【スタッフコラム】インドのシナモンをもらったので。
編集スタッフ 松浦
2ヶ月くらい前のことでしょうか。人生ではじめてインドに行ってきました。そしてその数週間後、旅行で訪れた九州でひょんなことから、インドのシナモンをもらいました。
「ちょうど今、インドにいる息子から包みが届いて、よかったら一緒に開けませんか?」
旅先でたまたま出会った知り合いの友人から、そんな愉快な誘いを受け、家におじゃますると、そこには大きな包みが。インドの郵送品は破損や盗難防止のため、必ず箱を布で覆うらしく(そのための職人もいる)、真っ白な布に太いマーカーで宛名が書かれていました。
よく見るとそこに書かれていた住所は、なんと数週間前に、私が滞在していた宿から数分のところだったのです!しかもそれは大きな都市などではなく、インド西部の砂漠地帯にある小さな村。(地図で見るとこのあたり)
この広い広いインドで、そんな偶然があるのか……と何度も目を疑ったのですが、これも何かのご縁!!大興奮のなか、丁寧に一針一針縫われた布の包みをほどいていきました。
布を広げると、ダンボールの隙間から小さな豆がポロポロと溢れ、封を開けると、中からは布や雑貨、お菓子やスパイスがでてきました。船に揺られ、何日もかけて送られてきた息子さんからの旅の土産。
「よかったら、記念にもらってください」
お母さんはそう言うと、包みの中からシナモンの袋をひとつ取り出し持たせてくれました。
スパイシーな小枝?
不思議な縁に感謝しつつ、家に帰って袋をあけると、中から出てきたのは小枝のかけらのようなもの。
「木じゃん!」と思わず突っ込んでしまいましたが、匂いを嗅ぐと、それは間違いなくシナモンでした。それは、私が知っているコーヒーやホットワインに添えてある葉巻の様なシナモンスティックよりも、はるかに分厚く、樹の皮をそのままはがしてきましたというかんじ。
なんだかよくわからないのでインド人の友人に聞いてみると、それは「カシア」というものらしく、濃厚な香りが特徴でカレーなどによく使われるとのこと。一方、よく見る細身のものは「セイロンシナモン」といい、カシアに比べるとさわやかで、上品な香りだといいます。
「結構スパイシーだから、ジンジャーエールにしてみたら?」そんな友人のアドバイスを受け、早速作ってみることに。
「辛口ジンジャーエール」をつくってみた
「いつか作ってみたいシリーズ」として、スマホのメモ帳に記録していた『たくまたまえさんの「辛口ジンジャーエール」』のレシピに挑戦。
シナモン、八角、クローブ……普段あまり家で使わないスパイスを揃えるだけで、なんだか少しわくわくしました。スライスした生姜とスパイスを鍋で煮ること約10分。あっという間にシロップができあがり、あら熱をとって保存瓶に入れて完成!
キッチンにスパイスの香りが立ち込めて、それだけでどこか料理上手になった気分だし、冷蔵庫にこうやって瓶詰めが常備してあるのは、なんだか誇らしい。
仕事からの帰り道、コンビニに立ち寄って、アイスやお菓子の棚を巡回するのが日課になっていましたが、今日はこの子が家で待っている。
インドと九州の不思議な縁に思いを馳せながら、今夜はまっすぐ帰れる気がします。
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