【夜と星空とわたし】後編:あと20年で「宇宙の生き物」に出会える!地球を離れて暮らす日はいつ?

編集スタッフ 長谷川

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実は、プラネタリウムの数が世界で2番目に多いのは日本だそうです。

プラネタリウムはたくさんあれど、意外と知っているようで知らない「星空」や「宇宙」のギモンを、“星と宇宙の専門家” である天文学者の方にお聞きしました。

160915night_starry_sky_me_34▲国立天文台三鷹キャンパスへ行ってきました!

教えてくれたのは、日本を代表する天文学の研究所「国立天文台」の縣秀彦(あがた・ひでひこ)さんです。

縣さんは国立天文台の研究成果をわかりやすく人々へ伝えたり、天文学の教育や普及活動をなさったりしています。

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前編では「都会でも星を見る方法」など、星空にまつわる話をまとめました。続く後編は「宇宙」について。

水星や地球などの「惑星」って、何個あると習いましたか? 水金地火木土天冥海……「9個!」と答えた方へ。今は、その400倍だそうです

 


 宇宙のイマ!
惑星の数は、3600個を超えている。


 

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子どもの頃に勉強していた歴史がいつの間にか変わっているように、宇宙についてもたくさんの発見がなされています。

「惑星の数って何個だと思いますか?」と縣さんに問われて、私たちは「9個じゃないんですか?」「その質問ということは……30個くらいに増えてる?」などと答えてみましたが、大ハズレでした(笑)。

縣さん:
「現状で3600個くらいです」

あの、理科の授業では、9個って習ったのですが……。

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縣さん:
「まずは2006年に冥王星が『準惑星』に分類されたことで、太陽のまわりにある『太陽系惑星』は8個に変わりました。

1995年から発見されはじめたのが『太陽系外惑星(太陽系のさらに遠くにある惑星)』で、現在までに3600個ほど見つかっています。

それまでは太陽系の外側なんて遠い世界で、明るく光る太陽のような星が点にしか見えないようなものでした。つまり、天文学がより精密に天体を測れるように進化したわけです。

たとえば、近い将来、赤外線を使う超大型天体望遠鏡を用いると、その惑星の表面に植物があるかどうか調べられます。

植物は赤外線をはじいてしまうので、その望遠鏡で見て強く輝いている惑星には、植物があるかもしれません」

たった20年の間に、大きく常識が書き換わっていました!いまの子どもたちと、私たちが子どもの頃の教科書を見比べてみたら、きっとこういうズレがたくさん出てくるのでしょうね……。

 


宇宙のイマ!
「地球みたいな星」はいくつも見つかっている。


 

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植物のある惑星があるかもしれない。縣さんの言葉で、思い浮かべるのはSF映画の世界です。

私たち、あるいは未来の子どもたちが、「地球以外」で暮らせる可能性はあるのでしょうか。

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縣さん:
「太陽系外惑星の中に、ある一定の大きさの岩石質で、地表に大気を留められ、液体の水が存在する環境(ハビタブルゾーン)の惑星がすでに10個近く見つかっています

8月末にも、太陽系にいちばん近い惑星が見つかったんですよ。

プロキシマ星といって、ケンタウルス座のα星のひとつ(ケンタウルス座の最も明るい恒星で、3重星といって3つの “太陽” がお互いを回っている)で、地球から4.22光年離れた場所にある星の周りにも惑星が見つかったのです。

こういう星が当たり前に見つかるようになってきたんです」

いずれは自己紹介で「地球の日本」みたいに、国名の前に「どの惑星か」を付ける日が来るのかもしれません。暮らしぶりはどんなふうに変わるのでしょうね。

 


宇宙のイマ!
地球外生命体に出会うまで、あと20年。


 

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私たちが住める星ならば、生き物がいてもおかしくはないはず……と、なると、宇宙生物や宇宙人がいるかもしれないのでしょうか?

縣さん:
「二段階で考える必要がありますね。まずは、地球外生命体が本当にいるのか。次に、それとコミュニケーションが取れるかです。その点でいうと、地球外生命体がいる可能性は高い

生物がいてもよさそうな環境が見つかってきたからこそ、天文学(アストロノミー)と生物学(バイオロジー)が一緒に研究をする『アストロバイオロジー』という新しい学問もはじまりました。

今では、地球外生命体がいないことを証明するほうがよっぽど難しいくらいです。そこで、可能性があるなら調べようと、国立天文台も『TMT』という大型望遠鏡を作り始めました」

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縣さん:
「早くて2020年代には稼働しますから、2030年代……つまり、あと20年以内にかなりの確率で地球外生命体は見つかるはずですよ。

それが知的生命体はわかりませんが、もしかしたら僕らが生きている間に、コミュニケーションできる時代が来る可能性もゼロではないのです」

 

天文学は「終わらないこと」に魅力がある

160915night_starry_sky_me_7(提供:国立天文台)

縣さんが身をおく天文学は、世界中で競争しながら調査と発見をくりかえしています。

常に自分が研究する分野の最新論文を読み、会議で新しい情報を得てディスカッションし、新しいツールの習得にも努める……縣さんは「研究者はトレジャーハンターと変わらない」と言います。

その根本には惹かれる理由がきっとあるはず。縣さんにとって天文学の魅力とは?

縣さん:
「僕は今の仕事をする前は、彗星の尾っぽについて研究していました。いきなりやってきて尾っぽをなびかせて去っていく、その姿が子供心にも魅力的で興味を持ったんです。

それに、彗星は主にアマチュアの人が発見していて、発見者の名前が付いているわけなんですね。話題になったヘール・ボップ彗星もそうだし、百武彗星は鹿児島県の百武裕司さんが見つけたわけです。

だから、とても身近な存在で、『自分でも彗星を見つけられるかもしれない!』と思いました」

160915night_starry_sky_me_6▲1997年に観測された「ヘール・ボップ彗星」(提供:国立天文台)

高校時代にふたりの親友から「好きなことを追求する生き方をしよう!」と励まされ、縣さんは天文学への想いを失うことなく、星を見つめ続けてきました。

縣さん:
「今でも天文学を続けるのは、『自分が何者であるか知りたい』という好奇心だけですね。それで儲けようとか、偉くなろうというわけではなくて、もっと純粋な気持ちです。

それに、新たなことがわかると、新たに10個くらいのことがわからなくなるんですよ。

だから、いつまでたっても終わらない。僕は宇宙を『不思議の玉手箱』と呼んでいますが、いくらでも出てくるんです」

 

星空が、私たちにくれるもの。

▲縣さん、ありがとうございました!

ここまでお読みくださって、ありがとうございます。

きっと、ここまでお付き合いくださったみなさんの目には、星空が昨日までとはちがうふうに映っているのではないでしょうか。

(そうだったら、とてもうれしいです。)

星々や宇宙に想いを馳せ、その大きなフレームを考え方に取り入れることで、気持ちがどこか軽くなる。

縣さんが教えてくれた星や宇宙の話は、知らない扉を開いてくれただけでなく、私たちの暮らしの輪郭をひとつはっきりしてくれたようにも思います。

誰にでも、夜はやってきます。どこにいても、夜は訪れます。

私たちの頭上にある、たくさんの未来や夢に気づければ、なんだか少しだけ、今日よりも明日がわくわくしてくるように思えるのです。

(おわり)


もくじ

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縣秀彦(あがた・ひでひこ)

1961年長野県大町市八坂生まれ(現在、信濃大町観光大使)。NHK高校講座、ラジオ深夜便「星空見上げて」(奇数月の第4日曜23:15-)にレギュラー出演中。東京大学附属中学・高校教諭を経て現職。国立天文台天文情報センターで広報・アウトリーチ、教育を担当。専門は天文教育(教育学博士)。天文教育普及研究会会長。「科学を文化に」「世界を元気に」を合言葉に世界中を飛び回っている。


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