【44歳のじゆう帖】「友だち」の定義

ビューティライターAYANA

自分を肯定してくれるのが、友だち?

あまり友だちのいない子どもでした。

特に中学生くらいまでは、私はクラスに形成される仲良しグループのどこにも入れず、それはひとえに自分に魅力がないからだと思っていた節があります。友人というものを、自分の価値を図るものとして神格化していたというのでしょうか。

それゆえに「きちんと相互承認あってはじめて形成される関係」だと思っていました。それが直感的にウマの合う、ソウルメイトみたいな感じだと最高、みたいな。

高校に入ってはじめてすごく仲良くなった女の子がいて、彼女は「私たち、友だちだよね」と言い合った唯一の人かもしれません。その子はとにかくセンスがよく文章力もあり(手紙の交換などをしていた)、私にとっての憧れでした。

こんな素敵な人が私と仲良くしてくれるなんて!って思っていたのだけど、高校2年になってクラスが変わってしまい、少し疎遠になりつつ、それ以降はまた、そこまで仲の良い友だちというのは現れませんでした。

相手が自分をどう思っているんだろう、ということばかり気にしていました。私、これで大丈夫ですか。あなたに不愉快な思いをさせてませんかという気持ちが心を支配する。その割に、甲斐甲斐しく世話を焼いたりすることもないのです。

今思えば「私のことどう思う?」っていつも不安そうにしてる子より「あなたのことが大好き!今日遊べる?」って朗らかにしてる子のほうが一億倍いいですよねってなんか恋愛の話みたいになってますが、要するに私は、自分に自信がないから、誰かに「あなたは素敵だよ」って言ってほしい子だったんだなと、思います。

そういうことをあまり考えなくなってきたのは、自分にとってやりたいこととか好きな世界がはっきりしてきた大学生あたりから。

バンドやって、メイクの専門学校に行くための学費を稼いで、ファッション写真に夢中になって。誰かが「あなたは素敵だよ」と言ってくれるわけではないし自分が素敵になったわけではないのだけれども、自分が明らかに素敵だと自信を持って言える対象物に熱狂できるという時点で、なんだか生きている価値があるように思えたものです。

気づけば、友人に恵まれていた

友人が爆発的に増えたのは、間違いなくインターネットのおかげです。

25歳でiBook(白いMacのノートパソコン、OSは9でした)を買って、当時まだmixiもなかったですが、インターネット上で繋がるシステムはおぼろげながらあり、好きな音楽やアートなどを通じて出会った人と仲良くなるという体験をします。

ネット上に日記を買いたり、BBSでコメントを送りあったりと、ネット上でのコミュニケーションに慣れていた私にとって、その後出現するmixiやTwitterその他のSNSは非常に扱いやすく、好きなものを通して何人も友人ができました。

リアルとネットを完全に分けるという考え方もありますが、私はあまり器用ではないので、匿名(別名)でネットに存在することができず、リアルもネットも同じ感覚で生きています。

ネット上のみでやりとりしていて面識のない方もいらっしゃいますが、私の中ではリアルな友人と同じ立ち位置なのです。

友人と呼べる人たちを脳内で見回してみると、実にいろいろな人がいます。年齢も住む場所も職業も幅広く、定期的に会う人もいれば、10年は会ってないねという人も。今年仲良くなった人もいます。数年前は頻繁に会っていたのに、今はまったく連絡を取らなくなっている人もいます。

連絡を取らなくなったからといって友人関係が終わったわけでもなく、必要なときが来れば連絡をするし、そんな風にふいに連絡を私がもらったとしたら、それはすごく嬉しいことだなと思うのです。

ほかでもない自分の糧となる存在

かつては唯一無二のソウルメイトみたいな関係性に憧れていた私ですが、今は、私にとっての友人づきあいってそうではないのかも、と思っています。いろんな人がいて、濃度はいろいろ、頻度もいろいろ。そのすべてに、私は人生の窮地において何度も救われています。私の心の支えです。

私は彼/彼女たちのことを友人だと思っているけれど、向こうにしてみればそうじゃないかもしれない。若い頃はそれが恐怖でした。

でも今は、そうだとしてもそれはそれでいいし、それでも私が友だちと思っていることが大事だなと思えるようになりました。

昔と今で違うのは、誰かに「あなたは素敵だよ」と言ってほしい気持ちが薄らいだということです。相手が自分をどう思っているかよりも、自分が相手をどう思っているかのほうが大事だな、とも思います。「私たち、友だちだよね!」なんて確認しなくてもよくて、彼/彼女たちがくれたものが、自分の人生を彩っているという事実に意味があるな、と。

一緒に美味しいものを食べたり、素敵なものを教えあったり、悲しい気持ちを打ち明けて聞いてもらったり。深い話や他愛もない話ができる人たち。人生はそんなに長くないから、自分の糧となる友人たちの存在を、過ごした時間を、やりとりを、そのひとつひとつを大切にしたいなと思います。

 

【写真】本多康司

 

AYANA

ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang  http://www.ayana.tokyo/

 

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