【訪ねたい部屋】02:ソファは置かない。部屋づくりのモットーは、広々した空間で寛ぐこと
編集スタッフ 藤波
特集「訪ねたい部屋」は、自分にフィットするインテリアを楽しんでいる方に家づくりのヒントを伺う企画。
都心から電車で20分、1LDKの賃貸アパートに夫婦で暮らす、 “ヒゲさん” と “わたしさん” を訪ねています。
第1話では、10数年のロンドン生活や帰国後の家探しについて聞きました。
第2話では、リビングを中心に部屋づくりのモットーについて詳しく伺います。
空間を味わうための、部屋づくり
玄関を入ってすぐのリビング。メゾネットタイプで2階があるので、賃貸では珍しい吹き抜けの天井になっています。
わたしさん
「この広々とした空間は、家を選んだ一番の決め手ですね。コロナ禍ではリビングにビニールを敷いて私のアトリエ代わりになっていたこともあります。その後自転車で行ける距離に二人でシェアアトリエを借りたので、またリラックスできる空間に。
前に住んでいた家では大きなソファがあったので、サイドテーブルにお茶を用意して、ごろっとしながら映画を見たりしていました。
良さをよく知っているからこそずっと憧れはあるのですが……ダイニングに続く空間を区切ってしまうのが勿体無くて、『無印良品』の体にフィットするクッションを置いています。
クッションカバーは好みの色と素材のものが見つけられなかったので、コーヒーの出し殻で布を染めて、自分で作りました」
家具は、「低め」を選んでいます
空間を活かすことを優先しているからこその家具選びの視点。
言われてみると、高さのあるリビングスペースにも関わらず、背の高い家具がひとつも置いてありません。
ヒゲさん
「雑誌などで見かける壁一面の本棚にも憧れるのですが、我が家の場合はせっかくの吹き抜けを区切って圧を感じてしまいそうなので……。
広々した空間を楽しむため、窓より高い家具はなるべく置かないことにしました。たくさんある本はりんご箱を組み合わせて収納する形にひとまず落ち着いています。
りんご箱だと模様替えの時に組み替えるのも簡単だし、空いたところにグリーンやオブジェを飾れるし、多少本が増えてもなんとかなるのも気に入ってます」
こちらは、旅の思い出や友人のアート作品など、小さなオブジェが集められた腰の高さほどの棚です。
わたしさん
「実はこの棚、益子陶器市で見かけてなんとなく買った天板を、シューラックに乗せているだけなんです。この天板は陶器を乾かすためのものだそうで。自作した簡易的なものですが、偶然の出会いがいい味を出してくれました。
気分で配置換えをしながらアップデートしている我が家ですが、ここにある小物は概ね定位置になっています」
スペースがあるとついつい大きな家具を選んでしまいそうだけれど、広さを味わいたいから高さのあるものは置かない……潔い判断の積み重ねが、思い切り天井を見上げてくつろげる空間を作ったのだと分かりました。
グリーンとの出会いは、実は最近
お部屋を見渡すと、あちこちにぶら下がったり、オブジェのように佇んだり、様々な表情を見せている観葉植物たち。リビングの主役とも言える存在感があります。
わたしさん
「これまで植物はそこまで身近な存在ではなかったのですが、この家への入居を機に義実家からウンベラータとセロームを分けていただいたんです。そこで『これは大切に育てなきゃ!』と、熱が入りましたね。
あと元々コウモリランのビジュアルが大好きで、日本に帰国した時、こんなに色んなところにある!手に入れられる!と嬉しくなってしまって。それもまた植物熱を加速させました。
実際に育ててみると、よく見かけるコウモリランの品種は育てやすく、ぽこぽこと子株が育っていくのが楽しくて仕方ないです。この家にあるものは、ほとんどここで株分けして増えたものなんですよ」
▲ヒゲさんのご実家からやって来たウンベラータ。もうすぐ4年、すくすく育っています
大きな鉢植えの水やりはベランダで、コウモリランはたっぷり水を溜めたバケツにドボン。夏場には、植物の世話に数時間かけてしまうこともあるのだとか。
その甲斐あってか、部屋にあるどの植物もとても健康そう。
植物の存在が、赤い階段を部屋に馴染ませるのに一役買っているそうです。
洋服好きの、収納問題
リビングとダイニングの間にある赤い階段を登った先は、三角屋根のメゾネット。こちらが寝室兼洋服や小物の収納スペースになっています。
1LDKの賃貸と聞くと、気になるのは収納問題。特に、ヒゲさんは大の洋服好きなのだそう。
ヒゲさん
「備え付けの大きめのクローゼットがあるのはありがたかったです。とはいえ洋服が好きなので、増えていってしまうんです。時々収納方法を見直すのですが、基本姿勢としては『好きなものならばあってよし』と思っています」
わたしさん
「収納スペースがだんだん足りなくなってきたので、『無印良品』のパルプボードボックスを縦にして2つ並べ、白い天板で橋渡しするようにして簡単な棚を作りました。
同じく『無印良品』のラタンと布製の収納ボックスには、季節の小物などをしまっています」
わたしさん
「彼の洋服はどんどん増えていますが、好きだから、こればっかりは仕方ないですよね。
私自身は、物作りに携わるようになってから、あまり服を買わないようになりました。我慢しているわけではないのですが、なんとなく夫婦でバランスが取れているのかもしれません」
部屋づくりの過程でも、家を選ぶ決め手となった「広い空間を活かすこと」が全くブレていないことが印象的でした。
深く考えずに便利そうなアイテムをあれこれ買っては、だんだん家が狭く感じてきた私。まずはどういう空間で過ごしたいか、改めて考えてみようと思いました。
続く第3話では、家具やもの選びについて詳しく伺います。
【写真】メグミ
もくじ
ヒゲとわたし
デザイナー夫婦のふたり暮らしの日常をSNSなどで発信中。YouTubeは@hige_to_watashi、Instagramは@204_apartmentから。
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