【コンパクトにおしゃれに暮らす】第3話:デッドスペースなし!セレクトショップ店主のクローゼット収納術

ライター 長谷川未緒

好きなものに囲まれた自分らしい住まいをつくりたい。そう思うものの、予算には限りがありますし、スペースが足りなかったりするとなかなか理想通りにはいかないことも……。

そこで、特集「コンパクトにおしゃれに暮らす」では、ちいさな部屋でも快適に住まうヒントを探ります。

今回訪ねたのは、東京・参宮橋でフランスの服や雑貨を中心に扱うセレクトショップ「アバヌ」を営む大坂友紀子(おおさか・ゆきこ)さん宅です。1LDK58平米のマンションに、家族で暮らしています。

第1話では、子ども2人の成長に合わせて手を加えながら住みこなしてきた工夫を、第2話では、玄関からリビングまで、動線に合わせた家具レイアウトと収納のコツについて、伺いました。

続く第3話では、洋服屋のオーナーならではの大量の服をしまう収納術や、ひとりしか入れないキッチンの活用術などを拝見します。

第1話から読む

 

畳んで積んで、デッドスペースを作らない

大坂さんのお宅では、ひとつしかない部屋を家族の寝室兼クローゼットにしています。去年、長女が独立するまでは、家族4人で寝ていました。

背の高いロッカーを間仕切りにして、床に直に置いたセミダブルサイズのマットレスを夫婦用に、二段ベッドを子ども用に置いていましたが、最近、夫婦用のもベッドに変えたそう。

大坂さん:
「寝室も狭いので、ベッドは絶対に入らないと思い込んでいたんです。でも去年、ひとり暮らしを始めた長女が『IKEA』でダブルサイズのソファベッドを買いまして、コンパクトなので『これなら入るかも?』と」

▲寝室のカーテンは、フランス人アーティストのもの。朝日が射すさまがきれい。

大坂さん:
「測ってみたところ、ぎりぎり入るサイズだったので購入しました。ソファベッドですが、ソファとして使うことはないですね。

ベッドのいいところは、ベッド下にものを置けるところ。収納スペースが増えて、うれしいです」

 

ロッカーで仕切り、奥を子どもスペースに

子どもスペースと夫婦のベッドを仕切るのは、大型のロッカーです。和菓子屋さんだった大坂さんの実家で、従業員用のロッカーとして使っていたものを譲り受けました。

大坂さん:
「前は低いチェストで仕切っていたのですが、高さがある家具のほうが収納量もアップしますし、デザインも好きだったので。

表面は自分でペンキを塗りました」

部屋の奥側が、子ども用スペースです。現在は専門学校に通う次女が使っています。

大坂さん:
「長女が独立したので少しはものが減るかと思いましたが、しょっちゅう帰ってきて泊まっていくので、あんまり変わらないですね。

ロッカーの仕切りのおかげで、ごちゃごちゃしていても視界に入らないため、気にしなくて済んでいます」

 

デザイン別・色別に収納して、物量を見極める

ロッカーの中には、大量の服がしまわれています。社会人と専門学校生になる娘ふたりと同じサイズで、服はすべて共有です。

大坂さん:
「洋服屋ですから、毎シーズン新しい服を買いますし、よっぽどボロボロになったり、もう何年も着ていないという服以外は、ほとんど手放しません。

効率的に収納するため、しわになりにくい服は畳むようにしています。オフシーズンの服は大きなかごに入れて、衣替えしています」

オーバーオール、デニム、カラーパンツ、プルオーバー、カーディガンとデザイン別に分け、さらに色別に分けます。

大坂さん:
「服を毎シーズン何着も買うので、こうしておけば『もうデニムは買わないぞ』とか『もう緑のセーターは持っている』など、ぱっと見ただけでわかりやすいです」

もともと備え付けだったクローゼットには、スカートやしわになりやすいパンツ、シャツを、デザイン別、色別に収納。

ハンガーはトップスは『無印良品』、パンツは『マワハンガー』を使っています。

大坂さん:
「パンツが2枚かけられるハンガーも使っていましたが、服がたくさんある場合は、下にかかっているパンツが見づらいので、1枚ずつかけるタイプのハンガーのほうが使いやすいと思います」

このクローゼット、棚板が2枚あるのかと思いきや、下段は100円ショップで購入した突っ張り棒を3本渡し、棚板代わりにしていました。

デッドスペースをとことんなくし、収納量をアップする工夫はすぐ真似できそうです。

 

狭いキッチンには、奥行きの浅い棚

この家に決めたときに、狭さがもっともネックだったというキッチン。

大坂さん:
「ひとりしか入れないですし、収納も少なかったのですが、古道具屋さんでここに置ける奥行きの浅い棚をようやく見つけて、収納スペースが確保できました。

棚には大きな器やせいろなどのよく使う調理道具、テーブルクロスなどをしまっています」

よく使う食器類は、リビングのキャビネットに入れています。

大坂さん:
「お茶碗もお椀も銘々皿も、いまは家族ひとりにつき1枚ずつしかなく、もっとほしいんですが、がまんしています。そのかわり、年に1回『アスティエ・ド・ヴィラット』の器を買うのを楽しみにしています」

 

ベランダをリビングのように使う

全体の平米数を考えると、広く感じるのがベランダです。ジャスミンやレモン、オリーブ、クレマチスといった鉢植えと、アメリカの古いキッズチェアとテーブルが置かれ、秘密基地のような雰囲気です。

暖かい季節は、ここでよくごはんを食べるそう。

大坂さん:
「ベランダも、この家に住みたいと思ったポイントでした。ビルの壁に面しているので、むこうにいる人と目が合うこともなく、気にならないのもいいな、と。

もちろん、もっと広ければ最高ですし、本当はハンモックを置いたりしたいけれど、十分満足しています」

『IKEA』の屋外用のキャビネットを置いて、ガーデニング用品や、キッチンに置き場所がない調理道具、ご主人の趣味のそば打ち道具などを入れています。

 

スペースを活かす工夫で、パリのアパルトマンのように

1LDKに家族4人で暮らしてきたと聞いたときには、「一体どうやって?」と思いましたが、ダイニングテーブルは諦め、ちゃぶ台代わりの丸テーブルにしたり、収納スペースを確保するため、高さを生かしたり、家具を上手に選んだり。

そんなさまざまな工夫を拝見して納得しました。

いずれはやってくる夫婦ふたり暮らしが、楽しみだという大坂さん。そうしたら気兼ねなく友人を家に招けるから、と言います。

パリのアパルトマンのように、コンパクトな家で、お金をかけなくても素敵に暮らすためのインテリアアドバイザーのようなことをしたいという夢もあるそう。

まずは私の家からお願いします、と頼んだら、「いいね!やろう、やろう!」と朗らかに答えてくれました。

(おわり)

【写真】メグミ


もくじ

 

大坂 友紀子

東京都生まれ。服飾の専門学校を卒業後、インポートのセレクトショップで事務職に就いた後、美容院に従事。結婚・出産を経て専業主婦時代の2005年に「代官山honoré」をオープン。2006年に「havane」に店名を改め、2009年に参宮橋に移転。フランスものを中心とした洋服や小物のセレクトに定評がある。店内にカフェスペースも設け、月に数度のイベント開催も。

インスタグラム @havane_yoyogi
ウェブサイト http://havanejp.com

 


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