【にほんのお菓子】第4話:雪のようにまっしろなアクセサリーとお菓子。あこがれの街、富山のあれこれ
編集スタッフ 寿山
「いつかまた食べたい」と、思うお菓子はありますか?
わたし寿山は、日本中にもう1度食べたい、いつか食べたいお菓子がありすぎて、国内旅行に出かけるときは必ず何軒かの菓子店をハシゴするのが習慣です。
そんなお菓子好きの私が、忘れられない全国の名菓を不定期でお届けする連載「にほんのお菓子」。
今回ご紹介するのは、富山県の郷土菓子。お菓子にまつわるエピソードも併せてお伝えします。
行ったことはないのに、憧ればかりつのる富山。
▲「竹松梅」シリーズのブローチ
私が富山県に憧れを抱いたのは、とあるアクセサリー作家さんとの出会いがきっかけです。
シルバーや象牙を使ってブローチなどのアクセサリーをつくる、ハタナカユーコさんの作品をはじめて目にしたとき、「きっとこの人のことが大好きになる」と、不思議な予感がしたのです。
男性にひと目ぼれしたことはありませんが、モノにはひと目ぼれしてしまう性分のようで。展示会などで作品を見るたびに、いつかハタナカさんにお会いしてみたいと、思いを募らせていました。
▲「イトテツケル」シリーズのブローチ
それから1年後、前職でハタナカさんを取材するチャンスが巡ってきました。
踊りだしそうになるくらい嬉しくて、でも逃げ出したいくらい緊張しながら呼び鈴をならすと、作品のように、楚々とした女性が目の前に現れたのです。
緊張のあまり、何をしゃべったか詳しく覚えていないのですが、ハタナカさんのおだやかな話し方や優しい声のトーン、そして想像よりもチャーミングな一面。どこか凛とした生き方にふれて「ああ、やっぱり大好き」と確信しました。
そんな彼女が富山で生まれ育ったと聞いて。どんな街だろうと興味を抱き、ずっとずっと憧れています。
雪の季節に、まっしろなお菓子を買うのが夢です
取材のあとに、ハタナカさんがあたたかいお茶と一緒に出してくれたのが、富山の郷土菓子「月世界」(2本入、税込1,080円)です。
さっそくいただこうと口にはこぶと、ふわっと卵のいい香りがしました。
サクッと軽やかな歯ごたえで、口のなかで溶けるほどに甘みが広がります。お茶だけでなくコーヒーとも好相性で、かれこれ120年も愛され続ける銘菓なのだとか。
何よりハタナカさんがつくる作品やお人柄にもぴったりの雰囲気のお菓子だと、これまた大好きになってしまったのです。
その白く美しい佇まいを見ていると、いつか雪の富山を旅して「月世界」を買ってみたいと、夢はしずかにふくらむのでした。
【月世界本舗】
富山県富山市上本町8-6 営業/ 10:00〜17:00 TEL/076-421-2398
http://www.tukisekai.co.jp/
富山に行くなら、あれも、これも
薄氷
雪ふかい富山の春はまだ寒く、田んぼは一面の薄氷に覆われているそう。そんな春の情景を和菓子で表現した「薄氷(10枚入、税込1,080円)」は、260年以上の歴史を誇る、富山の郷土菓子。地場のもち米でつくった薄いせんべいに和三盆糖の蜜をかけたもので、サクッと口どけがよく、和三盆の旨みがふわっと広がる。
【五郎丸屋】
富山県小矢部市中央町5-5 営業/ 8:00〜19:00(日曜は18:00まで) TEL/0766-67-0039
http://www.usugori.co.jp/shop/
おわら黒みつ玉天
砂糖と寒天、卵白を合わせた淡雪羹(あわゆきかん)に、卵黄の衣をつけて焼き上げた「くろみつ玉天(10個入、税込1,300円)」。ふわふわの食感で、卵の風味が生きたやさしい甘さ。版画家の棟方志功(むなかたしこう)デザインの包装紙もかわいらしい。紙袋は、型染めした八尾和紙で和小物をつくる「桂樹舎」の代表・吉田桂介と店主が共同で手がけたもの。
【菓子司 林昌堂】
富山県富山市新保42-3 営業/8:30〜18:00 TEL/076-456-6565
(つづく)
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