【リビング学習】第1話:37平米・ワンルームのダイニングで。日々の宿題環境をつくるレイアウトのコツ
リビング学習のレイアウトは、なんといっても机から。37平米ワンルームで、お子さん2人と暮らす瀧内さん宅では、ダイニングテーブルとは別に、窓側に簡易机を備え付けているそう。プリント類のチェックは炊事どきにしたり、気分転換のために、テーブルの配置は3パターンほどをルーチンで回したりと、リビングでもはかどる宿題環境づくりのアイデアがたくさんありそうです。
編集スタッフ 糸井
家の公共の場で、どう学ぶ?
今回の「リビング学習特集」は、子ども部屋づくりやリビング学習の環境の整え方について、スタッフ内でも悩みの声があがっていたことをきっかけに企画され、今年の2月に取材をしました。
この特集を今回改めて記事として公開することで、お家の環境作りのヒントになったり、状況が落ち着いた後にも、役に立つことになったら嬉しく思います。
「これから子どもが大きくなっていくにつれて、子ども部屋をつくったほうがいいのかな、リビングで学習する環境ってどう整える?」当店スタッフのあいだでも時折上がる、そんな話題。
今回、7歳と12歳のお子さんをもつ、一級建築士の瀧内未来(たきうちみき)さんにお話を聞きました。
レイアウトのポイントや、机や椅子えらび、リビング学習の良いところなどを、全3話でお届けします。
瀧内さん:
「リビング学習を取り入れたい! という声は、お客さまのご自宅の新築や、リノベーションの際の要望にもあがることも多いです。
私自身も、子どものリビング学習を取り入れる中で感じているのが、子どもの性格に合わせて取り入れていくことです。たとえば、リビングでみんなのいる場所でやりたい子、篭ってやりたい子、生活音が気になる子もいれば、受験生だけれどテレビがついているダイニングでも平気な子もいたり。
それは進学のタイミングなどでも変わってきたりするのかもしれません。うちの次女も、小学校に上がったと同時に急に几帳面になったりしているので。
それならば、あまり最初から決め切って環境を整えるというよりも、成長に応じて机や椅子を買い換えたりと、都度調整していくのがいいかなと思っています」
37平米のワンルーム。日々の宿題はダイニングがメイン
瀧内さんの家は、37平米のワンルーム。自らの設計でリノベーションした室内では、限られたスペースということもあり、姉妹でリビング学習をしているといいます。レイアウトの基準は、キッチンから目が届く範囲かどうか、のようです。
瀧内さん:
「どちらも普段はダイニングテーブルで勉強をしています。その分、時間をずらしてうまく共有していて。
きちんとした性格の次女は大体夜に、ダイニングテーブルで15分ほどの宿題タイム。夕飯の支度をしながら丸つけや、音読、学校からの手紙を確認しています。
長女は、『夜はゆっくりするんだ』と決めて、朝早めに起きています。私の確認が特にいらないのもあって、朝6時に起きてから宿題をはじめて、終わった頃に一緒に朝ごはんを囲んでいます」
大体いつ頃からはじめられたのでしょう?
瀧内さん:
「長女、次女ともに、小学1年生からはじめました。
ご飯づくりは毎日あるので、ダイニングテーブルで宿題をしてもらえば、こちらも料理の手を止めることなく『今日はどんな宿題なの?』と横で様子をみながら、娘からの質問に答えられます。
プリント類も炊事中にすべて確認しあうようにしているので、子どもがランドセルに仕舞いこんだっきり……ということも防げます。
当初、プリントチェックのために、ポストのように専用のボックスを作って、そこに入れておいてもらうようにもしたのですが、逆に『ボックスを開けて確認する』という作業が生じてしまったのもあって、今はこのやり方が合っていますね」
瀧内さん:
「実際に取り入れてみて、一番よかったのは、この時間に学校の様子も聞けることでした。
『今日は誰ちゃんがね〜』や『明日はこういうことがあるの』という会話が、自然と生まれてくる時間がなによりも心地いいんです。
ダイニングテーブルからはテレビが目に入ってしまう配置なのですが、20時から21時しかつけないルールを一応設けて、勉強時間と被らないようにしています」
テスト勉強などの集中時は、窓際の集中スペースで
ダイニングテーブルとは別に、長女にはお手製の「学習机」を置いているようです。それは明るい窓際にありました。元々は、瀧内さんが自宅で仕事をするときに使っていた場所だったといいます。
瀧内さん:
「高学年になって、自分で学習のペースを掴めるように、と一応用意したのですが、正直いまはダイニングテーブルで事足りているみたいですね。
収納式のものを選んだので、使わないときはこうして畳んでおけばスペースも最小限に。
主な活躍どきは、テスト勉強や、下の子がずっといるような週末です」
子供の気分転換に!机の配置替え3パターン
スムーズにリビング学習が取り入れられているように感じる、瀧内さん宅。でも、子供がなかなか勉強してくれなかったり、集中が続かないな〜と悩むこともあるとのこと。
そんなとき。ちょっと心機一転にと、ダイニングテーブルのレイアウトを少し変えるのがおすすめのようです。
瀧内さんは気分に応じて、机を縦置きにしてみたり、窓際にくっつけてみたりと、3パターンを実践しているそうですよ。
集中力が切れてきたら、口においしいものをパス!
頑張っているご褒美においしいものを差し入れしやすいのも、リビング学習ならではのよう。
瀧内さん:
「ダイニングテーブルを勉強スペースにしておくと、ちょっと集中力が切れてきた様子や、長く頑張っている姿がよくわかるんです。そんなときは、口にパクッとおいしいものを入れてあげるようにしています」
次回は、椅子選びや、おすすめの収納方法について教えていただきました。
👉次の記事はこちら
椅子や照明、収納棚はどれがいい?スペースづくりのコツ
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ダイニングや学習机の整頓を永く続ける収納アイデア
【写真】滝沢育絵
瀧内未来
千葉県生まれ。一級建築士。都内の設計会社で活躍後、現在はkurachiffon(クラシフォン)瀧内未来一級建築士事務所を設立。プライベートでは小学2年生、中学1年生の母でもある。
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