【間取り図鑑】第1話:46平米・ふたり暮らし。賃貸でもあきらめない、理想の間取りを求めて

ライター 大野麻里

46平米・ふたり暮らし。理想の間取りを目指して

間取り図を眺めているだけで、新たな暮らしへの期待に胸はずむことはありませんか?

引越しの予定があってもなくても、住まいに夢と希望をもたらしてくれる「間取り図」は、ときに時間を忘れるほど、私たちを夢中にさせてくれるもの。

「間取り図鑑」は、そんな不思議な力を持つ間取り図と実際のインテリアを重ねて、暮らしを紐解くシリーズです。

今回ご登場いただいたのは、貼箱専門店「BOX & NEEDLE」でウェブショップを担当している村田湖弓(むらたこゆみ)さん。

こちらの築30年の集合住宅に、ご主人とふたりで暮らし始めて約3年。

以前借りていた家が老朽化のため取り壊しが決まり、やむを得ず退去することになったため、この部屋に移り住むことになりました。

物件の決め手から、趣味のDIYで叶えた間取り改造、効率よく暮らすためのインテリアの工夫まで……。全4話でお届けします。

 

気に入らない間取りでも、この部屋に決めたのはなぜ?

村田さん:
「物件を探していたとき、この家の間取り図を見た感想は『正直、あんまり好みじゃないなぁ』でした(笑)。

前は50平米の家に住んでいたのですが、ここは46平米と狭くなったうえ、間取りは2LDK。キッチンと隣接する部屋が引き戸で区切られていて、ひらけた空間がないところが使いにくそうだな、と思ったんです」

けれどもご主人に背中を押され、ひとまず内見してみることに。

実際に部屋へ入ってみると、視界に飛び込んできたのは、高い天井とたくさんの窓。キッチン横の大きな窓からは明るい光が差し込み、窓をあけると風がすうっと抜けました。

村田さん:
「間取り図だけ見ていたときとは一転して、いっきにポジティブな気持ちになりましたね。平米数は数字上は46ですが、体感だとそれより広く感じて。

そしてなにより、高い天井や窓の位置、水まわりの清潔さなど、自分たちの手ではどうにもできないところの条件がよかったんです。あとは自分たちで頑張って工夫したらよくなるかな? そう期待を込めて、この部屋に決めました」

引越し後は、キッチンがある部屋と隣の部屋を仕切っていた引き戸を外して、棚の裏に保管。ゆるやかにつながった部屋の奥は、得意のDIYで柱を立てて有孔ボードの壁をつくり、くつろぎスペースを区切ったといいます。

そこから3年かけて、少しずつ手を加えて現在の姿になりました。

 

部屋を狭く見せないため。家具選びは工夫しています

村田さん:
「この部屋に越してきて『なんかしっくりこない』と感じたのが、前の家から持ってきたダイニングセットでした。部屋に対してのサイズが合っていなかったので、空間が狭く感じたんです。

ぴったり合うものを探しまわった結果、unicoでこのソファベンチ&テーブルのセットに出会いました。食事もできますし、以前よりコンパクトなのにゆったりくつろげるところが気に入っています」

村田さん:
「しかもこのテーブル、天板の下に棚板が付いていて収納もできるんです。スペースを取らずに、ティッシュやiPadなど卓上に出しっ放しにしがちなものを収められるので、テーブルに何も置かない習慣ができました」

ソファベンチとテーブルに共通している華奢なブラックの脚も、購入の決め手に。軽やかな印象で圧迫感が少ないうえ、黒色が空間を引き締めてくれているようです。

プレイルームと名付けた、テレビ前のくつろぎスペース(リビング)には1脚の椅子とビーズクッションだけ。ここにはあえて大きな家具を置かないことで、空間に広がりが生まれています。

村田さん:
「本当はリビングに大きなソファを置いて、ゆっくりくつろぎたいという気持ちもありますけど……。それには部屋がちょっと狭いかな、と。

自分たちの行動パターンを考えたら、食事のあとはそのまま食卓でだらだらおしゃべりしていることがほとんど。場所を移動してくつろぐっていうことは少なくて。

だから大きなソファを置くよりも、小さめのソファベンチをダイニングに置く方が、私たちのライフスタイルには合っているみたいです」

 

家具は最低限にして、風通しのよい部屋に

村田さん:
「寝室は6畳の和室です。この部屋に家具を置いてしまうと、狭い部屋だなって感じると思うんですね。なので押入れの中に棚や引き出しを収めて、和室にはベッドだけを配置。スッキリ見えるように工夫しました。

押入れの向かって左側上段はIKEAの収納システムを入れて衣類を整理整頓。右側は、こまごましたものや本、漫画本が見えないように収納しています。大きな押入れのおかげで、見せたくないものはほとんどここに収めることができました」

実際に伺ってみると、50平米以下とは思えないほどゆとりのある村田さんのご自宅。

ものを収めるべきところに収めているだけでなく、普段のライフスタイルに合わせた家具の選び方や配置に工夫があり、実際の数字よりも広く見せていたように思います。

続く2話では、村田さんの趣味であるDIYを生かした部屋づくりをご紹介します。

(つづく)

【写真】有賀傑


もくじ


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村田湖弓(むらたこゆみ)

生まれ育った北海道・札幌でエディトリアルデザイナーとして働いたのち、同郷の夫と上京。夫婦の趣味はプロレス観戦。現在は東京・二子玉川にある貼箱専門店「BOX & NEEDLE」でウェブショップを担当。店舗では講師による貼箱のワークショップも開催している。http://boxandneedle.com/

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ライター 大野麻里(おおの まり)

編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。現在、夫とふたり暮らし。


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