【インテリア特集】第4話:家族写真をおしゃれに。取り入れたい飾り方アイデア
ライター 嶌陽子
2歳の娘と3人暮らし。マリアさんのご自宅訪問。
インテリア連載Vol.10は、パリ発の子ども服&雑貨ブランド「ボントン」のプレスを務めるサリュコワ・マリアさん(@salyukovamaria)のご自宅。
ご主人と2歳の娘、小夏ちゃんと3人で暮らすマンションは、子どもも大人も快適に過ごすための、さまざまなアイデアにあふれていました。
最終話の今回は、マリアさんならではのセンスあふれる家族写真の飾り方です。
さらに 「こんな風に楽しめるんだ!」 と感心した、大胆なアートの取り入れ方を紹介します。
(※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)
第4話
バランスが大事。
家族写真やアートの飾り方
飾り方がむずかしい家族写真は、まとめて並べれば格好いい。
リビングのテレビ上の壁に、マリアさん一家の家族写真がまとめて飾ってありました。
ご主人や小夏ちゃんと一緒の写真だけでなく、マリアさんが赤ちゃんだった頃の写真や学生時代のモノクロ写真もあります。家族の歴史が感じられる、とても心温まるコーナーです。
▲グリーンのフォトフレームは「オルネドフォイユ」、プレートは「Mindbenders&Classics」で購入。
形も色もバラバラの個性的なフレームを使ったり、プレートも一緒に飾ったりすることで、全体的にアートっぽい雰囲気が出ています。
赤ちゃん時代のマリアさんが、お母さまに抱かれるモノクロ写真の下には、小夏ちゃんのお宮参りの写真。
▲「オルネドフォイユ」で買ったという、ひもで作られたフレームが印象的。
壁の写真コーナーのすぐ下にある、チェストの上にも小夏ちゃんの写真がありました。
▲いかりのモチーフのフレームは「Mindbenders&Classics」で購入。
マリアさん:
「家族写真も、とてもプライベートなものだから、飾り方によっては生活感が出過ぎてしまうと思うんです。
だから、まとめて一ヶ所に飾ったり、味わいのあるフレームやプレートと合わせることで、バランスを取っています」
玄関の壁には、同じシリーズのフォトフレームがサイズ違いで3つかけられていました。ここでは、あえてフレームを揃えることで、まとまった雰囲気になっています。
▲ベルベットのひもで吊るすタイプのフレームは「ボントン」のオリジナル。
小夏ちゃんの写真と共に飾ったのは、マリアさんが沖縄で買ったヴィンテージのポストカード。
シックな絵を1枚入れることで、やはり生活感が出過ぎず、絶妙なバランスが保たれていました。
さらに、玄関からLDKへと続く廊下の壁では、こんなおちゃめなものを発見。
▲フレームは結婚祝いにもらったもの。
なんとこれ、マリアさん夫妻の結婚式の招待状だそう!古い絵はがきの顔の部分をマリアさんとご主人に変える加工をしたそうです。
家族や子どものの写真は飾りたいけれど、あまりやり過ぎると、インテリアの中で写真だけが浮いてしまいがち。
飾り方のバランスやフレームの選び方など、マリアさんが実践しているアイデアは、ぜひ参考にしたくなりました。
10畳のLDKでも、大きなアートを大胆に。
マリアさんのお宅で印象的だったのが、部屋の中に大きなものをどん!と大胆に置いていること。
家具も大ぶりなものが多いのですが、飾られているアート作品やオブジェも、かなりのサイズです。
マリアさん:
「うちのリビングは10畳ほどなのですが、そこへ小さなものをこまごまと飾ってしまうと部屋が狭く感じられそうな気がして。
だからあえて大きなものを置くようにしています」
チェストの上に置かれた古い帆船のオブジェも、その後ろに立てかけてある大きな絵 (ご主人がマリアさんの誕生日プレゼントに自ら描いたそう) も、それぞれに存在感を放っています。
サイズはいずれも大きいのですが、色の数が少ないためか圧迫感がなく、LDKに違和感なくなじんでいます。
ダイニングテーブルの上には、大きなガラス瓶。やはり大ぶりの花とグリーンが生けられていました。
▲ガラスの容器は「ブリキのジョーロ」で購入。
▲隣のもう一つのガラスにはベタという種類の熱帯魚が。名前は「ペチャ」。
マリアさん:
「お花は、お花屋さんに並んでいるみたいに、どさっと生けるのが好みです。
お花もオブジェも、こまごまとしたものを上手に飾る人もいるけれど、私はそれが苦手なんですよね」
確かに、サイズの大きいアートや雑貨が部屋の中にあるおかげで、全体的にのびのびとした雰囲気が作られているように感じます。
また、絵の前に船のオブジェを置いたりするなど、大きなものも前後に重ねておくと、まとまった一つの世界が出来上がるのかもしれません。
広くはない空間でも、アイデア次第で、個性的なアートのあるインテリアを楽しめる。マリアさんの自由な発想に、またまた「なるほど!」と思わされたのでした。
家族から受け継いだものを大切に使う。
ストーリーのある、古いものが好きなマリアさん。ロシアのおばあちゃんから譲り受けた銀のスプーンなども大切に使っています。
錫製の器もおばあちゃんから譲ってもらったもの。ロシアで朝食によく食べられるという、ミルク粥を作るためのポットだそうです。
今はグリーンを飾る器として活躍しています。
マリアさん:
「私は12歳の時に来日して以来、日本に住んでいますが、それまではロシアの小さな町で暮らしていました。
子どもの頃、夏休みになると山の上にある大叔母の家で過ごすんです。そこは花柄のカーテンやペチカなどがある、古き良きロシアの家といった感じ。
そういったノスタルジックなイメージに今も影響を受けている気がします。私、花柄も大好きですし(笑)」
「私の父は古いものが好きで、昔からよく骨董市などで買い物をしています。母は手づくりのものが好きで、手芸が得意。
私の『モノ』好きは、そんな両親の影響も大きいと思います。
おばあちゃんも私にとって大きな存在。すごく几帳面で、靴下にもアイロンをかけるような人。そして、家具や日用品を長く大切に使い続けるんです。
そんなおばあちゃんのように、私も一つのものを長く使い続けたいといつも思っています」
家族のことや、子どもの頃の思い出を話してくれたマリアさん。
最後に、電子レンジの上に飾っている、おばあちゃんから譲り受けたという花瓶にまつわるストーリーを教えてくれました。
マリアさん:
「この花瓶は、おばあちゃんが学校を卒業して働き始めた頃、職場の同僚にプレゼントされたそうなんです。
それまで部屋にお花を飾りたいと思っていたけれど、花瓶を買うお金がなかった。初めて持った自分の花瓶で、すごく大切にしていたそうです」
マリアさんが家族から受け継いだものには、さまざまな物語が詰まっています。
こうしたものや、自分で買ったものを大切に使いながら、ご主人や小夏ちゃんと一緒に、新たな物語を刻んでいくのでしょうね。
4回にわたって、サリュコワ・マリアさんの「親子で楽しむインテリア」をお届けしました。
特に印象的だったのは2つ。
ひとつは、生活感のあるものを徹底的にしまいこむことで、すっきりとした空間を作っていたこと。
もうひとつは、「小さな子どもがいるから」「部屋が広くないから」などと最初から制約を設けず、自由なアイデアを駆使していたことです。
子どもが快適に過ごせて、かつ大人もインテリアを存分に楽しめる。
そんなマリアさんのお宅に刺激を受けて、「子どものおもちゃをこう収納してみよう」「家族写真をあそこに飾ろう」など、私も実践してみたいことが色々と頭に浮かんできました。
次回のインテリア連載は、どんなアイデアの詰まったお宅を拝見できるのでしょうか。
どうぞお楽しみに!
(おわり)
【写真】木村文平
もくじ
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サリュコワ・マリア
フランス発の子ども服&生活雑貨ブランド『ボントン』、ライフスタイル提案型コンセプトストア 『PLAIN PEOPLE』 のプレスを務めるマリアさんは、ロシアの生まれ。現在は2歳の長女・小夏ちゃんと、デザイナーのご主人の3人で都内に暮らす。10畳ほどのLDKにはセンスの良いヴィンテージ家具が並び、大人も子どもも楽しく快適に過ごせるインテリアに仕上げている。
・マリアさんのインスタグラム:@salyukovamaria
ライター 嶌陽子(しま ようこ)
編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『クロワッサン』(マガジンハウス)、『天然生活』(地球丸)など。プライベートでは1児の母として奮闘中。
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