【ケの日のこと】34歳にして初。自動車教習所に通うことになりました
「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野
第34話:春の一歩
この春、一歩を踏み出すことになりました。34歳にして初。自動車教習所に通うのです。
都内で過ごしていた学生時代は車の必要性を感じず取るタイミングを逃し、そのままになっていた自動車免許をついに。夫の「筆記試験もあるんだよ、大丈夫なの?」という発言に気分を害しつつも、学校に通うなんて10年ぶり。確かに不安はありますが、それ以上に期待もあるのです。
里山に越してきて約2年。こちらに来る時、車必須と言われる場所で暮らすために我が家は古いジムニーを買いました(その時のコラムはこちら)。朝は、出勤前の夫が車で子供たちをそれぞれの小学校と保育園に送ってくれます。
しかし彼が仕事に行った後は、子供のお迎えをするのにも、週2日開くパン屋さんに行くのにも、誰かの車に乗せてもらうか、ごくごく限られた時間帯にあるバスに乗るか、歩いていくか。行ったものの帰りはどうするか。そんな心許なさが常にあり、行きたい場所に行けないことも多々。夫に「早く免許とりなよ」とせっつかれるも、引っ越し当時は1歳の息子と24時間一緒だったし、免許を取ったところで乗る車がなければ意味がない。道のりは長く険しいものに感じていました。
去年の春から息子は保育園に通い始め、そして2度目の春が近づく先月、事態は急展開。
空間デザインを生業にする夫は、仕事の搬入搬出のために大型車のハイエースをレンタルすることが多いのですが、この半年は常に軒先にそれが停まっている状態でした。あげくの果てに息子はハイエースを見ると「パパブーブー」と呼ぶ始末。それだけ費用は嵩みますから、これはもう買ったほうがいいんじゃないか、ということになったのです。
夫がハイエースに乗るなら、わたしはジムニーに乗れる?! そんなこんなで、念願の免許取得の道は突如拓けたのでした。
それでも突然出来る!となるとちょっと尻込みしたわたしが、教習所を調べたり資料請求をしたりしている間に、ハイエースが我が家にやってきてしまいました……。こうなればもう前に進むのみ。
▲息子は新しい「パパブーブー」の助手席に乗り込み、興味津々です。
晴れて免許を取れたら、暮らしは劇的に快適になるはずです。それでも、学校から山道をてくてく1時間かけて帰ったり、図書館に行く途中で子供たちとおにぎりを食べて休憩したり、そんなところに通りかかった近所の人が「車に乗ってきなよー」と言ってくれたり。この2年のちょっと不便な「ケの日」があったから、見れたものも感じたこともあったんだなあ、とちょっとしみじみもしています。
しかし今は、何はともあれ、無事免許取得を目指さなくては。来週から教習所通いが始まります。
【写真】中村暁野
中村暁野(なかむら あきの)
家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。8歳の長女、2歳の長男を育てる二児の母。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。『家族』2号が1/14に刊行。現在販売中。http://kazoku-magazine.com
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