【45歳のじゆう帖】「休みかた」について考える
ビューティライターAYANA
「休息」が持つ意味
きちんと休むことで、日々の活動が充実したものになる。これは紛れもない事実だと思います。
アーユルヴェーダについて勉強していたころ「休息とは、活動で溜まった疲労を癒やすものと考えがちだが、実際は活動のエネルギーを貯めておくためのものであり、よい休息なしによい活動はあり得ない」ということを知りました。
ここでいう休息とは、きちんと管理された睡眠ないし瞑想を指します。
計画的に良質な休息を取ることが充実の人生を約束してくれる──この事実に当時の私はなるほどと思いました。でも、頭では理解できても、いざ実行しようとするとこれがなかなか難しいのです。
私はいつもなんとなく疲れていて「もっと休みたいな」と感じています。では忙しすぎて休んでいないのかというと、そんなことは全くないのです。単純に時間の使い方が下手なだけ。
なんとなく仕事をはじめてダラダラ続けて、なんとなく休憩してこれもダラダラ延長してしまう。フリーランスという生き方がこのスタイルにさらに拍車をかけている気がします。
朝の準備をしている最中に突然閃いたことがあるとその場でパソコンを開き、作業をはじめてしまう(メイクの途中なのに!)なんてこともよくありますし、ちょっとだけと思って見始めたSNSや漫画などから顔を上げると、余裕で1時間経過していたりします。
どこかプライベートの感覚で仕事をしていたり、心からリラックスせずに休息していたりするんです。アーユルヴェーダに怒られそうなライフスタイル、そりゃ疲れるよなと思うのですが、この癖がなかなか直りません。
先日友人が「5分休憩して20分集中する。この繰り返しがとてもはかどる」と言っていました。5分は好きな動画を見たりSNSをチェックするのだそうですが、それを聞いた私は「とてもじゃないけど休憩を5分で切り上げる自信がない」としか思えませんでした。きっと延々と一時間を無駄にしてしまう強い自信があります。
「切り替えなければ」というハードル
要するに、私はオンオフの切り替えが上手にできないのです。プライベート/仕事であったり、活動/休息であったりの境界線を上手に引くことができなくて、そこがいつも曖昧に混ざり合っています。
これではいかんと思ったことが何度もあります。今年から仕事をするスペースとして、家のそばに小さなワンルームを借りているのですが(以下事務所と記します)、これもそんな自分に鞭打つ策のひとつです。仕事モードになりたいときは事務所に来て、家には仕事を持ち込まない、というスタイルを目指しました。
でも実際は、例えば試したい化粧品があったとして、事務所に置いておくのか、自宅に置いておくのか。事務所に置くのが理想ですが、化粧品を使うのはプライベートな時間だったりするからそうもいかない。
また早朝に仕事をするときなどは、息子が起きてくるかもしれないので自宅にいなければならない。なんてことが重なり、3ヶ月目にしてすでに境界線が曖昧になっているのを感じます。
これまで何度も、上手に切り替えができる人間にならなきゃと考え、それができない自分を責めてきた(そしてそれ自体がストレスになっていた)のですが、このキャラで生きてきて45年、もしかしてそろそろ「切り替えができない人間である」ということを前提に物事を考えてもいいのかもしれない、と思っています。
「活動と休息」を自分用にカスタマイズする
まず、私はどんな時に疲れるのかを分析してみます。よくよく考えてみると、その日のタスクがこなせないときや、「終わるのだろうか」という不安を抱えているときは圧倒的に疲れます。
原稿の締め切りが重なったり、夕食の準備が間に合わないなどはその典型です。
そこで考えます。1日のタスクを洗い出し、何時までに何をやるとギチギチに決めてしまうとできないときにストレスだし、かといってタスクが可視化されていないとそれはそれで回りません。
なので、1週間くらいのタームでタスクを設定し、ゆるめに幅をもたせて割り振っておくのはどうか。今日できなかったものは明日にまわしてもいい。完璧にできなくて当たり前、と思っておく。
この考え方にとても合っているのが、Googleカレンダーの活用です。
私は去年までずっとスケジュール管理に手帳を愛用してきましたが、スケジュールの変更や突発的なアポイントを書き留めきれなくなり、ダブルブッキングなどが発生するようになってしまいました。
そこで試しにGoogleカレンダーへ手を出してみたら、これが使いやすいこと。予定の組み立てや変更がスムーズにできるし、連絡をもらったその場で(だいたいそれはスマホやパソコン上で起こるので)、アプリを立ち上げて加筆修正できます。
ここにタスクを全部書き込んで、その日の状況によって組み替えていくのです。今日できなかったら明日、というふうに。
休息についても、ダラダラと休んでしまう自分を責めない。ダラダラと休息に身を委ねることが救ってくれるストレスがあるのだ、と信じてみる。
そういえば、何かの占いで「ネットなどで延々と興味のあることを調べていくことが、あなたにとってのストレス解消法です」と書かれていたのを読んで妙に納得してしまったことがあります。それってダラダラ過ごす時間の権化のようでもあるよなぁ、と改めて感じます。
3時になったからお茶を淹れよう、と区切りをつけて、そこまで集中し、時間がきたらパッと美味しいお茶請けとともに静かな時間を楽しむ。そんなスタイルに憧れます。でも、その憧れだって別に捨てなくていい。そして、それができない自分を責めなくていい。なんだかそんなふうに、自分のクセと折り合いをつけていけたらなと思う次第です。
【写真】本多康司
AYANA
ビューティライター。コラム、エッセイ、取材執筆、ブランドカタログなど、美容を切り口とした執筆業。過去に携わった化粧品メーカーにおける商品企画開発・店舗開発等の経験を活かし、ブランディング、商品開発などにも関わる。instagram:@tw0lipswithfang http://www.ayana.tokyo/
AYANAさんに参加してもらい開発した
KURASHI&Trips PUBLISHING
メイクアップシリーズ
AYANAさんも立ち会って制作した
スタッフのメイク体験
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