【親子で取りくむ収納】第2話:子どもと一緒に探す「ちょうどいい」おもちゃの収納法
ライター 嶌陽子
子どもの収納について、整理収納アドバイザーの水谷妙子(みずたに・たえこ)さんに教わる特集。
1話目では、片づけ下手だった水谷さんが「無理をしない収納」をモットーにするまでの経緯などについて聞きました。第2話の今回は、おもちゃの整理収納術について話を聞いていきます。
第1話
よく見えて、投げ込める。“すき間” のおかげでおもちゃの片づけがラクに
▲ユニットシェルフ、ソフトボックスは「無印良品」のもの。
水谷さん宅のおもちゃ収納は、シンプルな棚にフタのないボックスを並べておいただけのもの。でも、この置き方が片づけやすいポイントのようです。
水谷さん:
「おもちゃをしまうボックスの上に間にすき間が10cm以上あるんです。これが子どもにとってはすごく片づけやすいようです。
引き出しを開け閉めする必要がなく、投げ込むだけで片づけ完了! すき間から何が入っているかすぐ見えるので探す時間も減ります」
▲ボックスに貼ったラベルは養生テープにマジックで手書きしたもの。「ボックスの中身=ラベルの内容は子どもの成長と共に変わるので、気軽に変えられるこの方法が好き」
子どもが片づけられないのは「仕組みに問題あり」のサイン?
▲小2の長女は弟たちを牽引してお片づけを進める頼もしい存在
水谷さん:
「我が家では時間をかけて試行錯誤しながら、子どもが片づけやすいこの方法にたどり着きました。
何度言ってもものを出しっ放しにしてしまったり、ほしいものをすぐに見つけられずキョロキョロしていたりするのは子どものせいではなく、整理収納の仕組みに問題があるというサイン。見直しの良いチャンスだと思います。
たとえば、しまう場所が2ヶ所に分散していると、子どもにとってはハードルが高いかも。あるいはおもちゃの量が多すぎて管理できるキャパシティを超えているのかもしれません。
子どもの様子をじっと見ていると、何かしらわかってくるはずです」
誕生日やクリスマス。おもちゃが増えるタイミングで量の見直し
いただきものなどで、気がつくとどうしても増えていってしまうおもちゃ。そのうち何がどこにあるか、親子ともに分からなくなってしまうことも。
水谷さん:
「あまり遊んでいないおもちゃは “2軍” にして別の場所にしまい込むと普段の片づけがラクに。我が家も外に出しているのは “1軍” のおもちゃと本だけです。
誕生日やクリスマスなど、おもちゃが増えるタイミングで子どもと一緒に処分するもの、残すものを決めるのも手です。新しいおもちゃが来るから見直そうね、と言えば子どもも張り切って取り組むと思います。
ものの定期的な見直しは、生活していくうえでは避けて通れないこと。とはいえ、小さな子どもには難しい場合もあると思います。
普段の生活の中ではなかなか取りかかれないことだと思うので、やる気が起きるタイミングを上手に見つけられるといいですね」
トライ&エラーを繰り返すと「ちょうどいい」が見えてくる
すっきりと整った水谷さん宅の子どもスペース。でも、最初からこうだったわけでは全くないと水谷さんはいいます。
水谷さん:
「ボックスの上にすき間を作ること以外にも、これまで何度もトライ&エラーを繰り返してきました。今も日々試行錯誤中です。
たとえば以前は同じジャンルのものでもメーカーや商品名ごとに分けて収納していたんです。でもそれだと子どもがなかなか片づけられなかった。細かく分けすぎているんだと気づき、“のりもの” 、 “ぶろっく” など、ごく大まかに分けるようにしました。
どういう仕組みにすれば子どもがスムーズに片づけられるか、子どもを観察して試して、失敗して、また試して……。それを日々繰り返しながらちょうどいい整理収納法を探しているんです」
2歳違いの3人の子どもを持つ水谷さん。何がちょうどいい整理収納法かは、それぞれの子どもによっても違います。
▲左が長女、右が長男の ” 宝ものボックス ” 。細かく分類するお姉ちゃんに比べて、弟はまだざっくり。年齢や性格によって収納法は違って当たり前。
水谷さん:
「たとえば長女と長男はひとつずつ “宝ものボックス” を持ち、自分で管理しています。
小2の長女は、年齢的にも、性格的にも細かく分類できる。でも2歳下の長男はざっくりと入れるだけです。最近ようやくカードだけケースに入れられるようになりました。
性格も実力もモノの量も、子どもによって、あるいは同じ子どもでも時期によって全然違う。
整理収納には “これが正解” というひとつの答えがあるわけではなく、一人ひとりの性格や管理能力にマッチしていることが大事なんだと思います」
次回は衣類の整理収納について伺います。
【写真】大森忠明
もくじ
水谷 妙子
整理収納アドバイザー。夫、8歳の娘、5歳と3歳の息子の5人暮らし。無印良品で生活雑貨の商品企画・デザインを13年間務める。手がけた商品は500点超、調べた他社商品は5000 点超。2018 年に起業し、雑誌やテレビなどで活躍中。著書に「水谷妙子の取捨選択 できれば家事をしたくない私のモノ選び」(主婦の友社)など。WEBサイト:「ものとかぞく」http://taekomizutani.com/ Instagram:@monotokazoku
ライター 嶌陽子
編集者、ライター。大学卒業後、フリーランスでの映像翻訳や国際NGO職員を経た後、2007年から出版社での編集業務に携わる。2013年からフリーランスで活動を始め、現在は暮らしまわりの記事や人物インタビューなどを手がける。執筆媒体は『天然生活』『クロワッサン』『日経ウーマン』など。プライベートでは1児の母として奮闘中。
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