【マイペースな家づくり】第3話:ゴミ箱を買うまで5ヶ月?焦らない「自分たちのための」モノ選び

編集スタッフ 小林

家を心地よくしたいと思えば思うほど、頭に理想がちらついて、模様替えをしても、何をしても、満足しきれない。

そうしてずっと、どこかがいつも未完成なままの自分の暮らしに少し息苦しくなっていたとき、訪れたのはスタッフ竹内の家でした。

第1話では竹内が家を建てるまでの話を、第2話では「無理をしない」と決めた彼女のインテリアについて聞きました。

第3話では竹内が家づくりを通して考えたことを聞いていきます。そこには、焦らず家づくりを楽しむ秘訣が隠れているように思いました。

 

家づくりは「夢」だけじゃなかったけれど

竹内:
「家を建ててみて、『夢叶ったね』とか『すごいね』と言われることがしばしばあります。

もちろん嬉しいことなんですが、夢ばかりではなくて。やっぱり本当にこれでよかったのかな、と不安に思うこともあります。

ささいなことですけど、1階だから虫が出ることや、階段は大変かもしれないとか、ここにも窓があった方がよかったかなとか、『こういう選択肢もあったかもしれない』という想いが出てくることは、毎日のようにありますね」

 

私はこの家の「初心者」だったなって、思い出すんです

竹内:
「ただ、
まだ住み始めたばかりだし、そんなにこの家を使いこなせてないなっていう想いもあって。

少しの後悔をしながらも、いや、まだここはこうできるかも?と発想の転換をするために『あ、そういえば私はまだこの家の “初心者” だったな』って思うようにしています。

もうしばらく家を変えることはできないけれど、インテリアや収納などの家の中のことは、まだいくらでも変えられる。

この家の楽しみ方がまだまだあるはず、と。

家を建てたからといって、最初から全てが完璧なわけではない。けれど、ちょっとずつ家が変わっていく今も、楽しいなって思っていたいです」

この気持ちは、今の家に暮らす前からモットーとして思っていたという竹内。そうして少しずつ家を変えているそうですが、そのスピードは驚くほど、マイペースなものでした。

 

ゴミ箱を買うまで、5ヶ月?

▲悩んだ末に買ったのは「Hailo」のフタ付きゴミ箱。内側に3つのバケツが入っている。

竹内:
「キッチンのゴミ箱は、購入まで結局5ヶ月くらいかかりました。それまでずっと、紙袋にゴミ袋をかけた簡易ゴミ箱で代用していましたね。

地域によるゴミの分別の違いに気づいたことをきっかけに『週2回出すなら、適切なサイズのゴミ箱って?』『自分たちの暮らしってどのくらいゴミがでる?』と考えはじめたら、なかなか決断できなくて……」

▲キッチンの調味料入れもちょうどいいものが見つからず、紙袋で代用している。

竹内:
紙袋は暮らしているうちに自然と3つ置くようになったので、これを参考に、3つに分別できるゴミ箱を買いました。そうやって、どれが自分たちにとって使いやすいのかを検証して。

ただあれだけ時間をかけたのに、実はびん・缶があったなって最近気がついて、新たな課題に直面。もう一個買わなくてはなぁと思っています(笑)」

さらに話を聞いてみると、実は時間がかかっているのはゴミ箱だけではないようです。

竹内:
ドライヤーもどう収納しようか、迷い続けていましたね。

コンセントは鏡のすぐ横。毎日絶対に使う。夜も朝も使う。といったように、とにかく使う頻度が多い。しまい込むと面倒だなと思ってしまい、しばらく出しっぱなしにしていました。

置き場所を色々と試したけれど、どれもしっくりこなくてそのままに。お客さんが遊びにくるときだけ、慌てて片付ける状態でした。

結局これも5ヶ月くらいかかって、すぐに手に取れる方法はここかも?と、カゴにいれて収納するかたちに落ち着きました」

▲手提げのついたカゴは「CINQ」のもの。この中にドライヤーを収納している。

 

理想の状態じゃなくても、イライラしないの?

竹内:
「解決するまで、
もちろん、気持ちが落ち着かないこともありました。決して、『まっいいか』とも思えず。

ゴミ箱を買っても容量が足りなかったように、細かな失敗もキリがないくらいあって。

でもそれに対して『またやっちゃった』とか『もっとこうすればよかった』と反省しすぎても、悲しくなります。良かれと思って実践してみたことだから、それはそれと。暮らすって、そういうものだと思うように。

だから今は放っておいたり、来客があっても密かにその場をしのぐなど、自分を追い詰めすぎないようにしています」

竹内:
「それに、『気持ちがザラつくこと』って、色々な気づきがあるとも思っていて。

未完成のときだからこそ、『今のザラつきを覚えておこう。どうして嫌だと感じたんだろう?』と、あえてそれを深掘るようにしていました。

これは仕事のときも同じかもしれません。どこかに気持ちがザラついたら、立ち止まる。どうしてそう思ったのか考えてみる。

商品に対して、社内のスタッフやお客さまから何か声が上がったときにも、原因はなんだろう、そう思ったのはなぜだろう、とすぐに答えを出してしまわないよう、意識的に自分を留めているかもしれませんね。

それは決して、目に見えて何かが解決している状態ではないけれど、それもひとつの前進なんだ、という感覚が自分の中にあります」

リューズガラスのフラワーベース

 

自分たちのための場所。終着点もスピードも、自分で決めていい

竹内:
わたしは、はやく解決することよりも『最終的にどうしたいか』というところに向かっていきたいのかもしれません。

例えば、ドライヤーの収納にしても『キレイにしたい』を最終目標にしたら、すぐに片付くと思います。でも、その後季節が変わったときに、使いづらさを感じるかもしれない。

だからその場合、時間をかけてでも、暮らしながら、使いやすく心地いい動線を見つけることを優先したいんです」

竹内:
「とにかく今の状態をすぐに解決したいと焦る気持ちと、ここは毎日を過ごす自分たちのための場所だから、納得できるまで考えたいという気持ち。

そのちょうどいい塩梅のところを、日々を重ねて『暮らしながら』見つけいきたいです。

もしこれが誰かに提案する仕事だったら、期限があるからもっとそこは意識しなきゃいけないけれど、これは自分たちのためにやっていること。

いついつまでに完成させようとは、無理に思わなくてもいいんじゃないかって

きっとわたしが「家づくり」に苦しくなったのは、「どこかの誰かの素敵な家」のイメージを理想にして、自分たちのために「家づくり」をしているということを忘れていたから。

そして竹内の話を聞いて気づいたのは、自分たちにとって本当に心地いいと思えるものは、そもそも簡単に見つからないのかもしれない、ということ。

暮らしは変化していくものだから、家づくりの終着点もきっと変わっていくはず。

そんなことを考えた取材後、わたしもまだまだ初心者なのかも、なんて思いながら、久々にゆっくりと、見慣れた我が家を見渡すことができたのでした。

 

(おわり)

【写真】鍵岡龍門

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