【メイク迷子を卒業したくて】第3話:色選びがもっと楽しくなる。おすすめメイクアイテム3選
商品プランナー 斉木
何を選んだらいいのか、どう使ったらいいのかわからないメイク迷子の店長佐藤が、ビューティライターのAYANAさんとメイクに始まり、年齢の重ね方から、どんなふうに人と向き合いたいかに至るまで、じっくりと語り合った今回の特集。
第2話では、自分がどんな人でありたいか、どんな印象を人に持ってもらいたいかを具体的にすること、そしてそれをもとに「定番メイク」を見つけることが、はじめの一歩というお話を伺いました。
そこで佐藤から出たのが「庭に咲いているパンジーのような、人を緊張させず、でも出会うとホッとするようなイメージ」という言葉。
第3話では、そのキーワードをもとに、AYANAさんから定番になりそうなアイテムと、その使い方を教わります。
自分も相手も楽しい、アイシャドウのさりげないキラメキ
AYANAさん:
「今日は事前に佐藤さんに似合いそうな色のアイテムをたくさん準備しておいたんです。その中から、今聞いた雰囲気に近づけそうなものをピックアップしますね。まずはアイシャドウです」
店長佐藤:
「奥二重なので、アイシャドウをつけても目を開けるとほとんど見えなくなってしまって……。あと青系はケガをしたみたいになるのでつけたことがないんです」
▲メイクを図解して教えてくれるAYANAさん
AYANAさん:
「もったいない! 塗り方をすこし気をつければ、青系のアイシャドウは透明感があって、親しみのある目元を作ってくれます。
ブルーが苦手という方の中には、ぼかして広範囲にしすぎている場合もあるから、
アイホール全体にはスキントーンに近い色をのせるにとどめて、二重幅のところにだけ、ボカさずブルーをのせていきます。最後にシャドウチップかブラシで濃い色をアイラインのように塗ります。
目を開いたとき、自分ではブルーのシャドウがほとんど見えないので、『つけた意味あるのかな?』と不安に感じるくらいかもしれません。でも、他人は意外と伏し目になったときやまばたきの瞬間、自分とは違う角度からメイクを目にするんです。うつむいたときにだけキラッと光る、そのくらいの存在感ってまさに佐藤さんが求めていらっしゃるさりげないものにフィットしますよね」
ITEM DATA
SUQQU(スック)デザイニング カラー アイズ 07 翡翠光 -HISUIKOU
リップで足す、大人にちょうどいい発色とツヤ
AYANAさん:
「次はリップです。この色だけ見ると驚きますよね(笑)でも、大丈夫。このキッカのリップは『2/5発色』といわれているんですが、その名の通り半分以下しか色がつかないんです。素の唇の色が透けるので顔に馴染みやすく、程よいツヤをくれます。
佐藤さんには、このグレープという色が似合うと思って。深みのあるカラーなので年齢に合う落ち着きもありつつ、透明感のある細かなパールが顔全体を明るく見せてくれますよ」
店長佐藤:
「絶対に自分では選ばない色ですね……! でもつけてみると、確かに薄づきだし、顔馴染みがいい気がします。
アイシャドウもそうですが、今まで選択肢になかった色が新たに加わるって、こんなにワクワクすることなんですね。今まではなから除外していた色のなかにも似合う色があるのかも。もっといろいろ試してみたいと、好奇心がものすごく刺激されてます」
AYANAさん:
「苦手な色を無理して使う必要はもちろんなくて、まずは自分が好きな色を手にとってみてほしいです。
ただ、わたしにはこれは無理!と思っているものが実は周りからは『いやいや似合ってるよ』ということもあるんですよね。まずは臆せずに色々トライしてみると、世界がぐんと広がりますよ」
ITEM DATA
CHICCA(キッカ)メスメリック リップスティック 35 グレープ
自分らしさは「香り」も味方につけて
AYANAさん:
「最後はメイクアイテムではないんですが、好きな雰囲気をまとう手助けになる、香りのアイテムをいくつか持ってきました。すべてDAWN Perfume(ダウンパフューム)というわたしの一押しブランドのものです。
このブランドのものづくりが好きなんです。つける人の肌のにおいと呼応して、香りづけをするというよりも、本来その人が持っている魅力を引き出すというコンセプトで。佐藤さん、普段から香水はつけますか?」
店長佐藤:
「AUX PARADIS(オゥパラディ)というブランドのものが気に入っていて、いくつか持っています。なかでもベルガモットやマンダリンをブレンドした『Pure』という香りが好きですね」
AYANAさん:
「いま気に入っていて、使い続けたいと思うものがあるなら、これはそのまま『定番』にしましょう。すべてイチから探さなければと焦る必要はなくて、いま使っているアイテムの中で気に入っているものがあるなら、それはもう立派な定番です。
無理に変える必要はないし、逆にそれが好きな理由を探ってみると、自分の好きな空気感やメイクを見つけるヒントになるかもしれません」
ITEM DATA
AUX PARADIS(オゥパラディ)オードパルファム #08 Pure 〔ピュア〕
メイク迷子から、一歩踏みだして
この対談を行ったのは、4月の頭。おおよそふた月の時間のなかで、店長佐藤のこころにはどんな変化があったのか。今回、対談後記として自身の言葉で綴ってもらいました。
***
「顔」というのは隠しようがない。どんなに装っても、いつも丸出しなのが「顔」なわけだから。
だからこそ「顔」にまつわるコンプレックスや願望くらいは、誰にも心の扉を開けずに隠しておきたい。
そう思ってきたことに気づかされる体験だった。
というのも、AYANAさんとの対談を収録した日、そこにはAYANAさんだけでなく毎日をともにしている会社のスタッフ数人とカメラマンさんが同席していた。
それらの人たちが現場を朗らかに見守るなかで、メイクにまつわる悩みを吐露することにはなぜだかものすごく体力がいった。それって「こういう顔になりたいんです」と言ってるのと同じことだから。事実、みんなと別れたあと「あぁ、恥ずかしかった」とグッタリしていた私がそこにいた。
それは美容院に憧れの芸能人の写真を持っていくことに自意識が発動してしまうことによく似ている。「え?この人みたいになりたいと思ってるの?」と思われることに抵抗を感じてしまうアレだ。
でも、話がとっても通じるAYANAさんとの出会いによって、今まで自分のなかに永くあってカッチカチに硬くなっていた自意識の殻みたいなのがパリッとちょっとだけ割れたような感覚があったのだ。
だからなのか、メイクについて考えることが苦行ではなく楽しい作業に変わった。新しい道具もどんどん手に入れてみて試したいとなった。自分の感覚ではこれまで絶対に買わなかった色の口紅もつけてみよう、とか、そんなふうに。
それはいくつかの自分の「定番」の顔をつくるという考え方を知って、それならば自分のような人でもできるかもしれないと希望を持てたことが何より大きい。
アイメイクのパターンを2パターンくらいつくる。そのどちらともに合う口紅を2本くらい持っておいて、その日の服装に合わせて選ぶといったようなイメージだ。
冷蔵庫の有り物をアレンジして美味しい料理を作っちゃうようなメイクは無理だけれど、得意の定番料理をレパートリーとして数個もつことならばできるというような感覚かもしれない。
最後に。
自分で自分の内面を知る努力をすることは、その人の「顔つき」に大きく影響すると思う。
だけれど、自分の「顔」のパーツの特徴を自分で知るというのは本当に難しい。こればかりは主観というより客観が本当に必要なのかもしれないと切実に思った。
とは言ってもAYANAさんとの遣り取りを経て湧き上がったもうひとつの希望は、その「客観」を自分のなかに育てていく方法があるのかもしれないということだ。
時間はかかるかもしれないけれど今はそれを自分のなかに蓄積してみて、いつかお客さまと共有してみたいという更なる好奇心も湧いている。
こういうプロセスを経て、「顔つき」ではなく「顔」自体に小さなポジティブな変化をつくることを楽しめるようになれたらうれしいと、今は心から思う。
北欧、暮らしの道具店 店長
佐藤友子
(おわり)
【写真】市原慶子
もくじ
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
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