【おおらかなインテリア】第2話:子ども部屋も、今だけではなく「長く付き合う」つもりで作る
ライター 瀬谷薫子
片づけや収納と無理なく向き合いながら、心地よい住まいに暮らしていきたい。今回はインテリアスタイリストの大谷優依さんに、「おおらかなインテリア」をテーマにお話を聞いています。
1話目では「暮らしはスタイリングできないものばかり」と話す大谷さんが、片付けと向き合うために意識しているポイントを伺いました。2話目は子どもアイテムの収納をテーマに、実践している工夫について聞きます。
おもちゃに洋服、オムツ。子どものものはすべてリビングに
▲中央左の子ども用収納棚は、momo naturalのキッズブランド「PIENI KOTI」で購入
夫婦の持ち物は各自の部屋で管理して、リビングには置かないようにしている大谷家。
なのでリビングはキッズスペースと決め、おもちゃから洋服、オムツなどの衛生用品まで子どものものすべてをこの一角におさめています。
大谷さん:
「2歳の娘はまだいろいろなものに興味を持つ年頃。だから一緒に過ごすリビングには、娘の服やおもちゃなど、彼女が触っていいものだけを置くことにしています。
子どものものが一箇所にまとまっているのは動線としても効率的ですし、仕事道具や危険なものなど、触られちゃいけないものを気に掛ける心の負担がなくなって、私たちもよりリラックスして過ごせるようになりました」
わが家ではリビング=仕事部屋なので、子どもにうっかりパソコンを触られてハラハラした経験が。そんなリスクを最初から排除しておくことは、物理的なだけでなく、気持ちの面でもメリットがありそうです。
そんなキッズスペースを兼ねた大谷家のリビングには、子どもにとって心地よい空間と、大人が見ても素敵と思える空間を両立する工夫がありました。
IKEAのボックスは「キッズアイテム収納」に便利
大谷さん:
「この夏にオーダーメイドで作っていただいた『MOBLEY WORKS』の棚には、娘の衣類を収納しています。中央開きの扉は娘が自分で開けたがるので、開けてすぐ手がのびる中央部分には娘の服を。
娘があまり興味を示さない左右の棚には、電気コードや日用品のストックなど細々したものを入れています」
大谷さん:
「収納容器に使ったのは、『IKEA』の竹編みのボックス。
『IKEA』の収納は、竹やラタン、コルクなどの素材が個人的におすすめです。価格が手頃で見た目も良く、細々した物が多い子どもグッズの収納には重宝します。
ボックスはふたと本体をそれぞれ収納箱に活用していて、浅いふた部分には衛生用品や電源コードなどの細かなものを入れています」
子どもが喜ぶ、カラフルなおもちゃ。そんなアイテムの収納にも、IKEAのボックスが活躍します。
大谷さん:
「100円均一のおもちゃや、キャラクターものなど、祖母や祖父がプレゼントしてくれるものはどれも娘のお気に入りです。ただ、インテリアの要素としては強い見た目のものもありますよね。
IKEAのフェルト素材の収納ボックスは、外からの目隠しになるので、そんなおもちゃの収納に最適です。かつ、やわらかい素材なので出し入れしても家具を傷つけないところも気に入っています」
子どものお絵描きを、素敵に飾るヒント
リビングのところどころに飾られた絵は、どれも娘さんが描いたもの。インテリアのアクセントになっています。
大谷さん:
「仕事で使う『ラシャ』という大きな背景紙を、娘のお絵かき帳代わりにしています。床に敷いて思う存分描いてもはみ出す心配がないので安心です。
ラシャの紙はくすんだピンクなど色のバリエーションも幅広く、ここに絵の具で絵を描くと、ただの画用紙とはまた違う雰囲気のある見た目に。額装してもさまになります」
▲キャンバス地の画材は、フライングタイガーで購入。プチプラなので気軽に描ける
大谷さん:
「子どもにしか描けない絵は、色合いも魅力的でおもしろいですよね。この棚にはグリーンに合うものが置きたかったので、グリーン系色の絵の具5つだけを渡して描いてもらいました(笑)。
そうやって、娘の絵を中心にインテリアを組み立てていくのも、今だけの楽しみです」
子ども用の家具は、価格と見た目のバランスに悩みました
ぬいぐるみやブロックなど、細々したおもちゃはすべて「ファティーコンテナーズ」の収納箱に。おもちゃがたっぷりおさまり、蓋をすれば目隠しになります。
写真奥にある家具は「アルテック」。大人用のサイドテーブルを子ども用のテーブル代わりに。椅子は今の年齢で座るには少し高かったので、足をカットして使っています。
子ども用の家具は、どこまでお金を払うのかが悩みどころですが、大谷さんが大事にしているのは「妥協しない」ことだといいます。
大谷さん:
「多少値が張っても、将来的に長く使えるならば、良いものを選びたいと考えています。たとえばこの収納箱は、スツールとしても使えるので、将来は別の使い方ができることが購入の決め手になりました」
大谷さん:
「椅子は一番の悩みどころで、子どもの成長に合わせて高さが変えられるものが理想でした。けれどそうすると気に入ったデザインのものが少なくて………最終的には、中古で状態のよい椅子を2脚買い、年齢に応じて2段階に使えるよう足を切りました」
ものは、買うよりも手放すことにエネルギーが要るから
必要に迫られ、つい急いで買ってしまいがちな子どもの家具も、じっくりと時間をかけて探している大谷さん。そのもの選びの姿勢には、やはりスタイリストらしさを感じます。
大谷さん:
「私にとって、ものは手にいれるより手放すことの方にエネルギーが要るんです。だから一度迎えたものは、ずっと大切にしていきたくて、気軽に買うのではなく本当に長く付き合えるものだけを選びたいと思っています。
子どものものは、今だけしか使わないことも多いですよね。でも、できるなら役割が終わっても大切にしたい気持ちは変わりません。もしくは誰かにお譲りすることがあっても、引き継いでもらえるように、その日まで大切に使っていきたい。
なので今だけの買い物と思わず、その先を見越して選ぶことが、私にとっては大切です」
もちろんお金には限りがあるので、子どもが生まれてからはフリマサイトも活用するように。新品だけではなく中古品もとりいれて、メリハリも大事にしているそう。
それでも、自分の中にあるインテリアの軸は、子育てをしながらも変わらず持ち続けていきたいとお話していました。
いずれ使わなくなるものだからと、つい適当に選んで、見た目をあきらめてしまいがちだった子ども部屋のインテリア。けれど「長く大切にする」という視点で選ぶこともできるのだと、お話を伺ったことで気づきました。
つづく第3話は、大谷さんの好きなものが詰まったキッチンを拝見します。
【写真】清永洋
もくじ
大谷 優依
雑誌と書籍のエディトリアルデザイナーを経て、2012年インテリアスタイリストとして独立。 ライフスタイル誌を中心に、雑貨、インテリアや空間イメージのスタイリングを担当。 企業ブランドのカタログ、広告、空間演出なども手がける。Instagram:@otaniyui
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