【部屋のようにベランダで】第1話:奥行きのある置き方って?枯らさないためにできることは?初心者さんのベランダグリーンの選び方
編集スタッフ 岡本
出番を待ち続けていた、我が家のベランダ
「この部屋、ベランダがあるんだ。ここで一休みしたり植物を育てたりして暮らせるなんて嬉しい」
初めてこの家を見たとき確かにそう感じたはずなのに、住み始めて2年半が経ってもベランダに出るのは洗濯物を干すときだけ。
週末の天気予報に晴れマークがつくたびに、今度こそベランダで育てるグリーンを見に行くぞと思うのですが、なかなか最初の一歩が踏み出せずにいました。
けれど、ある日のお昼時。ふと思い立って、買ってきたお弁当を持ってベランダに出てみたのです。
小さなレジャーシートに家族3人ぎゅっと集まって食べるご飯は、お世辞にも居心地がいいとは言えなかったけれど、なんだかとっても気分が晴れやかで楽しい時間が過ごせました。
それからというもの、以前よりずっとベランダへ意識が向くように。諦めかけたグリーンも置きたいし、リラックスしてご飯がしたい。
そんな思いをひとつずつ形にしていく全3話の特集をお送りします。第1話では、フラワースタイリストの増田由希子さんにお話しをお聞きして、ベランダグリーンの選び方を教わりました。
小さな庭のように、ぐんと居心地よく。
ベランダグリーンの選び方・置き方
ベランダでどんなふうに過ごしたい?
と自分に聞いてみる
増田さん:
「まずはこのベランダがあることでどう暮らしたいか、考えてみましょう。
緑に囲まれてお茶をしたいとか、ハーブを育てて料理に使ってみたいとか。それによって選ぶグリーンが変わってくるんです」
増田さんからの問いかけに今回私は、 “ご飯を食べたり深呼吸をしたり、小庭のようなベランダにしたい” という答えに行き着きました。
さらには、 “育てた花やグリーンを暮らしに飾る” という一歩先の目標もふまえてグリーンを選んでいただきましたよ。
樹木や多肉、ハーブなど。
さまざまな種類をミックスして選ぶ
▲写真左から、アナベル、オリーブ、ギボウシ、ローズマリー。
増田さん:
「様々なサイズがある樹木科や特徴的な形がかわいい多肉植物、香りも楽しめるハーブなど、いくつかの種類を織り交ぜて選ぶと豊かなベランダになります。
今回は、シンボルツリーとしてオリーブ、葉が特徴的なギボウシ、多肉植物のペペロミアホープ、宿根植物のアナベルなどをセレクトしました。
さらに、ローズマリー、ラベンダーのハーブも2種類。ローズマリーは丈夫で育てやすく、病害虫の心配もありません。紫色のかわいいい花が咲きますし、香りもとても良いですよ。テーブルに飾ったり料理に役立てることもできて、グリーン初心者さんにおすすめです」
増田さん:
「ラベンダーは、お住まいの地域によって育てやすい品種が変わります。ぜひお花屋さんで聞いてみてください。生花でもドライフラワーでも楽しめますので、育てていて楽しいですよ。
多肉植物のペペロミアホープはハンギングで。乾燥気味で育てられるので、管理がしやすいです。空き瓶などに飾っても素敵」
高さを出して、リズムよく。
奥行きのあるグリーンの置き方
増田さん:
「フラワースタンドやシェルフを使って、高低差を出すと小庭のようなグリーンに囲まれた雰囲気が出ます。ガーデニング専用のものでなくても、子ども用の椅子やテーブル、木箱などもいいですね。
簡単に高さを出すなら、壁につけるタイプのプランターもおすすめです。植え替えせず、ポットをそのまま入れても大丈夫です」
こんなときどうすれば?
グリーンとの暮らしの困った!を解決するヒント
何度も失敗したけれど。今度こそ枯らさないコツが知りたい!
増田さん:
「まずは風通しをよくすることに気を配ってみてください。葉が混み合ってきたら剪定する、グリーンは黄色い葉を取る、花やハーブなら下葉*を取る、といったように。
風通しを良くすることで植物が良く育ち、害虫も寄り付きづらくなりますよ。
またベランダに室外機がある場合は、その前に植物を置かないように。熱気で枯れやすくなってしまいます」
*下葉……枝や茎の付け根や根元近くについている葉のこと。
屋根がないベランダで、大雨が降ってきた!
増田さん:
「雨が降っても基本的にはそのままで大丈夫。あまりに雨が強く、小さい植物の様子が気になるときは、室内へ避難させられるといいですね。
部屋に入れられない場合は、風で飛ばないように工夫して傘をさしてあげてもよいでしょう。
大事なのは、雨が上がったあと。鉢皿に溜まった水を捨てることを忘れずに。植物の根腐れを防止できて、害虫も寄り付かなくなります。排水溝も泥が溜まっていたらきれいにして。このふたつは雨が降ったときに限らず、まめにチェックしたいですね」
グリーンを置いたその日から、朝晩必ずベランダへ出るようになりました。
今日は朝から暑いね〜、お水おいしいですか?と声をかけながら植物をみて回る時間は、自分と対話しているようで不思議と気持ちが落ち着きます。グリーンと暮らすって、景色が変わるという物理的な変化だけではないことを改めて実感しているところです。
さらには、グリーンを置いてからの方が色彩や配置に奥行きがでたせいかベランダが広く見えることに驚きました。よりリビングの延長にある空間として捉えることができて、部屋にいるときまでもベランダグリーンの嬉しい効果を感じています。
ベランダにグリーンが加わったところで、次回はベランダご飯のしつらえについてお届けします。おたのしみに。
(つづく)
【写真】佐々木孝憲
もくじ
増田 由希子
フラワースタイリスト、ワイヤー作家。「f plus(エフプラス)」主宰。雑誌などで「暮らしの花」を提案。花教室、企業の展示会装花、オリジナルワイヤー花器の制作など幅広く活動中。著書に「花とお菓子」(立東舎)、「暮らしを美しく飾る花図鑑」(家の光協会)などがある。f plus:http://fplus.s2.weblife.me/ Instagram:@nonihana
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