【スタッフコラム】この暮らしが板についてきた
商品プランナー 加藤
今から8年ほど前。クラシコムに転職が決まって、前職の有休消化の機会をつかって夫婦で北欧旅行に行きました。旅行の目的の一つだったヴィンテージショップ巡りの、最初の店でひと目惚れしたのが、写真のイェンス・クイストゴーデザインのコーヒーカップ&ソーサー。
たくさんあるカップのなかから、なんとなく並んだ姿がしっくりくると思える2客を選んで持ち帰りました。リーフ模様の入り方がひとつひとつちょっと違って、どれにしようか何度も見比べて時間をかけて選んだ思い出とともに大切にしたい品。来客時に出したり、ちょっと良い珈琲を淹れるときのここぞという場面で、活躍させていました。
そんな大事にしていたカップ&ソーサーの出番が、ここ数年で一気に増えたように思います。
近所に食パンが美味しいパン屋さんを見つけて、朝ごはんに食べることが増えました。そうすると珈琲が習慣化してきて、凝り性な夫が豆から挽くようになり、豆の種類にも詳しくなって。
朝以外も珈琲を飲む機会が頻繁になり、このカップ&ソーサーを日常的に使うことが増えたのです。長年持っていたものだけれど、いまこうして使う頻度が高くなってこそ、我が家の食卓に馴染み深い存在になったなぁと思います。
昨年の夏。我が家に新しい棚がやってきました。知人に紹介してもらった家具工房さんに、いっぱいリクエストを伝えてつくってもらったオーダー品。
この棚は、ソファから見える位置にあって、レコードプレイヤーや本、雑誌の定位置にしていて、自分たちの趣味がぎゅっと収められています。
家具が増えただけでこんなに暮らしのリズムが変わるんだ、と思うほど、ゆっくりとした時間を過ごすことがここ数年の日常になりました。気に入ったものを飾って、ソファに座って音楽を聴きながらなんともなしに棚を眺める、そういう心の余裕が最近持てるようになりました。
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京都に暮らして、この5月でちょうど丸5年経ちます。
慣れ親しんだ関東から京都へ引っ越してすぐは、知り合いが少なくてどこか心もとなかったり、はじめての遠隔での仕事で戸惑うことも多かったです。ある日急に、顔から首にかけてびっしり蕁麻疹がでて、これがストレスかと驚いたこともありました。
最初の数年は暮らしを営むというより、目の前のことをひとつひとつこなす日々という感覚で、あらかじめ想像していたことと実際を照らし合わせたり、想定外のことにおっかなびっくり対応したり。そういう試行錯誤期間が最初の3年くらいだったと思います。
そんな心境が少し変わってきたのがここ1〜2年のこと。長年連れ添った器や道具に以前とはまた違った愛着をもち、こちらに越してきてから仲間入りしたものの景色に安らぎを感じられるようになり。5年かかってようやっと、ここでの暮らしが板についてきたと実感しています。
5年という数字だけをみると、あっという間に時だけが過ぎていってしまったように思いましたが、振り返ってみるとむしろ時間をかけて少しずつ、暮らしを形づくるための積み重ねを私なりにしていた、とも言えます。
「京都暮らしが板についた私」は、これからどんな風に暮らしを紡いでいくのだろう。今とはまた違った心境の変化になっているのか、はたまた変わらないのか。こうして想いを馳せる節目がまたいつかくるのかと思うと、今日、あしたと日々を重ねていくことが楽しみに感じます。
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