【暮らしのみずうみ – 松本便り】第23話:料理に向かう原動力はなんですか?
ライター 桒原さやか
カフェやレストランに行くと、ついつい気になってしまうことがあります。
たとえば、こんなことです。
あらかじめテーブルにお皿がセッティングしてあったら、お客さんのところに毎回持っていかなくていいのにな、とか。
ここのお店には、全体に目が届いて、指揮者みたいにあちこち指示するひとが必要なんじゃないかなあ、とか。
どうやったらもっとうまくお店が回るのか? 店内のあちこちを見渡し、目を光らせてしまうのです。もうクセみたいになっています。
お客さんがひっきりなしに出入りするようなお店に行くと、「働くならこんなお店がいいなぁ」と思うのです。くるくると頭と体をフル回転させながら一日走りきれたら、どんなに達成感があるでしょうか……! 想像するだけで爽快な気分になります。
ちなみに、この「気になる」は毎日の家事にも影響しています。前日に朝食で使うコップやお皿、スプーンをお盆にセットしておいたり。お茶パックをひとつひとつ切り離しておいたり。
ちょっと準備しておくと、後がラクになる。そう思えたら、自然と体がサカサカと動くのです。
最近息子が幼稚園に入り、毎日のリズムがちょっと変わってきました。そこで、新しく加わった習慣は、子どもたちが帰ってくるまでに料理の下ごしらえを進めておくこと。野菜やお肉はカットして味付けまでしておき、帰宅したら温めるだけ、焼くだけにしておきます。
後がラクと思うだけで、気の持ちようも違うよう。大変そうだから……と今まで手を出さなかった揚げ物やオーブン料理まで、レシピの幅を広げています。
夫と子どもたちがお風呂に入っている間に、料理をあたためて食卓の準備をし、お風呂上がりのホカホカの体で、流れるように夕飯の時間へ。これがカチッとパズルのようにキレイにはまるときの、達成感ったらありません。
ここ数年、夫は中国料理にどっぷりはまっていまして、暇さえあれば料理番組を見て、レシピ本を必死に読み込んでいます。くわしい作り方が知りたいからという理由で、中国語まで勉強しているよう。
単純に「好き」「楽しい」が料理に向かう原動力になっているんだなと思うと、ちょっと羨ましくなります。
さて、今日の夕飯はミートクリームドリアの予定。
もうすでに、味付けまでしてあるので、あとはオーブンに入れて焼くだけ。初挑戦のレシピで、子どもたちの反応が今から楽しみなのです。
桒原さやか
ライター・エッセイスト。岐阜県出身。『北欧、暮らしの道具店』で、お客さま係として6年間働いていたスタッフ。退職後、ノルウェーにある北極圏の街、トロムソに住んでいた。現在は長野県松本市でスウェーデン人の夫と2歳と4歳の子どもの4人暮らし。
著書は2023年4月に発売の「北欧の日常、自分の暮らし- 居心地のいい場所は自分でつくる -」(ワニブックス)。その他、「北欧で見つけた気持ちが軽くなる暮らし」(ワニブックス)、「家族が笑顔になる北欧流の暮らし方」(オレンジページ)がある。
instagram:@kuwabarasayaka
撮影:清水美由紀
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