
花屋に行くと、まぶしいくらいの色とりどりの花たち。
この特集ではいつもとはちょっと違う、けれどもカンタンな花の飾り方を花生師の岡本典子さんに聞いています。
前回は1本の花を小分けにする飾り方。
今回はチューリップだけを使ったアレンジです。

一輪挿しから、花束まで
チューリップをもっと楽しむ飾り方

岡本さん:
「私が思うチューリップの美しさは、花はもちろんなのですが、茎の部分のしなやかさ。なのでおすすめの飾り方は、茎を楽しめるように長めに切り、花瓶もクリアで背が高いものにすること。茎がしなってくると花瓶が倒れてしまう可能性があるので、花器は重めのものがおすすめです。
一輪挿しもそうするだけで、茎の優雅さを楽しめます」

岡本さん:
「数本いける場合は、手で大体こんな風にしようとまとめてから花瓶に入れると、決まりやすいです」


岡本さん:
「水に挿しておくだけで、段々と茎が伸びてきます。なので今回使ったような花瓶の高さだと、茎が伸びてきた時に生け替えが必要。
生け替えをしたくない場合は、もっと高い背の花瓶にいけることをおすすめします。
茎が伸びてきてしなった姿が本当に美しいので、あまりアレンジを決めようと肩に力を入れすぎず、自然な姿を受け入れられる方が、チューリップをもっと楽しめると思います」

岡本:
「ちなみに、チューリップは球根売りのものもステキ。
球根ベースを使うのもかわいいですが、こちらもやっぱり茎が伸びてくるので、次第に倒れてしまう場合が多いと思うんです。
なので球根から伸びた葉の先まですっぽり入る花器に入れるのが、私のおすすめ。アクアリウムのようにガラス越しの景色を楽しむのも、楽しい時間だと思います」

岡本:
「球根はずっと水に浸かってしまうと腐るので、苔を入れてクッション代わりに。苔はホームセンターやアマゾンで購入できます。山苔やハイゴケなど、緑色のものだと似合いそう。
水が少なめのため、足りなくなったら足してあげてください」

一輪からでも楽しめるチューリップ。飾り方や選ぶ種類で無限の可能性が広がりそうです
さて次回は、思わず部屋に飾りたくなる、ミモザのガーランドの作り方をご紹介します。
(つづく)
Photo : Maya Matsuura
もくじ


岡本 典子(花生師)
Tiny N 主宰。花生師(はないけし)。TV・雑誌・広告・展示会・店舗の空間スタイリングなどを手がける。大学では園芸学部に進み、寮生活のなかで花の世界に夢中となり、短大卒業後にイギリスへ留学する。花屋で働きながら、国家技能レベルの資格を取得し、帰国。現在は世田谷にアトリエを構え、撮影やワークショップ、展示や生け込み等の仕事を一人で行う。
インスタグラム:@noriko_okamoto
@hanaikeshi
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