聞かれます。

ざっくりいくと、子どもの頃から
「ラジオから聞こえてくる人の声って
安心するなあ」と憧れ、
連戦連敗のオーディションを経て、
大阪の局で週一の深夜の生放送を始めたのが
二十歳の頃。

手が震えるほど緊張した初回から
あっという間に20数年が経ち、今に至ります。
途中ウロウロ迷ってあちこちぶつけては、
落ち込んだり、復活したり。
今でもそんな繰り返しです。

元来、小心者なので、
仕事から家のことまで、
常にいくつもの心配事があります。

頭の中にどっかりあぐらをかいて
「さあどうすんじゃい！」と迫ってくる
アグレッシブなものから、
すみっこでちんまり体育座りしている
奥ゆかしい？悩みのタマゴまで。

思いつくままざっと挙げていくと、
「来年の今頃も
仕事を続けていられるだろうか？」
「あの人、今朝なんだか雰囲気が
よそよそしかったような」
「この吹き出物、シミにならないといいけど」
「明日のお弁当どうしよう」など。

いやはや大小サイズ各種取り揃えてますって
在庫状況ですね。

ただ、駆け出しの頃と比べたら、
不安との付き合い方は
少しずつ上手になってきた気がします。

以前は
「心配事や悩みは、ひとつずつきちんと
対処していけば、必ず消えていくもの」
と思っていました。
同時に
「心に一点の曇りもなく、完璧な青空に
ならないとハッピーとは呼べない」
みたいなナゾの潔癖主義。

グレーな感じでみんな上手にやっているのに、
今思えば、なんて夢見る夢子さん。
非現実的な無いものねだりを
していたのでしょう。

そんな見方が変わったのは、
30歳を過ぎて、仕事・結婚・出産について
全力で悩んでいた時。
きっかけは、全方位スイスイ美しく
こなしているように見える先輩が
かけてくれた言葉です。

聞けばその人にも色々な悩みがあって、
「自分も……」と打ち明けたら
返ってきたのが、
「でもさ、悩みがあるっていうのは、
目をそらしていない証拠だよね」。

な、なるほどそうかも！そうなのか！
向こう側に、もうひとつ世界があった！
しかも明るいのが！
それはまるで、真っ黒だったオセロが
パタパタとひっくり返っていくような。

そんなこんなで、
相変わらず色々ありますが、
おかげさまで不安とはほどよい距離で
お付き合いできるようになりました。

「ま、がんばっているって証拠だし」と
まずは認めて、必要以上にいじくらないように
絆創膏を貼っておくような。
最初は正直「これって気休め？」と
思いましたが、回数を重ねるごとに
うまくなってきます（これも練習ですね）。

そして嬉しいことに、自分に優しくなれると、
人にも優しくなれます。

このごろ人の欠点が目につくなあと感じたら、
「こんなんじゃダメ！」と自分を叱らず、
「そうか、私もがんばっているんだねえ」と、
ヨシヨシといたわってあげる。

心配事はゼロにできないけど、
意識して距離をとって
無理にさわらないでおくことが
復活の近道にもなります。

さっさと寝ちゃえば、翌朝すっきり
治っていることだってありますしね。
1日の終わり、私の小さな習慣です。

いかがでしたか？

ほんの数分ではありますが、心の緊張がほどけたり、すうっと眠りに入るきっかけとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。

次回の配信も、どうぞ楽しみにしていてくださいね。

エッセイラジオを通して、このささやかなエールが届きますように。それでは、おやすみなさい。

 

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