【にほんのお菓子】第6話:お正月に家族でわいわい食べたい、和風フォーチューンクッキー!?
編集スタッフ 寿山
「いつかまた食べたい」と、思うお菓子はありますか?
わたし寿山は、日本中にもう1度食べたい、いつか食べたいお菓子がありすぎて、国内旅行に出かけるときは必ず何軒かの菓子店をハシゴするのが習慣です。
そんなお菓子好きの私が、忘れられない全国の名菓を不定期でお届けする連載「にほんのお菓子」。
今回ご紹介するのは、山形県の郷土菓子。現地を旅したエピソードも併せてお伝えします。
上野発の夜行列車にのって、いざ東北へ
大学生の頃、海外よりも国内旅行に興味があったわたしは、アルバイトで稼いだお金をせっせと旅につぎこんでいました。
とくに南の生まれだからか寒い地方へのあこがれがつよく、真冬の津軽海峡をみたくて、上野発の夜行列車にのって東北を旅したことがあります。
その道すがら、吹雪のホームで平然と電車を待つミニスカートの女子高生を心の中であがめたり。日本海沿いを走るローカル線の車窓から冬の荒波を見て、「この海を見て育った人には、きっとかなわない」と思ったり。
はじめて目にする北国の冬景色は、いくら眺めても見飽きることがありませんでした。
そんな東北旅行のなかでも記憶に残っているのが、山形県を訪れたときのこと。
よく晴れた日にホテルで自転車を借りて、最上川のほとりをサイクリングしながら、お目当ての建物を見に行きました。「晴れた日は、また山や川の色が違ってきれいだなあ」と数日ぶりの日光浴を楽しんで。
ところがその翌日、前日の晴天がウソだったかのような大吹雪が到来。あまりの強風に、そのとき着ていたフードジャケットの、フードを留めるボタンが吹き飛ぶほどの嵐でした。
うかうかしては、いられない。
わたしが生まれ育った南九州は、1年を通して食糧に困ることもなければ、命の危険を感じるほどの吹雪もありません。子どもの頃からのんびり育ちました。
そんな環境下では想像もつかない経験がたくさんあって。このときの感覚は、いまも大切にしています。
お正月に、家族や親戚で楽しみたいユニークな駄菓子
そんな山形生まれの友人が教えてくれたのが、今回ご紹介する郷土菓子「からから煎餅(税込1,080円)」。江戸時代、まだ庶民が白砂糖を使えなかった頃に、黒砂糖から作られた素朴なお菓子です。
香ばしいお煎餅をわると、なかには和紙に包まれたおもちゃが。まるでおみくじのように何を引いたかワクワクする、楽しさもあります(おもちゃはなんと150種類もあるのだとか!)
さらにこの歴史ある駄菓子と文筆家の甲斐みのりさんがコラボして作ったのが「こけし入り からからせんべい(税込972円)」です。
おもちゃの代わりに、山形県の郷土玩具であるこけしのミニチュアが入っていて。ガーリーな絵付けのこけしは、思わず集めたくなる可愛らしさです。それを眺めながら、ポリポリとお煎餅を食べるのも楽しいもの。
お正月におみくじ感覚で、家族や親戚が集まったときに食べるのもまた一興です。
【宇佐美煎餅店】(からから煎餅)
山形県鶴岡市錦町10−10 営業/8:00~17:00 TEL/0235-22-0187
【Loule】(こけし入り からからせんべい)
http://www.loule.net/
山形県に行くなら、あれも、これも
オランダせんべい
日本でも有数の米どころ庄内産のうるち米でつくったうすやきせんべい「オランダちゃん(ギフトボックス)」(税込864円、写真右)。お米のほのかな甘さとほど良い塩加減は、まさにあとひく美味しさ。発売から半世紀以上のロングセラー商品で、地元では根強い人気。「オランダせんべいプレミアムチーズ味」(税込756円、写真左)は、かわいらしい家の形をしたパッケージに入っているので、お土産にもぴったり。
【酒田米菓】
山形県酒田市両羽町2-24 営業/9:00~17:00 TEL/0234-22-9541
http://www.sakatabeika.jp/
クッキーきな子(箱入りタイプ)
山形県の無農薬の小麦粉と、からだにやさしい素材から焼き菓子をつくる川地あや香さんの「クッキーきな子(税込500円〜)」。きな粉の風味がきわだつ、シンプルな味わいの堅焼きクッキー。やさしい甘さで、噛むほどに美味しさが広がる。金工作家でもある彼女は、アルミや銅、真鍮などを打ち出したプレートやカトラリーもつくっていて、この愛らしい形はお手製のクッキー型によるもの。直営店はなく、どちらも県内外のギャラリーやセレクトショップで販売している。詳細はHPより
【カワチ製菓】
http://www.kawachiayaka.com/
※写真は川地さん作の「アルミのビスケット皿」
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