【訪ねたい部屋】第1話:家の個性と向き合って。10年暮らしてからのリノベーション

ライター 藤沢あかり

「その人らしさ」を感じるインテリアは、いつだって魅力的です。

住まいそのものや家具はもちろん、配置の仕方や収納の場所、さらには毎日使うコーヒーカップ。そんな暮らしのひとつひとつに生活があり、選んだ理由や背景が潜んでいます。

特集「訪ねたい部屋」では、実際にその方のお宅へお邪魔するような視点で、そして友人とおしゃべりするような気持ちで、その人らしさとインテリアの関係性を紐解くシリーズです。

今回、扉を叩いたのは料理研究家の近藤幸子さんのご自宅。

雑誌や書籍を通し、あらゆるレシピを発表しながら、近藤さんがライフワークのように続けているのが、自宅での料理教室「おいしい週末」です。

つくること、食べることの楽しさに満ちた教室は、料理への気負いを感じさせないアットホームな雰囲気。その朗らかで明るい人柄も手伝って、10年以上にわたって通い続けている人も少なくないとか。

しかしプライベートでは小学校5年生と保育園の年中クラスに通う5歳、2人の女の子のお母さんでもある近藤さんにとって、住まいは家族と日常を過ごす場所です。

2人の子育てに追われながら仕事をし、さらには自宅に人を招く料理教室を続けることは、そう簡単ではないはず。

では一体、どうやって?

3話を通して、片づけ方や収納方法、仕事や家事と子育てをうまく両立するために近藤さんが生み出したバランスや、その工夫を伺います。

どうやらポイントは、“がんばりすぎない” にあるようです。

 

家の個性とじゅうぶんに向き合ってからのリノベーション

▲アンティークの燭台のようなフォルムの照明は、「オルネ・ド・フォイユ」のオリジナル。

清澄庭園を中心に広がる懐かしい下町風情と、注目のコーヒーショップといったトレンドを牽引するカルチャーとが混在する街、清澄白河。近藤さんがこの街に暮らして15年が過ぎようとしています。

近藤さん:
「4年前に、約10年住んだこの部屋の一部をリノベーションしました。

既存のキッチンは一般的な家庭用のものでしたが、サイズに不自由は感じていなかったんです。だから大きさはそのままに、設備や機能をグレードアップすることにしました」

6人がゆったり座れる大きなダイニングテーブルは、料理教室をすると決めてオーダーしたもの。落ち着いたウォールナットの無垢材を選びました。

通常は、リノベーションというと入居前に仕上げるのが一般的です。

でも近藤さんの場合は、キッチンの使い勝手や動線を熟知していたからこそ、この家の良いところ、直したいところが明確になりました。

キッチンの入れかえに加え、床を張り替え、隣り合う和室は洋室につくり変えました。

ダイニングと洋室との間にはガラス引き戸を。さえぎらず、でもゆるやかにゾーニングすることで、空間にメリハリが生まれます。

▲この部屋でシンボリックな存在を放つ壁のオブジェは、「アスティエ・ド・ヴィラッド」。「スプーンとフォークは、『おいしい週末』のアイコン的存在。リノベーションが終わった時に、夫がプレゼントしてくれました」

近藤さん:
「花は、教室のときにも欠かさないようにしています。

家具やインテリアは少し無機質なものが好きなので、そこに花があると和らぐ気がするんです。生花で楽しんだあとも、ドライフラワーとしても美しいものは、引き続き飾っておける楽しみも」

なるほど、ドライフラワーがあちらこちらにあるのは、そんな理由もあるようです。

この日は自然な表情で生けたクレマチス。印象的なピンク色がキッチンをパッと華やかに見せてくれていました。

 

住まいに合わせた家具で統一感を

近藤さんのお宅に入ると感じるのが、木の風合いと、ちょっと無骨なアイアン素材とのグッドバランス。よくよく拝見していくと、同じ空気をまとった家具が多いことに気がつきます。

近藤さん:
「家具は、地元・仙台で一緒に過ごした家具職人の友人に作ってもらったものがほとんどです。

作業台や収納シェルフ、本棚など、この部屋に合わせて造作してもらいました」

テーブルに合わせてウォールナットを選んだ椅子は、小泉誠さんデザインです。

近藤さん:
「買った当時は6脚揃えるのに思い切りが必要でしたが、15年経った今でも、これを選んでよかったと感じています。存在感があるのに主張しすぎない、その絶妙なデザインと、なにより座ったときの心地よさが最高です」

 

見せる収納が、毎日続く家事をちょっと楽に

キッチンの道具類は、見せる収納が基本です。

さっと手に取れるだけでなく、食洗機から出したら、そのままの流れで目の前のツールバーへ、という自然な流れで収納できます。

ちょっとしたことですが、毎日続く家事をこなしつづけるには、こんな小さな工夫を重ねることが大切なのかもしれません。

▲立てて収納したいものは、「ザ・コンランショップ」のブリキポットへ。

▲細かな道具類は、S字フックやハンギングポットを利用して、アクセスしやすく。

作業台も、他の家具と同じく家具職人の友人に作ってもらったものです。

そこに無印良品のキャスター付きシェルフや、引き出しなどを組み込みました。

生徒さんやアシスタントの人など、自分以外の人も一目瞭然の収納。家族みんなが家事のしやすいキッチン作りの参考にもなりそうです。

▲汚れた手で使いたいシーンも多いボウルは、手に取りやすい場所にスタンバイ。

たっぷりの道具を、限られたスペースの中に収納場所を確保しながら、使い勝手と居心地を整えている近藤さんのキッチン&ダイニング。

2話目では、単に「収納スペース」を設けるだけではない、近藤さんスタイルの工夫について詳しくご紹介します。

(つづく)

【写真】木村文平

 


もくじ

第1話(1月7日)
家の個性と向き合って。10年暮らしてからのリノベーション

第2話(1月8日)
子どもがいても、きれいをキープ。「がんばりすぎない」おかたづけ

第3話(1月9日)
こうして生まれた「がんばりすぎないインテリア」

 

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近藤幸子

料理研究家、管理栄養士。11歳、5歳の姉妹と夫との4人で東京・清澄白河に住む。作る楽しさとおいしさを気軽に、という思いから始まった自宅での料理教室『おいしい週末』を主宰。雑誌やテレビなど各メディアで、シンプルながらも気の利いたレシピを数多く提案している。http://oishisyumatsu.com

ライター 藤沢あかり

編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。

 


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