【気分のいい大掃除】第1話:掃除はスポーツ感覚で。床掃除を集中的にやっています(田中ナオミさん)

編集スタッフ 岡本

12月ももう半ば。今年のうちに済ませたいことに思い巡らせると、どうしても頭に浮かんでくるのが「大掃除」というワードです。

長いお休みにむけて仕事を調整したり、親戚の集まりのために準備をしたり、普段より忙しい時期だから。わが家にとってのやるべき掃除を見極めて、部屋も心もスッキリできたら嬉しいですよね。

無理なく大掃除を乗り切るためにすてきなあの人はどうしているんだろうと気になって、今回3名のご自宅へ取材に行ってきました。

共通していたのは、力の入れどころを絞っていたこと。

3人それぞれに「ここがきれいだと、いい気分になれる」という、自分にとっての掃除のツボをよく知っているようでした。そのための小さな工夫や愛用している道具などについても、聞いてみましたよ。

 

じつは、大掃除ってあまりやりません。

まず第1話でご紹介するのは、住宅設計者の田中ナオミさんです。聞くと、年末の大掃除はやらないことが多いのだそう。

田中さん:
「冬は寒くて、水を触るのも窓を開けるのも億劫に感じますよね。なので、換気扇や水回りの掃除は秋晴れの日を狙って早めに済ませることが多いです。

大晦日や元旦をそれほど意識していなくて、365日あるうちの普通の1日という感覚。新年を迎えると何かの節目のように思うけれど、私は今の暮らしが楽しくてこのまま続いたらいいなと思っているから、普段と違うことはしないんです。だから年末にやる掃除もいつも通り」

田中さん:
「私はいつも掃除はスポーツだと思っているんですけど、そうすると心持ちが違いますよ。

拭き掃除で手を上げたときに筋が伸びたり、雑巾を絞るときに適度な負荷がかかったりね。掃除をしようって始めるんじゃなくて、部屋もきれいにするついでに体も動かせるって思うといいことづくしで嬉しいなって思えますよね」

 

夫婦は気付くところが違うから

革小物職人の夫と二人暮らしの田中さん。掃除機をかけるのは週に一度で、旦那さんの担当なのだとか。

田中さん:
「私は週末にスポーツクラブに行くのが習慣なんだけれど、行く前に部屋中の棚をハタキでささーっとして、ホコリを床に落としておくんです。

それで私が出かけている間に、夫が掃除機をかけるという流れがいつからか定着しました。

夫婦は気付くところが違うから、気付いた人が気付いたところをやるのが自然でいいかなと思っています」

夫が掃除をする場所については、やり方や仕上がりについて口を挟まないと決めているそう。お互いに関与しすぎず、信頼して任せる。掃除だけでなくすべての家事に共通する、円満な夫婦の役割分担のコツに感じました。

田中さん:
「毎日掃除するのは、トイレと台所ですね。

トイレはフタを拭くのと、シュシュっと洗剤をかけてざっと磨くくらいで2分もあれば終わるんじゃないかな。

台所は料理中に汚れたら熱いうちに拭くだけ。コンロもタイルも、こびりつく前にやればサッとなでるだけで取れますから。

トイレも台所も、毎日するのは使っていて気持ちいいと感じられる程度まで。さあ掃除するぞと隅々までやろうとしなくっていいんですよ。隅々までやるのは、やりたくなったときにやるのが一番です」

毎日の掃除については、掃除だと思っていないくらい些細な作業かもと話す田中さん。油汚れ用、トイレ用など、専用の洗剤を使うのもラクに済ますために心がけているのだとか。

たまにとことん掃除をして雑巾が真っ黒になったら潔く捨てるなど、面倒な気持ちを道具に助けてもらっているのが印象的でした。

 

毎月欠かさない、床の水性ワックス掛け

▲田中さんのよく使う掃除道具。上から時計回りに、ミーレの掃除機、床用の水性ワックス、フロアワイプ、ハタキ、メラミンスポンジ。

田中さん:
「気合を入れて掃除をするところというと、床でしょうか。毎週の掃除機に加えて、月に一回は水性ワックスがけをします。

わが家の床は木材なので、呼吸をして生きていることを感じるんです。湿気や温度で質感が変わったり、手入れをしないでいると心地悪くなったりね。

床がきれいだと私も元気でいられるので、つやっとできるととっても気分がいい。

月に一度、床の近くまで目線を下げて雑巾がけをすることで普段見えないところまで目が届くし、床がピカピカだと空気まできれいになる気がして好きな掃除ですね」

一方で、やらないと決めているのは窓の掃除。外側は雨風にお任せして、内側も年に一回拭くかどうかなのだそう。カーテンをかけていないので目にはつくけれど、そのままにしていても気にならないと話します。

田中さん
「暮らしていると汚れたり散らかったりするのは当たり前ですよね。だから完璧にきれいになんてならない、自分が気にならなくて清潔だったらいいって思っています。

窓がピカピカだと嬉しい人もいれば、さらっとした床が心地よいと感じる人もいる。

その家に住んでいる人が、きれいになっていい気分だなと思うところを掃除するだけで十分ですよ」

 

年越しの恒例行事は、夫婦での旅行

田中家の年末年始は、故郷である徳島を旅行するのが毎年恒例の過ごし方。夫婦で家を空けるため、年内のうちに家の中を整えておくのだそうです。

田中さん:
「地元の徳島には実家があって、その近くに住む友人たちと賑やかに過ごすのが楽しみのひとつ。

28日頃に出発して戻りは年明けなので、旅行へ行く前にカレンダーを掛け替えたり、小さな正月飾りを棚に置いたりしてでかけます。

その季節らしいことを暮らしに取り入れるのが好きだから、庭のローズマリーでクリスマスリースを作ることもありますね。今年もたぶん、大根を干したり味噌を仕込んだりしながら冬を過ごすんじゃないかな。

その合間でちょこっと掃除をしたり床を磨いたりして、今の暮らしを気持ちよく続けていきたいです」

頑張るところと頑張らないところがハッキリと分かれていて、なんとも潔い田中さんの大掃除。「いい気分になるところだけ掃除をすればいい」という言葉の響きと田中さんの笑顔をお土産に、さっぱりとした気持ちでご自宅を後にしました。

続く第2話は、ソーイング教室を営む井田ちかこさんが登場します。

(つづく)

【写真】木村文平


もくじ

 

田中ナオミ

1963年大阪府生まれ、1965年より幼少期から高校卒業までを徳島県にて過ごす。1999年に「田中ナオミアトリエ一級建築士事務所」を設立。現在は東京を拠点に、住宅設計を行っている。著書は『がんばりすぎない家事の時短図鑑』(エクスナレッジ)など。HPはこちら http://nt-lab.na.coocan.jp/

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