【クラシコムのしごと】きっかけはオフィスで流した音楽から。暮らしの「脇役」みたいなプレイリストづくり
編集スタッフ 藤波
当店で働くスタッフの現場をお届けしている不定期連載「クラシコムのしごと」。
今回は、プレイリストチームに話を聞きました。
当店では、「わたしの朝習慣」「夜ふかしのおとも」など、生活のシーンで聴きたいオリジナルのプレイリストを音楽配信サービスSpotifyとApple Musicで公開しています。
2020年から開始し、今年の2月にはSpotifyの総合フォロワー数が10万人を突破しました。
お客さまからもどんな人が曲をセレクトしているんだろう?という声があり、今回担当スタッフに詳しく話を聞くことになりました。
プレイリストは、普段は読みものを担当している編集スタッフ2名で制作しています。左から、
野村(のむら)
プレイリストの作成をメインで担当。J-Popから電子音楽、洋楽ロック、ジャズまで幅広く好き。今年のフジロックで楽しみなのはザ・ストロークスとLizzo。特に気に入っているプレイリストは「夜ふかしのおとも」。
津田(つだ)
立ち上げ時からディレクションを担当。小学生の頃からスピッツのファン、最近好きなアーティストはステラ・ドネリー、奇妙礼太郎、Summer Eyeなど。特に気に入っているプレイリストは「わたしの朝習慣」。
はじまりは、「オフィスで流してみたら」の一言
そもそも、どうしてプレイリストの企画がはじまったのでしょうか。
野村:
「入社してすぐ、オフィスで仕事をしているといつもBGMが流れていることに気がついたんです。
小学生の頃から家族で車移動をする際に『フォレスト・ガンプ』など映画のサントラが流れていて、中学ではBUMP OF CHICKENにハマり、大学ではラジオサークルで色んなジャンルの音楽を知って……ずっと音楽に親しんできました。
好きが高じて自分でプレイリストを作ったりもしていたので、そのことを人事との面談で話したとき『オフィス用のものを作って流してみたら?』と言われたのがはじまりです。
いい音楽を流していると、ちょっとだけいい気分で仕事ができるなあと前から思っていて。入社したばかりだけれど、そういう気持ちの部分のお手伝いができるのは単純に嬉しかったです」
津田:
「代表の青木が当時『サブミッションメディア』に注目していたので、社内用としてだけでなくぜひ会社としてプレイリストの配信に取り組んでみようという話になり、そこから本格的に企画がはじまりました。
暮らしのどんなシーンに音楽があったら嬉しいか? 当店らしいプレイリストってどんなものか?、メンバーで話し合ったり、社内でアンケートをとったりして少しずつイメージを固めていったのを覚えています。
あくまで主役は生活で、それに寄り添うようなプレイリストを作れたらいいねという思いが、だんだんとみんなの共通認識になっていったように思います」
ヒントにしたのは「香り」?
野村:
「これまでに配信したテーマは、『20時のおつかれさま』『わたしの朝習慣』『洗濯と、音楽と。』『わたしの好きな音楽』など8つ。
テーマを選ぶ際には、当店オリジナル商品のロールオンコロンのページを参考にイメージを膨らませました。
他にも、当時配信していたメルマガエッセイや当店YouTubeの『モーニングルーティン わたしの朝習慣』などにネーミングのヒントをもらいながら、その時間帯にどんな気持ちになったら嬉しいかに焦点をあて、少しずつテーマを絞っていきました」
野村:
「例えば、ロールオンコロンの『ゆるめたいときに』という香りは、つまりリラックスしたいとき、だったら音楽でも『20時のお疲れさま』というテーマがあったら同じように落ち着いた気持ちになれるかな、というふうです。
暮らしの中で楽しむ音楽って、きっと香りと似ていて、絶対に必要なわけではないかもしれないけれどあったら心がゆるまるような、気持ちを作るようなものかなと気が付きました」
読みものを作るみたいに
いちプレイリストのファンとして気になっていたのが、膨大にある音楽の中からどのように作っているのかということ。どうやら普段の業務とも通ずる部分があるようです。
野村:
「『わたしの好きな音楽』だと、スタッフへのアンケートで集まったおすすめ曲を100曲以上入れたリストを最初に作ります。
『朝習慣』や『夜ふかし』など他のテーマの場合は、普段からテーマ別に気になる音楽をストックしているので、そこから選ぶことが多いです。
できたリストを何日かかけて通して聴いて、心地よく聴けるバランスを探りながら少しずつ曲を間引いて、最終的に1時間半~2時間になるようにしています。長すぎても聴ききれないし、短すぎても物足りない。そのちょうどいい塩梅がこのくらいのボリュームかなと思っていて。
個人的にこの作業は楽しくて好きです。記事を書く時も、最初に情報を全部詰め込んでから間引いていくタイプなので、編集的な目線と似ている感覚があるかもしれません」
津田:
「プレイリストで難しいなと思っているのが、どうしたらお客さまと繋がれるのかなというところ。今話題の曲を採用するとか、ある世代なら広く知っている曲を入れておくとか、そういうことでもないのかなと逡巡しています。
『こういう世界観が好きです!』と全面に押し出したプレイリストの良さももちろんあるのですが、私たちがお届けしたいバランスは違うかもしれないなと考えていて。
BGMだからこそ、ちゃんと聴いていなくても耳心地がいいことがとても大切です」
津田:
「できあがったプレイリストをチェックするときは順番通りとシャッフルで2回は聴いて、テイストの違う曲が混じっていて急に変な感じがしないか、見知った曲が入ってびっくりしないかという点は見ています。
そういう視点は、たしかに普段原稿をチェックするときと似ていますね。
私は野村くんほど音楽に詳しくないので代替曲は提案できないけれど、リスナー目線で『ここが分からなかったよ』『ここもうちょっとこうだと嬉しいよ』と伝えられたらいいなと思っています」
生活の「脇役」になれたら
野村:
「僕自身、音楽をかけながら過ごす時間がすごく好きなんです。
夜更かしするときはいつも家のあかりを落として、何もせずぼーっとします。そんなとき、ただただ聴いていて心地のいい音楽があると、より一層贅沢な時間に感じる気がして。
休日の朝起きて掃除をしようと思ったとき、自分にスイッチを入れるのも音楽です。そういう暮らしのささやかなアクセントのように個人的に楽しんでいたことを、お客さまと一緒に楽しめたらという思いはずっとありますね。
これからも、お客さまの、そして自分の生活を想像しながら、暮らしの隣にそっとあるものをお届けできたら嬉しいです」
津田:
「『一緒に楽しめたら』という気持ちが根っこにあるからこそ、お客さまとゆるやかに繋がるプレイリストに仕上がっていて、そこが良さなのかもしれませんね。
お客さまの生活が主役だから、プレイリストはあくまで脇役。
じわじわ、しみじみ美味しいお出汁のように、これからも楽しんでいただけたら幸せです」
私自身も当店のプレイリストを通して、音楽をかけるだけで何気ない生活のシーンをちょっといい気分で過ごせることを知りました。
記事を書くときと同じようにお客さんの暮らしを想像して一つ一つチューニングしながら作っているからこそ、居心地のよさがあるのかもしれません。
気になった方はこの機会にぜひ当店のプレイリストを聴いてみてくださいね。
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【写真】メグミ(10枚目)
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