【365日、模様替え】第2話:魅力がいきるスポットづくり、オブジェの味変……? 模様替え「4つのマイルール」を聞きました

編集スタッフ 糸井

東京都、落ち着きのある商店街を抜けたところにあるマンションに住む、フォトグラファー・上原未嗣(うえはらみつぐ)さん。ひとり暮らしのインテリアを、全4話でお届けしています。

第1話では、間取りをいかした導線づくりや、窓際のレイアウトのことを。第2話では、毎日のようにされる模様替えのマイルールについてお聞きします。

▲アメリカで使われていたらしいブルーのタイルは、戸棚のうえに。

上原さんのインテリアは日々、レイアウトが変わるのが印象的。棚に飾ったひとつのオブジェを「こっちに移動させた方がいいのでは?」とお引っ越ししては、ちいさな模様替えが繰り広げられています。

上原さん:
「ものの位置を変えるときは、何かに悩んでいるときも多いです。レイアウトが変わると、そこから気分がすっきりするというか。友人が悩んでいそうなときもつい『模様替えしてみたら?』と勧めているかもしれません(笑)」

模様替えにマイルールのようなものはあるのでしょうか?と聞いてみたら、どうやら4つのポイントを意識しているそうです。

▲「汚れひとつない新品よりも、何年か使い古されたものに落ち着きを覚えるんです」と上原さん。自宅には、撮影先や旅先で見つけた古道具屋で探してきたものも多いそう。

 

戸棚のディスプレイは階段式がコツ?

▲3年近く愛用しているキャビネットの上には、うちわに大皿、小壺に版画、石。個性のあるものが散りばめられていても、不思議と散漫にならず、整然と並ぶ。

まずは、戸棚の上のディスプレイの飾り方のコツについて。ルールは、段々畑のように「階段式に飾る」ことだそう。

上原さん:
「ひとつの場所に複数の雑貨を並べるときは、低いもの–中くらい–背の高いものと、階段式に並べます。そうすると、どのアイテムも正面から、姿がはっきりと見えて。それだけで、ものが随分生きてくるんです」

▲写真の隣は、家のような箱に人形が並んだペルーの飾り物。その手前には、こけしなどの郷土玩具が並ぶ。

リビングにある戸棚も同様のルールで仕上げたもの。ものがこじんまりしている感じが神棚のようで、気に入っているんです、と上原さん。

そうそう、一体感が生まれる秘訣には、カラーリングにもあるのだとか。たとえばこの写真や雑貨には、それぞれ「みどり、黄色、赤」の3色が入っています。色味の合ったものを、同じ場所に置くことも意識してみるといいのかもしれません。

 

その場所にきちんとおさまるサイズを探す

▲夜になると灯すというランプは、古道具屋で見つけたもの。

飾る場所に迷ったら、そのものがピッタリおさまるスペースを探すのも、ひとつの手ですと上原さん。

上原さん:
「柱につけたこのランプは、ここがピッタリだなと思って飾ったもの。もし柱からはみ出してしまうと、きっと違和感が生まれて、雑多な印象になるんです。おさまりを気持ちよくするためにも、オーバーサイズになるものは、置かないように決めています」

▲他の柱にも、お気に入りのフライヤーやはぎれをディスプレイ。柱がまるで額縁のような役割をしているよう。

▲ラグの上にも、おさまるものだけを。

 

魅力が活きるスポットを作ってあげる

最近のお気に入りだという小さなキャビネットは、通販で見つけたアイヌの民芸物。魅力は、正面だけでなく、上部と左右にも掘られた独特の模様にあり。当初、ダイニングテーブルの脇下に置いていたそうですが、せっかくの模様が隠れ気味なことが気になっていたのだとか。

上原さん:
「だったらリビングの真ん中に、ポンっと置いてみたんです。これなら導線も確保しつつ、いろんな角度から模様を眺められる。この棚の本領が発揮されてきた気がします」

 

オブジェにして、味変

▲壁を使った模様替えに、欠かせないのが「虫ピン」。近所のホームセンターで調達したものを愛用中。

「これは今朝思いついたところなんですが……」とその場でこしらえてくれた、キッチンコンロ横の壁掛けオブジェ。本来の使い道だけでなく、味変のように、オブジェにできないかを考えてみることも多いそう。

上原さん:
「ずっとお盆本来の用途として、コップやお皿の移動に使っていたのですが、こうやって飾ってみるだけで、また違う愛で方ができるなと。

『お盆の上下にも何か飾ろうかな……』という塩梅で、新しくディスプレイスペースが生まれるのもいいですよね」

 

もの自身が、居心地よく過ごせる場所を見つけたい

上原さんが口癖のように言っていたのが「ものの居心地のいい場所を見つけてあげたいんです」という言葉。「魅力を最大限に発揮できる場所」、「おさまるサイズ感」のように分解して、新しいものが増えては、これはどこが居心地いいかなと考えるそう。

生活していると、なんとなくで置いたっきりのものは色々あるもの。上原さんは、それを1個1個紐解いて、新しい場所を見繕ってあげたい気持ちが止められない愛の持ち主のようでした。はたして今日は一体どこを模様替えしているのかな?と思いつつ、来週公開の3話では夜のインテリアについて伺おうと思います。

 

(つづく)

【写真】上原未嗣本人

もくじ

上原未嗣

フォトグラファー。1989年、山口県生まれ。25歳頃に思い立ち上京。その後渡仏をきっかけに写真を学ぶ。現在は、フリーランスとして活動中。当店の特集でも度々登場している写真たちはどれも美しく印象に残る。Instagramは@mitsuguuuから


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