【はじめての入学準備】第2話:子どもに「任せる」を増やしていく。成長に合わせた暮らしの工夫

編集スタッフ 小林

全3話でお届けしている特集「はじめての入学準備」。

お話を伺ったのは、小学校5年の息子、小学校3年の娘を育てながら、ご自宅でソーイング教室「laetoli(ラエトリ)」を主宰されている、井田ちかこさんです。

第1話では、入学準備の経験談をお伺いしました。

第2話では、子どもたちの成長を見ながら「任せること」を増やしていったという暮らしの工夫について、お話を聞いていきます。

 

お手伝いシートは、「暮らしの自立」の練習?

井田さん:
「小学生になって、幼稚園の時と比べるとできることがたくさん増えました。そこで、このお手伝いシートをはじめたんです。

このシートは子どもたちが自分で作ったもの。洗濯物畳みや食器洗いのお手伝いを通してスタンプがいっぱいになったら、ご褒美をあげています。

たまに『これは2ポイントね!』なんて、スタンプを自分で押すこともあるんですけど(笑)、なんだかんだで楽しそうにやっています。

こういう小さな積み重ねを経て、大人になるまでに、自然と自立できたらいいなと思います」

 

自分で選んで、自分で畳んで。子どもが使いやすい洋服収納

今着るものはハンガーにかけて。ボトムスとシーズンオフのものは引き出しに収納している。

実は井田さんの子どもたちは、自分たちで洋服を選んで、さらに収納までしているそう! どうしてそのようになったのでしょう?

井田さん:
子どもたちの洋服は、なかなか片付かないなと、常々悩んでいて。

『どうしたら自分で片付けられるかね?』と本人たちに聞いてみたんです。そしたら『僕、これくらいしか着ない』って教えてくれました。

確かに言われてみれば、子どもたちの洋服は意外と着ないものが多いなと。

息子も娘も自分の好みがあって、襟がついたものは着ないとか、自分の好きじゃない柄のものは着ないとかあるんですね。

なのでそれぞれ必要なものを選んでもらって、いらないものは処分しました。今は数も少ないので出し入れもしやすいみたいです」

▲子どもたちが手作りしたラベルが可愛い。

井田さん:
「お手伝いもできるようになったので、取り込んだものは自分で畳んでもらって、そのまましまうところまで、やってもらいます。

畳み方が上手くなくても、わたしが畳み直すことはせずに、それぞれに任せています」

▲息子さんが自分で畳んで、引き出しにしまった状態。

 

子どもの成長の発見は、動線や収納を見直すサイン

井田さん:
「自分でできるかな?と思ったら、それに合わせてモノの置き場所を変えることも、定期的にしています。

例えば小さい頃は着替えを手伝っていたので、洋服もランドセルもリビングに置いていました。でも今は、両方とも子供部屋に置いています」

▲ランドセルや学用品、給食袋など、身支度に必要なものは子供部屋に。

▲リビングの本棚にはよく使う子どもたちの勉強道具と、大人の本が入り混じっている。

井田さん:
「ただ勉強はダイニングテーブルでやることが多いので、勉強道具はリビングにある本棚に、ペンと一緒に収納しています。

実際に使う場所の近くにモノを置いておくことで、使いやすく、自分たちで片付けもしやすいみたいです。

子どもが成長して、できることが変わってきたら『動線や収納を見直すサイン!』と捉えるようにしています」

▲小さなトレーに筆記用具をまとめて収納。

 

期日のないプリントとテストは「見といてねBOX」へ

小学生になるとある、大量のプリント。とまどうお母さんも多いと聞きます。井田さんがされている工夫があれば教えてください。

井田さん:
「これには手紙入れとして、『見といてね』というBOXにしているもの。中には期日がないプリント類と、テストが入っています。
入れる場所が決まっていると子どもも習慣にしやすいみたいなので、こういうかたちにしました。

実は100点のテストはここには入れずに処分しているんです。

惜しい気もしますが、実際とっておいても見直さないし、とにかくプリントの総数がすごい量だから少しでも減らしたくて。もう終わっていて、本人がわかっているんだったら潔く捨ててしまおう、と」

井田さん:
「期日があるプリントだけは手渡ししてもらい、忘れないようにその場ですぐに書きます。

年間行事表など、長い間とって置かないといけないものは、パンチで穴を開けてファイリングしています。

これだと用が無くなったら引き出せば簡単に取れて、そのまますぐに捨てられるので便利です」

 

夜のお茶は、みんながリラックスして気持ちを伝え合う時間

子どもの成長に合わせて、暮らしの動線や収納など、いろいろな変化があったという井田さん。けれどそれだけでなく、家族での時間の過ごし方にも変化があったのだそう。

井田さん:
「夜に夫が帰宅したら、遅い夕食を食べる横に座って、子どもたちとお茶を飲む時間を過ごしています。

元々は私がお茶を飲むのが好きで淹れていたんですけど、ある日子どもたちに『僕たちにも今日お茶あるの?』なんて聞かれるようになって。

そのうち自然とみんなでお茶を囲むようになりました。

平日は朝ちょっと顔を合わせるだけになってしまいがち。なのでその日あったことをみんなでいろいろと話す、貴重な時間になっています」

井田さん:
「そうは言っても、日中はやっぱり忙しくてイライラして、『お母さんも、人間だもの〜!』なんて子どもたちに言ってしまうこともあるんですけど(笑)。

後で『かわいそうだったな』『もっと聞いて欲しかったかな』と反省して、『ごめんね、さっきお母さんイライラしてたから〜』となるべくすぐに謝るようにしています。

そうすると『わかってるよ』なんて言われたりするんですけどね。

逆に自分が子供にモヤっとしたことがあったら、お母さんこう思うんだけどさ、って話をします。

その場で答えが出なくても、言葉にしないとやっぱりわからないもの

からよくも悪くも、溜めないようにしていますね」

小さな頃はできなかったことも、大きくなるにつれできるようになって、こんなにも暮らしかたは変わっていくものなのだと驚きました。

井田さん宅の、「任せること」を増やしていった暮らしの工夫は、子どもたちの変化をよく見ているからこそ生まれたもの。

居心地のいいと感じる空間の秘密は、家族みんなでつくりあげることにあるのかもしれません。

次回はそんな井田さんが、小学校入学後に「自分」に起こった気持ちの変化についてお話を伺います。

(つづく)

【写真】鍵岡龍門


もくじ

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井田ちかこ

学生時代に洋服作りの基礎・染色や織りを学び、会社員として働きながら洋裁学校に通う日々を過ごす。その後北欧の織りに魅せられて北欧織りの先生に師事し、2年間学ぶ。出産を経て、日々の暮らしの中のささやかなものづくりを提案しながら、一緒に愉しめるソーイング教室「laetoli(ラエトリ)」を2016年より主宰している。

 


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