【かろやかDIY】前編:賃貸でもOK。リビングを自分らしく楽しむ工夫って? インテリアスタイリスト岩佐さん宅を訪ねて
編集スタッフ 松田
雑誌のページやSNSのタイムラインを眺めていると、目にとまる素敵なインテリア。
自分の部屋も好みの空間にしたいと思うけれど、「でも我が家は賃貸だから無理かな」と諦めたり、間取りにぴったりの家具が見つからず気持ちがしょんぼりしてしまったり。
でもすぐに諦めずとも、ほんの少しの工夫とアイデアがあれば、自分らしい空間づくりやインテリアはもっと気軽に楽しめるのかもしれません。
そんなことを教えてくれたのは、インテリアスタイリストの岩佐 知布由(いわさ ちふゆ)さん。
ご自宅のインテリアにはもちろん、プロのセンスのよさが光りますが、実はお部屋のあちこちに、賃貸暮らしでもすぐに真似できる工夫が散りばめられてるんです。
日々暮らす中で見つけた不便や「こうだったらいいのにな」を、ちょっとしたプチDIYで楽しく解決しているという岩佐さん。今回はご自宅にお邪魔し、岩佐さんが実践しているさまざまな工夫やインテリアの遊びをみせていただきました。
窓から舞い込む風が、気持ちの良いこの季節。休みの日は、かろやかに楽しめるプチDIYにトライしてみませんか?
リビングの壁に
自分好みのコーナーをつくる
リビングに入ってすぐ目にとまる、こちらのコーナー。自分のお気に入りの雑貨をディスプレイする飾り棚って、憧れがありますよね。
実はこの白い飾り棚、岩佐さんご自身で作ったものなのだそう。なんとなく賃貸の壁だと、棚自体を取り付けるのが難しいのでは……?というイメージがありましたが、「意外と簡単なんです。およそ半日もあれば、自分の好きなかたちで作れちゃいますよ」と岩佐さん。
▲小ぶりな花瓶や器、お香スタンドが素敵にディスプレイされている飾り棚。半円にしたことで、リビングの導線にあっても角がぶつからず、ほどよい存在感。サイズは長さ50cm × 奥行き最大15.5cm
▲壁への取り付けは「石膏ボード用のピン」で。左右合わせて4つのピンを使用
岩佐さん:
「石膏ボード用のピンを使えば、穴も目立たないので、賃貸でも壁に取り付けられます。わたしがつかったものは耐荷重が5kgなので、小さな雑貨を飾るための棚であれば強度も十分。
木の板は、ホームセンターのカットサービスを利用すると楽です。好きな形とサイズにカットしてもらったら、気になる表面をヤスリがけします。そのあとペンキで塗装して、裏面にドリルドライバーでL字金具を打ち、最後に石膏ボード用のピンで壁につけたら完成です」
▲使ったアイテム:好みの木の板(ホームセンター等のカットサービスを利用すると便利)/ペンキと刷毛(お好みで)/ヤスリ/L字金具とネジ/ドリルドライバー/石膏ボード用のピン
岩佐さん:
「ドリルドライバーは、ひとつ持っておくと便利な道具です。扱いもそんなに難しくありません。ネジの溝に合うサイズのビットを選ぶようにしましょう。
リビングの一角にあるこの小さな本棚も、ホームセンターで木材をカットしてもらい、ドリルドライバーでDIYしました。部屋のかたちが変わっていて、普通の本棚が置けずスペースがもったいないなぁと思っていたので、それなら自分で作っちゃえと思って」
▲ラワン材の板と、柱にした丸棒どちらもホームセンターで購入したもの
岩佐さん:
「この本棚もホームセンターへ行く時間も合わせて、半日ぐらいで制作できましたよ」
お気に入りの布は
クリップで挟んで壁に
▲ぬくもりを感じる民藝品が好きという岩佐さん。壁に飾っていたのは、クバ族の草ビロード
棚の上には、素敵な布が飾られていました。岩佐さんの工夫は、クリップではさんで、虫ピンに引っ掛けるという方法。
岩佐さん:
「お気に入りのテキスタイルは棚やテーブルに敷いても素敵ですが、リビングや玄関の壁に絵画のように飾っても。専用のタペストリーバーがなくても、クリップで引っ掛けるように飾れば、布を傷めずにディスプレイできます。
フレームが無くて、穴を開けたくないポスターにも応用できますよ」
壁にミラーをかけて
部屋に奥行き感を
リビングの奥には、壁掛けミラーが。この場所にかけてあるのには、ある理由がありました。
岩佐さん:
「ここは部屋の行き止まりの壁なのですが、鏡があることで、さらに奥に空間があるように見せられるかなと思ってかけています。コンパクトなリビングなので、少しでも広く感じられたらいいなと思って。
手前に観葉植物があるのですが、そのグリーンが鏡に映り込んで癒し効果も。インテリアのアクセントになっています」
▲取り付けは、石膏ボード用のフックで/ミラーはインテリアショップ ihållande(イホランデ)で購入したもの
ライトの位置も
石膏ボード用フックで自由に
岩佐さんが、リビングのあらゆる場所で上手に活用していた石膏ボード用のピンやフック。ペンダントライトの位置を調整するのにも活躍していました。
岩佐さん:
「賃貸マンションだと、吊り下げたい位置に照明の引っ掛けシーリングや配線がないことが多いですよね。
ダイニングテーブルの真上の位置に吊るしたかったので、ペンダントのコードを長くして、石膏ボード用のフックを使って引っ掛けています」
▲天井につけていたのはセミトライアングル型の石膏ボード用フック。※耐荷重はよく確認するようにしてください
岩佐さん:
「天井にしっかり固定できて、跡が目立たないので便利です。
ある程度の重さにも耐えられるので、同じように天井からプラントポットで植物を下げたいときにも、この石膏ボード用のフックが使えますよ」
お話を伺っているうちに、「自分の部屋のあのスペースも、この方法ならもう少し素敵にできるかも」となんだかワクワクしてきました。
後編では、キッチンや洗面所まわりのインテリアの工夫について伺います。
【写真】滝沢育絵
もくじ
岩佐 知布由
インテリアスタイリスト。インテリアデザインを学んだのち、会社員やアパレル販売等を経て、フリーのインテリアスタイリストに師事。2018年に独立し、雑誌、広告、カタログなどでインテリアや雑貨、暮らしに関わること全般のスタイリングや、ショップのディスプレイ、住宅などの空間コーディネートを行う。
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