【スタッフのお宅訪問】第3話:夫婦ふたりで押入れひとつ。部屋が散らからない収納の工夫
押し入れをクローゼットにして使ったインテリアや、和室のインテリアをおしゃれにしつらえた6畳の使い方などをご紹介。スタッフ宅の押し入れ収納で実際に使っているケースやボックス、突っ張り棒でのハンガーラックなどのテクニックもあわせてお届けします。また和室をリビングのように使うソファやデスクの配置などインテリアアイデアも。
編集スタッフ 栗村
全3話でスタッフ小林のお宅訪問特集をお届けしています。
1話目では、小林宅の3DKという間取りの使い方や家具選びについて。2話目では、ずっと飲食業界で働いていた小林のキッチンの整え方をお届けしました。
3話では、夫婦ふたり分の衣装を収納している、押入れの活用術について詳しくみていきましょう。
夫婦ふたりで押入れ一つ。コンパクトな収納方法
▲襖を外して撮影しました
夫婦ふたり分の衣装を収納しているという押入れを、見せてもらってびっくり。パンパンに服や小物が入っているものだと思っていたら、まだものを置くゆとりがありました。
小林:
「写真の左手にあるのが夫婦で共有しているメインの押入れ。左半分に夫のものを、右半分に私のものを収納しています。
そのままだと服がかけられないので、ホームセンターで購入した突っ張り棒を使ってクローゼットのようにしています。奥行きがあるため、服をかけている手前にスペースが開くのですが、ここはあえて物を置かないように、脱いだものを畳んで置いておくスペースにしました。
押入れの右手にも収納スペースがあって、丈の長いコートやワンピースなどはここに掛けるようにしています」
余った押入れはワークスペースに。寄せ集めた家具をフル活用
▲椅子は「ACME Furniture(アクメファニチャー)」で購入
小林家にはもう1つ、リビングにも押入れがあります。そこは収納するものがなく、ワークスペースとして使っているそう。
小林:
「もともとワークスペースが欲しかったのですが、6畳しかないリビングには新しく机を置く場所もなくて。押入れを机がわりにできないかと、椅子を置いてみたのが始まりです。
ここで使っている椅子は、もともと夫がひとり暮らしをしているときからずっと使っていたもの。それから棚は、私が使っていたもので、最初はテレビボードで、その後に食器棚になって、今はここで本棚として使っています。色々な場所を転々として、渡り鳥みたいな家具ですね」
▲右側にあるソファーは「IDÉE」で購入。隣には各部屋で外された襖が。置き場に悩んで、目につきにくい場所に置いているそう。
定位置を決めて、ゆとりスペースを設けると散らからない?
押入れ以外にも、小林の家には散らからない工夫がちりばめられていました。
小林:
「基本的に、なんでも置き場所を決めています。使ったらそこに戻すようにしていて、あまり床にものを置く習慣はありません。
あと、何も置かない『ゆとりスペース』を作っておくことも意識していて、この2つのルールを守るだけで、あまり散らからないんです。
例えば友人が来た時は、何も置かないスペースが来客用のカバン置き場になるし、キッチンの棚も一部を空けておけば、料理中の作業スペースになるんです」
そういえば、取材班にお茶を淹れてくれた時も、食器棚の上で作業し終わったらすぐに、元の場所にお茶セットを戻していたのが印象的でした。
収納を半分にわければ、夫婦でストレスを感じずに暮らせる
家のあちこちにある収納を、どれも夫婦で半分ずつ使っているといいます。
小林:
「寝室にある鏡を置いている棚は、身支度を整えるスペース。洗面所に収納が少ないので、ここに必要な物を収納してメイクをしています。
4つあるラタンのかごには、夫のもの、私のもの、ふたりで使うドライヤーなどを入れて、このスペースもきっちり半分ずつ。
収納が半分ずつ平等になると、お互い干渉し合わず、持ち場が好きに使えます。管理もそれぞれに任せられるので、その場所が綺麗でも汚くても自己責任。相手のために『片付けなきゃ』とプレッシャーを感じなくなった気がします」
▲玄関のカバン置き場もふたりでシェアしているそう
ごちゃつきがちな背表紙は、お気に入りの装丁の本で隠す
▲本棚に使われているのは、無印良品の「スタッキングシェルフ」
「ここだけは半分じゃなくて、私のものが多いかもしれません」と言いながら、本棚を案内してくれた小林。ここにも彼女らしい「目線を意識した工夫」がありました。
小林:
「本が唯一の娯楽と思うくらい好きで、古本屋で面白そうな本を発掘するのが楽しいんです。ついつい増えてしまうので定期的に見直して、本棚にはよく読み返す本だけを残しています。とはいえいろんなジャンルのものが集まって見た目がごちゃつきがちなので、装丁が綺麗なお気に入りの本で隠しているんです」
大きくインテリアを変えることはむずかしいけれど
理想のインテリアに近づくには、あれも欲しいし、これも欲しい。ついそんな風に、たくさんの買い物が必要だと僕は考えていました。
「気になる部分と向き合いながら、まずはあるもので試行錯誤する」。そんな小林の姿は、今のインテリアを工夫するだけで、心地よい空間には近づける。そしてその工夫こそが、暮らしを楽しくするコツなんだと気づかせてくれました。
はじめてこの部屋に入ったときに感じた健やかな気持ち良さ、それは小林が心地良く過ごせるように、日々整え続けているからなのでしょう。
憧れの暮らしはすぐには手に入らないけれど、そのことに焦らずに、まずはあるもので今の暮らしを楽しんでみたくなりました。
(おしまい)
【写真】鍵岡龍門
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