【スタッフコラム】30代のはじまりに。
バイヤー 森下
「あなたは『怒り』からパワーを生み出すことが多いですね。」
20代前半でフラッと寄った占い師さんに言われた言葉です。
わたしはもともと負けず嫌いな性格で、当時は反骨精神が元となって朝から晩まで我武者羅に仕事をこなしていたのもあり、その時はすんなり納得できました。
でも、怒りでパワーを生み出すなんて…、なんか残念。と思ったのが正直なところ。
怒りと聞いて良いイメージをもつ人はまずいないだろうし、私自身が素敵だなと思う人は、いつも笑っていてプラスな気を放つチャーミングな人。
そんな人とは真逆!と言われたような気がしてすこし落ち込んだのを覚えています。(占い師さんも傷つけるために言った訳ではないと思うのですが)
でも私は気心しれた人には特に、自分のことをわかってくれているだろうという甘えから、言葉を選ばずつい強めな発言をしがち。
たとえば夫にはちょっとしたことでもすぐにイラッとしてしまいます。
私の夫はとてもおおらかな性格なので、必要以上の怒り文句を言ってしまっても特に反発が返ってきません。
その懐の深さにふれる度に、「あー言いすぎたな。なんでこういうこと言ってしまうんだろう。なんですぐ怒ってしまうんだろう。」と自己嫌悪に陥って反省することが多々あります。
すぐに感情的にならないように、いつもニコニコしている友人を頭に思い浮かべて「彼女ならこんなこと言わない!」と思いながらぐっと堪えたりするも、モヤモヤが蓄積して、ある日突然爆発してしまったりと、なかなか自分の怒りパワーをコントロールできずにいました。
でも去年30歳になるタイミングで、たまたま自分にピンとくる言葉に出会ったんです。
それは、
『怒りというのは二次感情で、実はその一歩前に一次感情が必ずある。つまりイライラする前にベースとなる別の感情がある。』という言葉。
たとえば、夫のぬいだ靴下がリビングに散乱している=イライラと思いがちですが、イライラする理由はもっと深くにあるのだという。
それは、何度も言っているのに話を聞いてもらえなくて「悲しい」というこの気持ちが一次感情になっているのだとか。
ためしに夫に、「靴下を洗濯機に入れてくれなくて悲しい。せっかく1日掃除してスッキリした空間が作れたのに、それがなくなりそうで悲しい。」という一次感情を伝えたところ、すんなり改善されたのです。
今まで怒ってきたのはなんだったのか……と思ってしまうほどすぐに。
それからは大小関係なくムッ!と思った時には、まずその隠れた一次感情はなんだ?と考えるようになり、必要以上に双方が傷つくことが徐々に減ってきました。
自分が伝えたいと思っていた本質は変わらないのに、それが優しくわかりやすく伝わるようになったことがただただ嬉しくて。
また、怒りというベールに包まれていたせいで隠れていた自分の不安や悲しみも、スルーせずにちゃんと向き合えるように。
30歳という始まりの年に、20代で改善できなかったこと・コンプレックスともうまく付き合えるようになった気がして、今とても清々しい気分なんです。
初めて20代を迎えたときのように、これからくる30代もわたしの想像を遥かに超えるような経験が待っていると思います。
今はこの出会った考え方で負の感情にも対処できているけど、そうも言ってられない状況がくるかもしれない。
でも20代より30代が成熟しているように、これからもその時々の状況によってアップデートしていこう。
そんな風にポジティブな考え方になれている今日この頃です。
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