【ダイニングテーブルを探して】第3話:あこがれの北欧ヴィンテージを選ぶなら

編集スタッフ 津田

特集「ダイニングテーブルを探して」を全3話でお届けしています。

ひとくちにダイニングテーブルといっても、天板の色や形、サイズなどたくさんあるなかから自分にぴったりの一台を見つけるのは至難のわざ。ヒントを求めて、haluta tokyo instock showroom(ハルタ・トーキョー・インストック・ショールーム、略してhaluta tokyo)を訪ねました。

第1話は、はじめの一歩として「どんな暮らしがしたいのか」を考えてみることに。第2話は、円形と長方形のちがいとサイズについて。第3話では、ヴィンテージ家具の魅力とお手入れ方法を教わります。

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北欧ヴィンテージが愛される理由

▲Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン) model.6288

haluta tokyoの細い通路をそろそろと進みながら、うずたかく置かれたヴィンテージの家具をじーっと眺めていると、どれも本当にいい佇まい。惚れ惚れして、思わず幸せなため息が出てきます。

アートピースのような美しさですが、長いことだれかの暮らしのなかにあったものが持つ、やわらかくておおらかな空気が漂っています。

haluta tokyo 所さん:
「halutaが扱っている家具の多くは1960年代にデンマークでつくられたものです。

デンマークの国土は九州よりすこし大きいくらい。限られた資源や土地のなかで心地よく暮らす工夫をしてきた国です。古いものを引き継いで大切に使い続けるのは、そういった生活に紐づく価値観だと思います。

この時代の家具が今も使えるものは、職人さんの仕事がていねいな証拠。著名なデザイナーのものだけでなく、アノニマスのもの(作者不明のもの)もそうです。60年経ったいまも褪せない魅力があり、しかもテーブルとして現役で使い続けられる。それってすごいことです」

▲Hans J Wegner(ハンス・J・ウェグナー) AT312。どこから見ても美しく、とくに幕板と脚のデザインにはウェグナーらしさが感じられる

haluta tokyo 所さん:
「椅子やチェストとちがって、テーブルは天板と脚を組み合わせたシンプルな構造物なので、デザイン面の大きな差はないんじゃないかなと個人的には思っています。

アノニマスのものも素晴らしい。型番がなく、いずれも一点もので、偶然でしか出合えないところも魅力です。

ウェグナーやモーエンセンなどデザイナーのものも、知れば知るほど虜になります。どこから見ても美しく、ひとつひとつに意味があり、細かな工夫が積み重なって作られた完成度の高さに惚れたという方は多いです。探す場合には、名前や型番で調べて在庫が出てくるのを気長に待つといいでしょう」

 

天板はチーク材のものが多いです

▲Hans J Wegner(ハンス・J・ウェグナー) AT312。天板にチーク材、脚にオーク材が使われている

もうひとつ、ダイニングテーブルで気がかりだったのが天板の色のこと。選ぶものでインテリアの雰囲気が変わりそうですし、家にある家具との相性も気になります。どうやって選ぶといいのでしょう。

haluta tokyo 所さん:
「halutaで扱っているダイニングテーブルは、すこし赤みのあるチーク材のものが圧倒的に多いです。もうひとつ代表的なのがオーク材。こちらのほうがやや明るい印象でしょうか。

あとチークオークと呼んでいますが、チーク材とオーク材を組み合わせてつくられたものもあります。ダイニングテーブルだけでなくチェストやビューローなどにも、このつくりのものって結構あるんですよ。

木製の家具や床材との合わせは、そもそも別の木材を組み合わせてひとつの家具をつくることがあるくらいですから、どれも相性はいいはずです。ほかの素材でも全然合わないってことはないと思います。

とにかく揃っていないと落ち着かない、ということでなければ、おおらかに選んでいいのではないでしょうか」

 

お手入れは、特別なことはないけれど

最後に、長く大切に使い続けるためのお手入れのコツも伺いました。

haluta tokyo 所さん:
「コップの輪染みができやすいので、テーブルクロスやプレイスマット、コースターを合わせて使うのがおすすめです。あとは気がついたときに乾拭きしていただけたら。

できれば2ヶ月に1回くらい、古布にすこしオイルをとって全体に塗り込むようにしてください。小さな擦れ傷なども目立たなくなります。詳しい手順はhalutaのウェブサイトでもご紹介しています。

ガタつきなどが気になるときは、販売店に相談するのがいいと思います。リペアをしてくれたり、自宅でできるケア方法のアドバイスをもらえるはずです」

 

さあ、どんなダイニングテーブルにしましょうか

取材がひと通り終わって、ふとhalutaで働くひとのダイニングテーブルはどんなだろうと尋ねてみると、「いわゆるダイニングテーブルは持っていないんです」とのこと。

haluta tokyo 所さん:
「食事はパッと取れたらいい、というタイプなので、奥行き60cmの小さなデスクをキッチンに置いてます。うちはドアや廊下など搬入経路が狭くて、大きなものは置けないという事情もありまして。いつか引っ越したら、また考えようと思います」

なんとも清々しい答え。そうかあ。選択肢はダイニングテーブルだけじゃなくていいんですね。

何人で暮らしているのか。来客は月に何回あるか。食事はどんな時間にしたいのか。そうやって自分の生活を棚卸しすれば「私にはこれがぴったり」というテーブルとの出会いはきっと訪れる。取材を通して、そんなふうに思えました。

さて、我が家にやってくるのはどんなダイニングテーブルでしょう。今から楽しみです。

▲取材後にダイニングテーブルをあらためて見ていた私。獲物を狙うハンターのごとく目が真剣です笑

 

【写真】上原未嗣

 

もくじ

 

haluta tokyo instock showroom

長野県の軽井沢にあるhalutaの都内拠点。北欧ヴィンテージ家具のショールームとして、北欧の美しく、引き継ぐ暮らしを体現した家具を軽井沢の倉庫より一部、移動展示している。ヴィンテージ家具のほか、器や小物も常時展示販売。関西では神戸にショールームがある。

Instagram: @haluta_tokyo @haluta_kobe

 


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