【春のお弁当計画】第3話:献立作りも助かる、おいしい「自家製冷凍ストック」
ライター 小野民
お弁当作りをもっと楽しく、気楽にする方法を、ケータリングチームPerch.のまきあやこさんに全3回で教わっています。
今回は、お弁当にも普段のごはんにも便利な、冷凍ストックできるおかずを紹介。忙しい朝のお弁当作りにバタバタしないためにも、冷凍食品は上手に使いたいものです。
簡単に作れて、おいしく保存しておける「お好みトッピングつくね」と「にんじんのナムル」のレシピです。
まとめて作って小出しで使える
自家製冷凍ストック
成形なしでトースターで15分!
「お好みトッピングつくね」
材料(トースターのトレイ1枚分)
鶏ひき肉(できればもも肉のもの)…400g
玉ねぎ(粗みじん切り)…1/2個
卵…1個
片栗粉…大さじ1
めんつゆ…大さじ1
塩、胡椒…少々
植物油…大さじ1
お好みのトッピング(白ごま、黒ごま、ミックスナッツ、青のり、粉チーズ、チアシードなど)…適量
作り方
1. 玉ねぎを炒める
油をひいたフライパンに、粗みじん切りにした玉ねぎを入れ、塩、胡椒をし透き通るまで炒めたら、粗熱をとります。
2. 1.とその他の材料を全て合わせてよく混ぜる
まきさん:
「スプーンなどでぐるぐる混ぜていれば自然と粘り気は出てくるので、手を使って『練る』までしなくても大丈夫です」
3. 2の肉だねをトースターのトレーに広げる
オーブンシートをひいたトースター用のトレーか耐熱容器などに肉だねをならします。厚さは1cmほど。
4. お好みでトッピングをのせる
▲きれいに分けたかったらクッキングペーパーなどで区画を分けながらやるとうまくいきます
▲左下から時計回りに、白ごま、青のり、黒ごま、ミックスナッツ、プレーン
まきさん:
「そのまま焼いてもいいですが、上のトッピングを変えるといろいろな味が楽しめるのでぜひ試してみてくださいね。
5. トースターで15分焼く
途中でトッピングが焦げそうだったら、アルミホイルをかぶせて焼き上げます。粗熱が取れたらお好みの大きさにカットして完成。
手で丸める「成形」がないこと、トースターにお任せできちゃうことで、ひき肉料理のハードルはこんなに下がるんだと驚きでした。
まきさん:
「私たちが作るときは三角に切り分けて『三角つくね』と呼んでいて、Perch.のお弁当にもよく入れます。お弁当の中身って三角形があまりないんです。だから三角形があると、隙間がきれいに埋まったりリズムを出せるので便利ですよ。
あまり複雑な形じゃなかったら型抜きもできるので、お花やハートににしたらお子さんも喜びそうですね」
すりごまたっぷりで冷凍向きに
彩りにもぴったりの「にんじんナムル」
材料
にんじん…2本
塩…小さじ1/2
ごま油…大さじ2
白すりごま…大さじ2〜3
作り方
塩をしてしぼったにんじんの細切りに、ごま油とすりごまを加える
細切りにしたにんじんに塩をして10分くらい待ち、手でぎゅっと絞って水気を切ります。そこにごま油とすりごま、味が足りなければ塩を足して完成です。
まきさん:
「お弁当に入れるおかずも、冷凍にするものも、水分が出ないようにするのがポイントです。
細切りは、しりしり器を使うと、にんじんに傷がつくので、塩をしたときに水分が抜けやすいですよ。
すりごまをふるのも、水分を吸ってくれるから。青菜のおひたしなどをお弁当に入れるときもすりごまを加えることをおすすめします。いりごまだとその効果は得られないので、ちょっと注意が必要ですね」
冷凍ストックのコツ
「お好みトッピングつくね」はお弁当に入れやすい大きさと形に切っておいて、冷凍に。使うときは電子レンジで温め直して冷ましてからお弁当箱に入れます。
「にんじんのナムル」は、小分けにして冷凍。凍ったままお弁当箱に入れてもOKなので、あらかじめ1人分ずつのシリコンカップに入れておくこともできます。
「お弁当、大成功はあっても失敗はなし」
空のお弁当にご飯を詰め、できあがったおかずを次々に配置していくまきさんは、真剣に色やバランスを見定めつつ「素敵!」と小さな歓声を上げながら仕上げていました。
まきさん:
「お弁当で埋める面積は小さいので、すぐに成果が見えるのが楽しいんです。小さな工夫をすぐに試せたり、明日はこうしてみようと思い描いたり。私にとってお弁当は、『大成功はあるけど、失敗はない』もの。
作らなくちゃ、こうしなくちゃと捉えると大変だけど、大らかに、日々の楽しみとして自分なりのお弁当を作れればいいんじゃないかなと思うんです」
今までのお弁当に対する苦手意識は、まきさんの言葉でふわりと解消されていきました。押さえるべきポイントに気をつけて、あとは気楽に、楽しく。おいしいお弁当計画へ大きく一歩踏み出せそうです。
【写真】志鎌康平
もくじ
まきあやこ
料理家 Food producer / stylist、Perch.主宰。テーマ性のあるオーダーメイドのケータリングやお弁当、イベントでのフードコーディネーションを手がける他、フードスタイリング・レシピ開発などを中心に活動中。著書に「やってみたら思ったより簡単だった!スグうま自炊生活」。
ライター 小野民
編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に地方・農業・食などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。人間3人、犬猫5匹と山梨県在住。
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