【お家さっぱり化計画】第2話:お風呂と洗濯槽は、いかに湿気を逃す? 藤原家おすすめの掃除法

編集スタッフ 糸井

住生活ジャーナリスト、ライターの藤原千秋(ふじわら・ちあき)さんに監修していただきながら、梅雨の時期におすすめの掃除をお届けしています。

第2話は浴室編。水やお湯をたくさん使う浴室内は、放っておくと湿気の温床に。梅雨こそ気をつけたい場所です、と藤原さんが真っ先に指摘した場所でもあります。

中でも梅雨時期に多く発生するのが「ピンク汚れ」と呼ばれているもののよう。また、洗濯槽の掃除方法についてもお聞きしましたよ。

これまでの記事はこちらから

 

お風呂で気持ちよく過ごすために

藤原さん:
「ピンク汚れを見かけたことはありませんか? ヌメリのあるあの汚れ、巷では『赤カビ』と呼ばれることもありますが、実はあれ、カビじゃないんです。正体は、石鹸カスや皮脂汚れ、水分のある環境で繁殖する細菌の一種で。

それが何を意味するかというと、カビよりも繁殖スピードが非常に早く、また生命力も強いということなんです」

たしかに、ピンク汚れがちょっと出始めたかな、と思っていると翌日には目に見えるかたちで増えていたことも……。では、どんな掃除方法がベストなのでしょうか?

藤原さん:
「ピンク汚れの掃除や予防に、我が家のお風呂掃除は『バスマジックリン SUPER CLEAN(スーパークリーン)』が大活躍中で、おすすめです。

洗剤を控えたいという方は、掃除用のスチームクリーナーを使って熱を加えるという方法も有効ですね」

▲使用前は特に塗布面を濡らさず、洗剤を適量吹きかけ、スポンジ等を使って泡を行き渡らせたら、5分ほど放置したら、水でしっかり洗い流すだけ。

藤原さん:
「ピンク汚れやカビ、石鹸カスによる汚れが特に付きやすいのは、腰の高さから床にかけてなので、そこを重点的に掃除してみてください。この部分を日々意識して掃除するだけでも、結果が全く異なってきます」

水分がカビや細菌のエサになってしまうことから、日々お風呂に入った後の湿気を逃がすことも欠かせませんね、と藤原さん。

藤原さん:
「戸建てのお家などで、浴室に窓が付いている場合には、換気扇はお風呂上がりのみ回し、昼間は換気扇を止め、窓を開けて換気しているという方も多いとおもいます。

ですが集合住宅などの窓のないお風呂の場合も、戸建ての場合も、梅雨時の換気扇は24時間つけたままにしておきましょう。浴室全体の乾燥を早めるには、意外かもしれませんがドアは閉めておいたほうが換気扇の効果が高まります。

洗面所に湿気がこもってしまった場合には、浴室ドアを開け、換気扇をつけた浴室に向けてサーキュレーターを回しておくというのもひとつの手ですね」

湿気を日々逃がす習慣をつけて、この梅雨はカビ防止を図りましょう。

 

洗濯機も、湿気の温床?

続いては洗濯機。常に水気がある洗濯機の内部こそ、梅雨の時期にぜひ気にかけてほしい場所とのこと。

藤原さん:
「洗濯機の中も湿気がこもりやすい場所です。常に開けておくことが望ましいですね*

あとは簡単な対策でいうと、使ったタオルや脱いだ服をそのまますぐに洗濯機に入れるのではなく、洗う直前までは洗濯カゴに保管するのも大切。これだけで洗濯槽内のカビ対策になりますよ」

さらに梅雨時に、チェックポイントに入れてほしいのが洗剤投入口と、洗濯槽の掃除のようです。まずは洗剤投入口について教えていただきます。

*小さなお子さんがいる家庭は、安全のため閉めた状態でチャイルドロックすることを優先してくださいね。

藤原さん:
「それでは、実際に洗剤投入口の掃除をしてみましょう。お風呂掃除で使っている洗剤が中性洗剤の場合、それを使えば大丈夫です。

投入口を取り出して全体に洗剤を吹きかけたら、綺麗な歯ブラシでこすりましょう。特に柔軟剤は黒カビの餌になるので、柔軟剤を入れるところは要注意ですね」

ここで使う歯ブラシはぜひ使い古していないものを使ってください、と藤原さん。つい使い古した歯ブラシを使ってしまいますが、古くなった歯ブラシには口内細菌が付着していることも多く、排水溝などの掃除以外には、掃除用の歯ブラシを1本用意するのがおすすめのようです。

 

洗濯槽のメンテンナスで、良いことづくし

藤原さん:
「目の届かない洗濯槽の裏などは、うっかりカビが生えていることもしょっちゅう。特にお子さんのいる家庭だと、溜まる汚れの種類が豊富です。

習慣的に洗濯槽クリーナーを使うことをおすすめしていますが、カビがより発生しやすい梅雨や夏の間は、月に1回の頻度で使用できると尚いいですね。

たとえば洗濯機を回したのはいいけれど、干すのが遅れて3〜4時間ほど、洗濯物を洗濯槽のなかに放置してしまうことってありませんか?

そんなときでも洗濯槽が綺麗だと、洗濯物にニオイが生まれる速度も遅くなり、『洗い直し』をしないでもセーフな状態を作れるんです」

ではどんな洗濯槽クリーナーを選べばいいのでしょう? 実は、縦型洗濯機とドラム式ではおすすめの洗濯槽クリーナーが違うようですよ。

藤原さん:
「縦型洗濯機には、シャボン玉石けんから出ているような『過炭酸ナトリウム』が主成分のものがおすすめ。こちらは泡立ちがとても良く、石鹸カスが原因のカビを落としやすいものになっています。

しかしこれはドラム式にはおすすめしません。理由としては泡が立ちすぎると、ドラム式では運転が止まることがあるからです。ドラム式には、洗濯槽カビキラーのように主成分が『次亜塩素酸ナトリウム』のものがいいですね。こちらは、黒カビを落とす効果に優れています。

それぞれ得意技の方向性が違って面白いですよね。縦型洗濯機の場合は両方使えるので、2ヶ月に1度くらい、使い分けるのもおすすめですよ」

▲左が、次亜塩素酸ナトリウムを主成分としたもの。使用後に塩素のニオイが気になる場合は、もう一度空洗いをするのがおすすめですよ。

ちなみに、こちらだけでは落とせない頑固なカビや汚れの場合は、各洗濯機メーカーが出している、大きなボトルに入った専用剤がおすすめとのこと。藤原さん宅では3年に1度ほど使っているそうですよ。

***

以上が、梅雨にこそおすすめな掃除・浴室編でした。いかに湿気を日々逃し、市販の製品で汚れを効率的にかつ簡単に落とすことがコツなのですね。

さて。続く第3話では、実は湿気の温床になりがちだという寝室の掃除方法をお届けします。

 

(つづく)

【写真】鍵岡龍門

 

もくじ

 

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藤原千秋

住まいや家事のライター&アドバイザー。大手住宅メーカー営業職を経て主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆する。現在はライティングの傍ら関連の企画広告商品開発アドバイザリー等多様な業務に携わっている。プライベートでは三児の母。著書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など。


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