【スタッフコラム】お弁当特集の取材こぼれ話。
編集スタッフ 津田
お弁当特集の取材に行ってきました。
先週公開したお弁当特集は、お楽しみいただけましたでしょうか?
こちらの特集には、料理家の小堀紀代美さん、大塩あゆ美さんにご登場いただき、私・津田が取材&撮影に行ってきました!
お弁当づくりの取材をしつつ、雑談でお仕事のことなどもすこしだけ伺ってきました。
お二人ともそれぞれ本当にいろいろなご経験をされてきたことを知り、まったく別の職種から転職して「北欧、暮らしの道具店」に入った私としては、ちょっぴり大げさかもしれませんが、すごく勇気づけられる機会となったので、こちらのコラムでご紹介させていただきます。
特集の番外編として、お二人のアトリエの写真とあわせて、お楽しみください。
料理家・小堀紀代美さんの
“食日記”のおはなし。
サンドイッチボックスの撮影を終えると、「試食していってくださいね〜」と、素敵なプレート(冒頭の写真)に盛りつけて出してくださいました。
試食しながらお話をしていると、「実は明日から海外出張で・・・」とおっしゃる小堀さん。
料理のお仕事ですか?とお聞きすると、料理ではなく、長年たずさわっているアートのお仕事とのこと。
毎年、そちらのお仕事で海外出張があるそうで、その旅先で出合った美味しいものやかわいい雑貨が、小堀さんの作る料理やスタイリングのアイデアにつながることも多いのだそうです。
旅先で食べたものや見つけたものは、その場でスマホで写真を撮って、短いコメントと一緒にinstagram(※)にアップしている、という話の流れで「そういえば…」と教えてくださったのが、20代の頃に書いていたという「食日記」のこと。
ご家族の健康管理のために、毎日食べたものをノートにメモして、フィルムの一眼レフで写真に撮っていた時期があったそうなんです。
*instagram…インスタグラム。写真投稿共有サービス。
「誰かに見せるつもりで書いてないから、字なんて本当に走り書きだし、フィルムで撮影していたから現像してみると真っ暗の写真だったり。それでも、いま読み返してみると新しい発見があるんですよ〜。料理のアイデアにつながることもあって、自分でもなんだかおもしろいです」とおっしゃる小堀さん。
ご自身のカフェ「like like kitchen」をオープンするよりも何年も前のことで、料理家になるとは思っていなかった頃の日記。
それが時を経て、いまのお仕事につながっている、というお話は、まったく別の職種から転職した私にはとても興味深く、改めてこれまでの経験もきっといつか点と点が線となるように、繋がる日がくるのかなと小さな希望を持つことができました。
小堀さん、おいしいサンドイッチと、楽しいお話を本当にありがとうございました!
料理家・大塩あゆ美さんの
スパイスとの出合いのおはなし。
続いての取材先は、料理家・大塩あゆ美さん。
私・津田がクラシコムに入社したての頃に、オフィス近くのギャラリー「room103」で出張食堂をされており、そのときにいただいたベトナム風サラダごはんのプレートが、いまでも忘れられないほどおいしくて(!)、いつか特集などでご一緒できたらなぁと思っていたので、まさに夢が叶いました〜。
特集用に作っていただいたお弁当も、ナンプラーなどを使ったちょっぴりエスニックなおかずだったので
「もともとスパイスやエスニック系の料理がお好きだったんですか?」
と尋ねてみると、はじめは一般的な家庭料理を作っていらっしゃった、とのこと。
「実は、高校生の頃に読んだ『装苑』という雑誌に影響を受けて、デザイナーを志して服飾デザインの学校に通ったんです。でも、いざ学んでみると自分には向いてないかも、と思うようになって。当時から料理はわりと得意だったので、その道に進むことにしたんです」と、大塩さん。
本格的に料理を仕事にしようと思ったときに、お世話になっていた精進料理の先生から、料理家・たかはしよしこさんを紹介されたのだそうです。
たかはしよしこさんといえば、数種類のナッツやスパイスを岩塩に混ぜた「エジプト塩」という調味料が有名で、ご存知の方も多いかもしれません。
「たかはしさんのもとでアシスタントをしていたときに、スパイスの使い方やエスニックな料理の魅力を知り、少しずつ自分の料理にも取り入れてきました」
もともとは服飾関係を目指していたけど、料理をお仕事にされた大塩さん。
スパイシーでエスニックな美味しいごはんが人気ですが、「それでも独立した頃は泣けるほど仕事がなかったですよ〜」と語る姿は、あっけらかんと見えて、この道を進むと決めた静かな覚悟のようなものを感じました。
そんな大塩さんのお話を聞いて、わたし自身、数ヶ月前に編集チームに異動して、担当している仕事をこなすことに精一杯となってしまうことも多いのですが、いつか「これが自分の仕事」と伝えられるものを持てるように、いま経験させてもらえるひとつひとつを大切にしようと思ったのでした。
****************
お弁当特集にご登場いただいた小堀さん・大塩さんの、取材中のこぼれ話、ちょっとだけご紹介させていただきました。
特集本編では、レシピや料理のコツを中心にお伝えしましたが、お二人のお仕事の話も、楽しくお読みいただければうれしく思います。
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