【はじめての入学準備】前編:急がなくていい。楽しく学校に通えたら、それだけで花マルです。

ライター 嶌陽子

もうすぐ4月。新年度を迎えるこの季節、お子さんの小学校入学を間近に控えている人もいるのではないでしょうか。

初めての小学校入学は、きっと分からないことだらけ。生活はどんなふうに変わるの? 買っておいた方がいいものは? 入学式はどんな格好で行けばいい?頭の中にたくさんの「?」が生まれているかもしれません。

かくいう私自身、娘が3年後に小学校入学。まだ遠いことのように思えても、3年間はあっという間に過ぎてしまいそう。あらためて想像してみると、色々と疑問がわいてきました。

この特集では、そんな疑問を解消するべく、小学生のお子さんを持つ先輩ママに入学時の体験談をうかがいます。準備するものについて、気持ちの持ち方について。参考になるヒントが、きっと見つかるはずですよ。

 

新生活に慣れるのに、夏休み頃までかかりました。

お話を伺ったのは、モデルのAYUMI さん。短大卒業後にデビューして以来、20年以上にわたって、ファッション誌をはじめ広告やテレビなどで活躍を続けています。自然体のライフスタイルやファッションも人気です。

家では小学校5年生の長男と2年生の長女の母親。子どもたちのことを話す表情がとても優しく、楽しそうなのが印象的でした。

「長男の時は何もかもが初めてだったので、大変でしたね」と語るAYUMIさん。前編では、「慣れるのに夏休み頃までかかった」と語る生活の変化や、気持ちの持ち方についてお話を伺います。

 

膨大な量のプリント類にとまどって。

保育園に通っていた長男が小学校に入学したのは5年前のこと。

AYUMIさん:
「生活ががらりと変わりました。息子にとっては、一人で登下校するのも初めての体験。ちゃんと帰ってこられるか心配で、陰からこっそり見守っていたこともあります。

保育園ではお昼寝の時間があったのが、小学校ではもちろんありません。だから夜に寝る時間も早くなりました」

AYUMIさん自身も、最初は要領が分からないことばかり。特に苦労したのが、学校から配られるプリント類や、提出物の管理でした。

AYUMIさん:
「プリント類がとにかく多いんです。なかには目を通し終わったら処分していいものもあれば、とっておかないと後で困るものもある。最初はその判断ができなかったので、全部保管してしまっていました。

今は、キッチン戸棚の扉の内側にホームセンターで買ったマグネットシートを貼って、必要なものだけ留めています。

AYUMIさん:
「年間予定表など、時々確認すればいいものは、ファイルにしまって、戸棚の一画に入れています。

提出物も色々ありますが、全て一度に出せばいいわけではなく、それぞれ提出日が決まっているんです。忘れないよう、手帳に書き込んで管理するように。手帳に子ども関連の予定を書くことがぐっと増えましたね」

 

「お腹空いた!」にそなえて、焼き芋を作りおき。

AYUMIさん:
「学校から、お腹を空かせて帰ってくることが多くなったんです。だから、すぐに食べられるものを用意しておくようになりました。

子どもたちが大好きなフルーツは常備。週末に焼き芋を多めに焼いて、それを置いておくこともあります」

小学校入学を機に、家で用意するようになったおやつカゴ”は、キッチンの棚の上が定位置。子どもたちは帰宅すると、めいめいに好きなものを取って食べているそうです。

また、新生活で親子ともに疲れが出やすいこの時期。体調を維持するために頼ったのは、栄養価が高く、消化もよい甘酒でした。

▲子どもたちが食べやすいよう、甘酒とフルーツを和えて。優しい味ですっと食べられる。

AYUMIさん:
「息子も入学してしばらくの間は、帰宅後に疲れてしまって。夕食を食べながら寝てしまった、なんてことも今では懐かしい思い出です。

結局、親子とも、新しい生活リズムに慣れるまで、夏休みくらいまでかかりました」

 

「もう1年生なんだから」とは言わない。

▲壁にマスキングテープで貼ってあった子どもの絵。持ち帰ってくる制作物は溜まる一方なので、一定期間飾って楽しんだら、いさぎよく処分しているそう。

気持ちの面でも、最初は不安が大きかったと語るAYUMIさん。「友達はできたかな」「勉強についていけてるかな」など、色々と心配が絶えなかったといいます。

AYUMIさん:
「忘れ物もしないようにと、最初のうちは私も気負って、毎日一緒にチェックしていました。

でも、忘れて失敗することも、本人にとっては大切な経験ですよね。その方が、自分で気をつけるようになりますし。

そのことに気づいてからは、なるべく本人に支度させるようにしました。この経験から、娘の時は、最初からほとんど任せています」

▲学習机の上に、きちんと整理されて置かれていた文具類。

子ども自身、入学当初は気が張っていたそうです。その姿を見て、AYUMIさんも接し方に気をつけました。

AYUMIさん:
「学校で緊張している分、家でわがままを言ったり、ぐずってしまうこともありました。そんな時は、“疲れているんだ”と思うようにしていましたし、子どもにもそうやって声をかけていました。

頑張っている子どもに対して“もう1年生なんだから”という言い方をしないようにもしていましたね」

親の自分も慣れない生活で疲れているところに、子どもがなかなか言うことを聞いてくれなかったら、つい「しっかりして!」と言ってしまいそうです。

でもこの時期は、子どもの気持ちも不安定。まず家を安心・リラックスできる場所にしてあげることが大事なのかもしれません。

 

ママ友は、頼れる人が1〜2人いれば大丈夫。

ところで、学校で子どもに友達ができるかも心配になりそうですが、自分自身もママ友ができるか、少し不安。AYUMIさんは、どんなふうにまわりのママたちにとけ込んでいったのでしょう?

AYUMIさん:
「私にとって、様々な価値観をもったお母さんたちと話すことは、すごく勉強になるんです。子育てについても、違う視点の話を聞いて“なるほど!”と思わされることもしょっちゅう。

でも、最初からみんなの輪に入らなくちゃ、とはあまり気負いませんでした。もちろん、あいさつは欠かさないようにしていましたけれど」

▲「娘がつくった不思議な工作物なんです」と笑うAYUMIさん。優しいママの表情。

AYUMIさん:
「私の場合、保育園時代のママ友がたまたま同じ学校にいたり、その人からまた違う人を紹介してもらったり。

そうやって、時間が経つうちに、自然と知り合いができていくもの。ママ友は大勢いなくても、分からないことを聞いたりできる人が1〜2人いれば十分。そう思っていれば、気が楽なんじゃないかな」

 

急ぎすぎなくていい、と今だから思う。

2人の子どもの小学校入学時を振り返って、AYUMIさんが一番強く感じていること。それは、「急ぎすぎなくて、大丈夫」ということです。

AYUMIさん:
「勉強のことも最初は不安でした。でも、子どもたちが通う小学校では、ひらがなの練習からゆっくり始めていったんですよね。入学前に無理して文字の勉強をしなくても大丈夫なんだって思いました。

息子の時は、張り切って1年生の4月から学習教材を取り寄せたんですが、学校でも毎日少しずつ宿題が出る。だから、息子にとっては、教材がすごく負担になってしまって。

もっと後から始めてもよかったなと後悔しています。日々の宿題にきちんと付き合ってあげるだけで、最初は十分なのかも」

習い事も、子ども自身が「やりたい」と言った時にやらせてあげるのが、AYUMIさんのポリシーです。それは「子どもの“好き”や“楽しい”という気持ちを大切にしたい」という強い気持ちがあるから。

AYUMIさん:
「今、息子や娘がしている習い事も、本人たちがやりたいと言って始めたものです。

結局、2〜3年生くらいまでは、とにかく友達と元気に遊ぶことが大事なのかなって思います。勉強や習い事を“早くやらせなきゃ”と焦ったり、まわりの子と比べて、“あの子がやっているから、うちも”となってしまうと、親も子も辛くなってしまう。

最初のうちは、楽しく学校に通えれば、それだけで花マル。そう思うんです」

▲長女が描いたという家族の絵。きれいな額縁に入れると、雰囲気が変わる。

もうひとつ、お母さん自身が無理しないことも大切だとAYUMIさんはいいます。

AYUMIさん:
「たまにはゆっくり休むなどして、自分の体をいたわってあげてほしいです。我が家では、習い事も送り迎えの負担がかかり過ぎないよう、家から近いところを選ぶようにしています」

自身が戸惑い、ときに失敗した日々を振り返って、「急がなくて、大丈夫」と力強いエールを送ってくれたAYUMIさん。

後編では、入学式の服装や子どものランドセル、文房具など、進学にあたっての持ち物について、失敗談も交えて教えてもらいます。どうぞお楽しみに!

 

【写真】木村文平

 


もくじ

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AYUMI

ファッションモデル。短大卒業後、雑誌『non-no』でデビュー。5年生の男の子と2年生の女の子のママ。結婚を機にナチュラルなライフスタイルに目覚め、ローフードマイスターやスーパーフードマイスターの資格を取得。著書に『ローフード・発酵・雑穀でつくるAYUMIごはん』(主婦と生活社)、『さいしょは、フルーツ』(主婦と生活社)などがある。(インスタグラム:@ayumiayunco)

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ライター 嶌陽子

編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『クロワッサン』(マガジンハウス)、『天然生活』(地球丸)など。プライベートでは1児の母として奮闘中。

AYUMIさんの著書はこちら。

 

 


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