【私のワンルーム】第1話:まっさらな空間が自分の城になるまで。8.3畳の1Kに好きを集めた部屋を訪ねました

編集スタッフ 藤波

インテリアは大好きなのだけれど、だからこそ理想がどんどんふくらんで、今の自分の暮らしに物足りなさを感じてしまうことがあります。

賃貸の小さなこの部屋をもっと好きになれたらいいのにな……と思ったときに浮かんだのが、当店の記事「お出かけ前の身支度は」に登場した部屋でした。

好きなものが並んだ空間は1Kとは思えないくらい心地良さそうで「賃貸でも、コンパクトでも、こんな風に暮らせるんだ!」と、少しの希望が湧いたことを思い出したのです。

そんな素敵な部屋に住んでいるのは、衣装製作の仕事をしている遠藤美南(えんどう みなみ)さん。一人暮らしのワンルームを訪ね、部屋づくりのヒントをたくさん伺ってきました。

 

この部屋がはじめての一人暮らしなんです

都心のターミナル駅から電車で数分ながら、公園や商店街があるどこか落ち着く街。白を基調としたすっきりとした雰囲気のワンルームに遠藤さんは住んでいます。

3年半ほど住んでいるこの部屋が、はじめての一人暮らしだそうです。

遠藤さん:
「部屋探しを始めたのは、ちょうどコロナが流行り始めた頃でした。当時はここまで長引くとは予想できなかったので、もう少しタイミングが遅かったら今でも実家に暮らしていたかもしれません。

分からないことだらけだったのですが、はじめてだからこそ、都会すぎず実家がある下町のような雰囲気の場所がいいなあとは思っていて。家賃も都心よりは控えめですしね。

あとは、職場とよく利用する手芸用品店へのアクセスの良さも重視して探しました」

▲写真を登録するとチェキ風にして送ってくれるサービスで、お気に入りを印刷してみたそう

遠藤さん:
「他にも、友人から『オートロック』『浴室乾燥』『24時間ゴミ捨てOK』が揃っていると暮らしやすいよと教えてもらって。

条件を絞って内見した中でこの部屋を選んだのは、全体的に白くてすっきりとした雰囲気で、マイナスに感じる要素がなかったことでした。洗面台や壁など簡単に変えられない部分がいい意味で個性がなくて、インテリアの邪魔をしなさそうと思ったんです。

木製の家具を置きたかったこともあり木目が際立つシンプルな内装を選んだのですが、それもあってインテリアを楽しむ余白がある気がしています」

遠藤さん:
「とはいえ全部良かったわけではなくて、はじめはこの白っぽい床は違和感がありました。

自分でフロアタイルを貼ろうかと思っていたのですが……ラグを敷いたりしていたらだんだん馴染んでいって。気がつけばこのまま3年以上経っていましたね」

家探しではいつも、他の物件にはないいい部分を見つけようとしていた気がします。

「マイナスに感じる部分がない」というのは、長く部屋を好きでいるために案外大切なキーワードかもしれません。

 

最初に買ったのは、大きなサイドボード

▲サイドボードはユーズド家具専門のオンラインショップ『Rocca』で購入

部屋を見渡すと一際目を惹く、美しい佇まいのサイドボード。ワンルームではあまり見かけないサイズ感ですが、しっくりと部屋に馴染んでいます。

遠藤さん:
「自分の部屋を持てると思ったとき、絶対置きたかったのがこのサイドボードなんですよ。

引っ越した当時はシンプルなホワイトインテリアをよく雑誌で見かけて、この部屋だったらそういう方向性もありかな?とよぎったりもしたのですが、昔からミッドセンチュリーの雰囲気が好きだったので古いものを活かした部屋にしたくて。

住んでいる人の好きなものがぎゅっと集まった海外のアパートやホテルのような空間に憧れがあったので、やっぱりこれだけは置こうと決め、ネットでユーズドのものをたくさん探しました。一般的なサイドボードよりひと回り小さいサイズ感や、全て引き出しになっているデザインが気に入って、イギリスの『Meredew』のものに決めました」

遠藤さん:
「ただ、この部屋は築年数も浅く、白が基調のどちらかというと無機質な空間なので、全部が全部古いものだと違和感が出てきてしまう気がしたんですよね。

これがもしヴィンテージマンションだったら、古いものばかり集めてもちゃんと馴染んでくれると思うのですが。

そこで、姿見はフリマサイトで見つけたレトロな雰囲気の金属製、サイドテーブルはガラスとアイアンの組み合わせ、TV台はシンプルなつくりの木製…と、素材や年代にばらつきをもたせるようにしました。

新しいものを入れつつ、古いものもありつつという全体のバランスは、部屋づくりをはじめてからずっと意識していることかもしれません」

 

お気に入りを少しずつ。1年かけた家具選び

▲フリマサイトで見つけたお気に入りの万年カレンダー

サイドボードからはじまった部屋づくりですが、その後はどのように進めていったのでしょうか。

遠藤さん:
「サイドボードの次はベッドを購入して、ソファを購入して、他の家具もその都度悩みながら決めていったので、ひと通りの家具が揃うのに1年くらいかかりました。

30歳を過ぎてから一人暮らしをはじめたこともあり、とりあえずで揃えるのではなく、どうせ買うなら長く使えるいいものをと悩む余裕があったのは、今思えばよかったです」

遠藤さん:
「衣装制作の仕事をしているので手を動かすことが好きで、既製品で見つけられなかったものは自分で手作りしたこともあります。

カーテンは、代官山にある『ジャンヌ・バレ』というショップで買ったヴィンテージシーツから作りました。

レースカーテンも同じく『ジャンヌ・バレ』で買ったもので、クリップをつけて吊るしただけ。繊細で甘すぎない花柄がかわいいんです」

 

コンパクトだからこそ、思い立ったら模様替え

いつも遠藤さんのSNSを拝見しながら感じていたのが、その時々によって家具の配置がガラッと違うことでした。

遠藤さん:
「たぶん単純に模様替えが好きなんですよね。決まったサイクルがあるわけではないけれど、だいたい3〜4ヶ月に一回はしているかも。

なんとなく飽きてきたなあというときにするのですが、模様替えって気分の切り替えにもなるのでいいですよ。

大きな家具を動かすので、部屋の隅々まで掃除ができて、そのタイミングでいるものといらないものを見極めて。模様替えをすると気持ちまですっきりします」

遠藤さん:
「少し前までは、姿見の隣の今テレビを置いている位置にサイドボードを置いていました。ソファとサイドテーブルのセットは窓側を向いていましたね。

ベッドの位置も、今は窓際ですがリビングに入ってすぐにあったこともあります。コンパクトな部屋だけど、だからこそ気軽に模様替えができて、ちょっとずつ気分を変えられるのが楽しいです。

大きな家具の脚には100円ショップで購入したフェルトシールを貼っているので、床を傷つけることなく1人でも楽々動かせます」

▲壁付けの棚は何年か前に『Flying Tiger Copenhagen』で購入したもの

遠藤さん:
「季節の花を飾ることも、一人暮らしをはじめてから日々の小さな気分転換になっています。小さな変化だけれど、いつもの景色が新鮮にうつる気がするんです。

あとは棚の上の飾りは日頃からちょこちょこと配置換えしていて、それだけでも少し違った気持ちになれますよ」

部屋探しから、部屋づくりの軸にしたサイドボードのこと。堅実な情報は一人暮らしをする前に知りたかったなあと思うことばかりでした。

今の部屋を好きな気持ちを新鮮に保つために、まずは私も棚の上の小さな模様替えから挑戦してみたいです。

続く第2話では、コンパクトな部屋で心地よく過ごすための工夫について伺います。

(つづく)

【写真】メグミ


もくじ

profile_futura_lineblack

遠藤美南

都内在住。フリーランスで舞台や映像、広告の衣装製作を行う。インスタグラムでは、ワンルームでインテリアを楽しむ様子を発信。感度の高い物選びの視点が多くの人の心を掴んでいる。@mnmii___


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