【今夜はオールナイト映画祭】第1話:夜を通して映画を楽しむ。心温まる「家族」をテーマにした3作品
編集スタッフ 野村
映画を観るのが大好きです。時間があれば、1日に2つ、3つと観てしまうことも。
映画館はもちろん、サブスクリプションサービスやレンタルできる作品など、観られる映画の選択肢は数多くある分、いつも何を観ようか迷ってしまいます。
そんな私が映画好きになったきっかけのひとつは、とある映画館で行われていたオールナイト上映会でした。あるテーマのもと選ばれた3つの作品を、夜中から明け方まで、文字通りオールナイトで観ていくイベント上映会。そんな体験は映画にのめり込むきっかけになりました。
もし、そんな時間を家でも楽しめたなら、とても楽しそうです。
そこで今回は、映画館・京都みなみ会館の館長の吉田由利香(よしだ ゆりか)さんに、おうち「オールナイト映画祭」を楽しめる作品を選んでもらいました。
映画ファンに愛される映画館「京都みなみ会館」
▲建物の老朽化で一時休館し、2019年に場所を移してリニューアルオープンした「京都みなみ会館」
京都みなみ会館は、1963年に京都で開館した映画館。みなみ会館でないと観られないようなマイナー作品の上映や、オールナイト上映会といったイベントなど、ミニシアターとして独自色を打ち出し、多くの映画ファンに愛される映画館です。
吉田さんは、2013年に当時入社2年にして館長に就任したそう。
▲オールナイト上映会では、オリジナルのチラシも制作
吉田さん:
「私が学生の頃に通っていたみなみ会館は、毎週のようにオールナイト上映会などいろんなイベント上映が行われていて。夜通し映画を観るのってすごく文化的な夜遊びって感じで、楽しかったんです。
でも、私が働くようになった頃はイベントをお休みしていた時期で、20〜30代のお客さんが少なくなっていて。
それで館長になったタイミングで、月に1回はオールナイト上映をしようと決めました。回を重ねるごとに若いお客さんも戻って来てくれ、“みなみ会館といえば、オールナイト上映”とだんだんと根付いていきました」
今回は吉田さんに、「家族」をテーマにした3作品を選んでいただきました。
近くにいる家族、遠くに住んでいてなかなか会えない家族。
そんな誰にとってもかけがえのない存在にまなざしを向けて、観るとちょっと気持ちが上向いたり、心があたたかくなったりするような映画を知れると嬉しいです、とリクエストしてみました。
なにげない1日が、かけがえのない時間
まるで奇跡みたいな、家族映画
© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
「アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜」(2013年 / 124分 / イギリス)
Story
イギリス南西部に住む青年ティムは自分に自信がなく、ずっと恋人ができずにいた。21歳の誕生日に、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父親から知らされたティムは、恋人を得るためタイムトラベルを繰り返すようになり、やがて魅力的な女性メアリーと出会う。しかし、タイムトラベルが引き起こした不運によって、その出会いがなかったことになってしまい、再び時間をやり直したティムはなんとか彼女の愛を勝ち取るが……。
© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
© 2015 Universal Studios. All Rights Reserved.
吉田さん:
「家族がテーマの映画でパッと思い浮かんだのは『アバウト・タイム』でした。
登場する主人公の家族の面々が本当にみんな素敵で。特にお父さんとお母さんの生き方が素晴らしいなと感じます。
タイムトラベルができる家族の話ではあるんだけれど、『今生きているこの時間を大切にしていこう』ってメッセージがしっかり込められていて、物語の終盤に主人公のお父さんが語りかけてくれるセリフにはやっぱりグッとくるものがあります」
『アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜』
価格:Blu-ray 2,075円(税込)/ DVD 1,572円(税込)
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテインメント
※商品情報は記事公開時点のものです。最新の内容をご確認ください
家族の愛や絆が感じられる
心温まる、隠れた名作
© 2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
「幸せをつかむ歌」(2015年 / 101分 / アメリカ)
Story
かつてミュージシャンになる夢を追うために、家族を捨てたリンダ。名前も“リッキー”に改名し、今はロサンゼルス郊外の小さなライブハウスで、パートナーのグレッグらと組んでいるバンド“リッキー&ザ・フラッシュ”としてステージ演奏する毎日。スーパーのレジ係も掛け持ちし、生活は破綻寸前。そんなある日、元夫のピートから電話がかかってくる。「離婚した娘のジュリーが深く傷ついているので、元気付けてやってほしい」というのだ。愛する娘のため、ジュリーの元へ駆けつけたリッキー。だが、母にも捨てられ、夫にも捨てられてしまったジュリーにとって、リッキーは今でも“大っ嫌いな母親”だった……。
© 2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
吉田さん:
「実はこの映画、今年に入って初めて知った映画なんです。
というのも、“爆音映画祭”などのイベントを手がけるboidさんが企画した【boid sound 映画祭】を、京都みなみ会館で開催した時に、数あるラインナップの中でも、この映画は絶対に上映したいんだと提案してもらって。それで観てみたら、素晴らしい作品でした。
家族がどんな形になったとしても、親子の愛や家族の絆ってあるんだなと感じられる心温まる映画です。この機会にぜひ観てみてほしい1本です」
『幸せをつかむ歌』
デジタル配信中
Blu-ray 1,980円(税込)/ DVD 1,408円(税込)
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
© 2015 Columbia Pictures Industries, Inc. and LSC Film Corporation. All Rights Reserved.
何歳になっても、人生の初心者だから。
じんわりと心打たれる映画で朝を迎える
人生はビギナーズ(2010年 / 105分 / アメリカ)
Story
38歳独身で奥手なオリバーは、母に先立たれ5年がたったある日、ガンの宣告を受けた父からゲイであることをカミングアウトされる。衝撃を受けたオリバーは事実をなかなか受け止められずに臆病になってしまい、運命的な出会いを果たした女性アナとの関係も自らで終わらせてしまう。しかし、真実を告白した父は残された人生を謳歌し、その姿を見たオリバーは自分の気持ちに正直に生きることを学んでいく。
吉田さん:
「この作品は、けして派手な映画ではないけれど、とにかくストーリーがじんわりと良いんです。
先に紹介した『アバウト・タイム』ともつながりますが、この映画にも、今ある自分の人生の中にもきっとキラッと光るものがあるから、それを大事に生きていこうねと、そんなことを伝えてくれる映画なんじゃないかなって思うんです。
監督のマイク・ミルズは、このあと『20センチュリーウーマン』など家族を題材にした映画を撮り続けています。そんなマイク・ミルズの作品の中でもこの『人生はビギナーズ』は、特に心にしみる映画だなぁと感じるんです」
『人生はビギナーズ』
DVD好評発売中 ¥3,800(税抜)
発売元:クロックワークス
販売元:アミューズソフト
©2010 Beginners Movie, LLC. All Rights Reserved.
オールナイトの楽しみは、鑑賞順にあり?
「オールナイト上映は、どの作品から観始めて、どの作品で朝を迎えるか、そんな順番を考えるのもお楽しみポイント。
今回は、ご紹介した順番に観ていただくのがおすすめです。『アバウト・タイム』を観て良い映画を観たって感じて、『幸せをつかむ歌』で眠気を吹き飛ばして、『人生はビギナーズ』でじんわりして朝を迎える。
どの作品も、サブスクやネットレンタルもできるので、ぜひオールナイトで楽しんでみてください」
次回は吉田さんに、旅にも出かけにくい今だからこそ観たい「ロードムービー」をテーマにした作品を選んでいただきました。
次のオールナイト映画祭もお楽しみに。
(つづく)
【写真】京都みなみ会館(2〜4枚目)
もくじ
吉田由利香(京都みなみ会館・館長)
京都市生まれ。高校時代、映画研究部に入部し、映画の世界に魅力を感じる。京都造形芸術大学の映像芸術コースに進学し、大学卒業後に京都みなみ会館に就職。2013年には入社2年にして館長に就任。オールナイト上映会など数々のイベント上映も手がけ、2019年には、老朽化を理由に一時休館していた同館をリニューアルオープンさせた。
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