【間取り図鑑】第2話:賃貸でも間取りはもっと自由になる!2LDKの間仕切りアイデア
賃貸でのDIYは間仕切りなどであっても、壁や床を傷付けてしまいそう踏み出せないという方も多いのではないでしょうか。実は原状回復可能な形で賃貸をDIYするアイデアは豊富に存在しています。間仕切りで2LDKの間取りを自由にカスタマイズ!2LDKの間取りの賃貸物件で既存の引き戸を外したり、パーテーションを立てたりして自分好みの空間をつくりあげている村田湖弓さんにインタビューしました。
ライター 大野麻里
見ているだけでワクワクと、新たな暮らしへの妄想が広がる、間取り図。
特集「間取り図鑑」は、そんな不思議な力を持つ間取り図と実際のインテリアを重ねて、暮らしを紐解くシリーズです。
1話目に続き、貼箱専門店「BOX&NEEDLE」でウェブショップを担当している村田湖弓(むらたこゆみ)さんにお話を伺っています。
2LDKの間取りの賃貸物件で、既存の引き戸を外したり、パーテーションを立てたりして自分好みの空間をつくりあげている村田さん。ご自宅の間取り図はこちらです。
空間を仕切る、パーテーションアイデア
部屋で印象的だったのが、リビングに立てられたパーテーション。壁収納を兼ねています。
突っ張り棒の仕組みで部屋に柱を立て、そこに有孔ボードを取り付けています。フックを取り付けて毎日使うアウターやバッグをかける収納と同時に、空間を区切る役割にもなっているようです。
朝の支度をしながらよく通るこの場所を、通路のようにしたら便利だろうと考えて壁にしたと話す村田さん。
柱となる木材は濃い茶色のオイルステインを二度塗りして、木目や風合いを生かした仕上がりに。有孔ボードは片面を黒の水性ペンキで塗装しています。
村田さん:
「ピラーブラケットというDIYパーツ(※上の写真、天井に接している銀の金具)を知ったときは、賃貸でも壁が自由につくれるんだと感動しました。
このパーツをツーバイフォー材(ホームセンターで手軽に買える木材)にはめて、突っ張るように固定するだけで壁や天井にキズをつけずに柱が立てられます。
キズ防止と耐震を考えて、床との設置面にはゴム板を敷きました」
村田さん:
「無難なオフホワイトの壁紙なので、どこかに色をプラスできたら空間が引き締まると考えました。この有孔ボードなら塗装もできるので。
材料の調達でホームセンターやIKEAに行くと、DIYグッズがたくさん売っていてテンションが上がるんですよね。楽しくなっちゃって、つい、あれもこれもつくりたくなる。
でも、やりすぎは野暮ったくなるなぁと、勉強しました。私は素人ですから、自分がつくったものばかりになるとインテリアのクオリティが下がってしまう。
ある程度きちんとした家具を置いて、そこにちょっと手を加えるぐらいが自分にとってはいい塩梅なのかなと思っています」
デッドスペースも活用したい!賃貸でもできるDIY
村田さんのお宅を見渡すと、あちこちにDIYの形跡を見つけました。
聞けば、よく大工仕事をしていた祖父の影響で、村田さんも学生時代から道具を借りて何かをつくるのが好きだったとか。
村田さん:
「基本は夫が家にいない時間に、私ひとりで作業していることが多いです(笑)。
玄関のこれは、既存の下駄箱に板を渡しただけの簡単カバー。大工さんに見せたらきっと笑われちゃうほどつくりが甘いのですが、デッドスペースがもったいないなぁと思ってつくりました」
村田さん:
「賃貸だと、壁に釘やビスは打てないですよね。私もずっと我慢していました。
でもあるとき、『壁はダメだけど、家具や板になら穴をあけていいんだ!』と気づいてからは、この家でもDIYが楽しくなって。『よし! どんどん穴あけていこう!』という発想にシフトしています」
板にフックを付けたり、キッチン収納の家具に吊り下げ棚を取り付けたり……。
IKEAのパーツコーナーやパーツ専門店はこまめにチェック。「これをどこに付けようかな?」とパーツを見て、ひらめくことも多いとか。
限られたスペースのすき間さえも無駄にしない、女性ならではの視点でつくる村田さんのDIY。その行動力とひらめきに驚くことばかりです。
室内でDIY、大変じゃないですか……?
村田さん:
「家具を壁によせて、なんとか作業スペースを確保しています。床に新聞紙を敷いて、まわりが汚れないよう養生テープで保護するのがマストです。
女性ひとりでもDIYできるコツは、ホームセンターのカットサービスの利用ですね。
ジグソー(主に木材を切断する電動工具)も持っているのですが、部屋中に粉塵が舞い散るし、女性の力では切断面がガタガタになってしまい、きれいに切るのがなかなか難しくて。
いつもサイズを測って、図面を書いた紙をホームセンターに持参。切ってもらってあとは配送サービスも利用しています。それを家で組み立てて、サイズがピタッとしたものが完成したときは喜びもひとしおです」
明日にでもマネしたくなるような、ヒントがたくさん詰まった村田さんのご自宅。
3話では、キッチンまわりにクローズアップします。
(つづく)
【写真】有賀傑
もくじ
村田湖弓(むらたこゆみ)
生まれ育った北海道・札幌でエディトリアルデザイナーとして働いたのち、同郷の夫と上京。夫婦の趣味はプロレス観戦。現在は東京・二子玉川にある貼箱専門店「BOX & NEEDLE」でウェブショップを担当。店舗では講師による貼箱のワークショップも開催している。http://boxandneedle.com/
ライター 大野麻里(おおの まり)
編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。現在、夫とふたり暮らし。
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