【インテリア特集】第4話:小さな空間だからこそ。バスルームは「素材と色」で遊ぶ

ライター 嶌陽子

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雰囲気を「あえて」変えた、バスルーム

インテリア連載vol.12は、インテリアスタイリストの石井佳苗さんの新居。昨年5月に引っ越した中古マンションの内装を、セルフリノベーションとDIYで作り上げました。

インテリアや収納のアイデアはもちろん、将来、中古マンションをリノベーションをして住みたいと考えている人にとっても、参考になるヒントが満載。

最終回では、他の部屋とはがらりと趣を変えたバスルームを中心にご紹介します。

※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです

 


第4話
バスルーム&寝室


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洗面所は、色や柄で「遊べる」空間

洗面所は、ぱきっとしたグリーンが目を引くトイレのドアや、3種類のひし形タイルを組み合わせた幾何学模様の床が個性的な雰囲気。

ひし形タイルは「平田タイル」の “Xtreme Rhomboid” 、グリーンのペイントは「カラーワークス」の “Hip” です。

石井さん:
「洗面所は面積が小さいからこそ『遊べる場所』だと思っています。

リビングなどの広い空間に原色や幾何学模様を取り入れたら、くつろげなくなってしまいそうですが、ここは小さなスペースなので、おもしろいことに挑戦できたんです」

洗面台は、アンティークのテーブルの上に洗面ボウルをのせて作ったもの。

_Q9A3326-2▲洗面ボウルは「平田タイル」で購入したイタリアのメーカー「シエロ」のもの。

水栓金具はオンラインショップの「パパサラダ」で見つけて購入し、専門業者に施工してもらいました。

また、洗面所の壁も第1話で紹介した「自由な壁」です。

石井さんが益子の「Pejite」で買った日本の古い鏡や、寝室の床材で余った足場板で作った壁を取り付けました。

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石井さん:
「バスルームは時々入る場所だから、あえて個性的な雰囲気にすることで、気分転換できる空間にもなりました」

リノベーションの際に、大胆な色や素材を使いたいと思った場合は、洗面所で試してみるのがよさそうです。

 

浴室にも、光が入る工夫を

_Q9A3340▲日本製の鋳物ホーローバスタブは「平田タイル」でオーダーしたもの。

以前は全く光が入らず、暗かった浴室。

壁の一部をガラスブロックにすることで、一変して明るい空間に生まれ変わりました。

浴室のドアもガラスにしたため、洗面所にも光が入ります。

ちなみに、浴室の向こう、キッチンから見たガラスブロックはこんな感じです。

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石井さん:
「ガラスブロックはインターネットなどで1個数百円で売っています。

こうして少し使うだけで、抜け感も出るし、明るさも感じられますよ。

採光のためだけでなく、1970〜80年代のポストモダンの雰囲気を取り入れたかったんです」

キッチンの棚に置いてある、ソットサスのペッパーミルなども、石井さんの好きなポストモダンのデザイン。

石井さん:
「ナチュラルな雰囲気の空間にバランスよく混ぜることでデザイン性が高まって、全体的に雰囲気が締まるところが気に入っています」

 

ガチャ柱を使った洗濯機まわりの収納

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洗面所の一角、トイレの横には洗濯機置き場が。上には棚柱(ガチャ柱)を使って作った棚がありました。

棚の1段目にはタオル類が。2段目に3つ並んだカゴは、益子のお店で買ったもの。予備の洗剤や掃除道具など、生活感のあるものを収納しています。

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毎日のように使う洗剤類は、カゴバッグに入れて床の上に。

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かごや布バッグを上手に使って、生活感があふれそうな洗濯機まわりもすっきりと見せていました。

 

ファブリック使いで、リラックス感を演出

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最後に見せてもらったのはベッドルーム。ガラスの折れ戸から、柔らかい光が差し込んでいました。

目隠しにしている布は韓国の李朝時代のポジャギ。光の透け具合が心地よさをもたらしてくれます。

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ベッドルームの床に使ったのは古い杉の足場板。温かく、素足で歩いても大丈夫だそうです。

_Q9A3316▲ベッドサイドに敷いたラグは、ブルックリンのビンテージショップで購入。

肌寒い時期はウール、春から初夏にかけてはカディコットンというように、ベッドカバーも季節に合わせて素材を変えるそうです。

_Q9A3295▲ラダーハンガーも石井さんのDIY。

リビングやダイニングもそうですが、ベッドルームでは特に素材感にこだわり、リラックスできる雰囲気が作られているように感じました。

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全4回にわたってお届けした石井佳苗さんのお宅。いかがでしたでしょうか。

最後にセルフリノベーション体験の感想を聞いてみると、「楽しいと大変が半々くらいでしたね」という答えが返ってきました。

石井さん:
「私はフリーランスで仕事をしているので時間の調整もできましたが、会社勤めをしながらセルフリノベを大々的にやろうとすると、予想以上に時間がかかって大変だと思います。

無理のない範囲で、自分に合う形で楽しく関われるといいですよね。

また、使いたい素材や設備などがあれば、メーカーなどを詳しく知らなくても、本や雑誌などを設計事務所などに見せてイメージを伝えると、近いものを探してくれますよ。

とにかく、リノベーションする時は希望は何でも伝えてみることが大事だと思います。だって、自分の家ですから!」

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床や壁など、根本的な部分からリノベーションに関わった石井さんの話はとても新鮮で、「リノベーションやインテリア作りの可能性はこんなにあるんだ!」と感じた取材でした。

次回はどのようなお宅に出合えるのでしょうか。

今後のインテリア連載も、どうぞお楽しみに!

(おわり)

【写真】木村文平

※石井さんの新居作りのプロセスや、この連載で紹介するDIYアイテムの作り方は、近著『Love Customizer No.2 DIY×セルフリノベーションでつくる家』(エクスナレッジ)で詳しく紹介されています。

 


もくじ

 

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石井 佳苗

インテリアや暮らしまわりのスタイリスト。ウィンドウディスプレイやプロモーション、商品開発、講師などにも、活躍の場を広げている。近著『Love Customizer No.2 DIY×セルフリノベーションでつくる家』(エクスナレッジ)はじめ、インテリアやDIYにまつわる著書多数。https://www.instagram.com/kanaeishii_lc/

▽石井佳苗さんの著書の一部

 

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ライター 嶌陽子(しま ようこ)

編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『クロワッサン』(マガジンハウス)、『天然生活』(地球丸)など。プライベートでは1児の母として奮闘中。

 


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