【特集|店長佐藤の、暮らしとしごと】第3話:キッチン編
編集スタッフ 田中
聞き手・文 スタッフ田中、撮影 鍵岡龍門
5日間の連載で、当店店長・佐藤に密着。
「暮らしとしごと」としてお宅訪問し、暮らしを楽しくする当店のアイテム使いや、仕事に対する思いなど、日々のヒトコマを紐解いた特集です。
キッチン編:「自分の部屋」みたいな場所なんです。
今日は佐藤宅のキッチンで起こる日々のあれこれをお届けしていきます。
キッチンは独立タイプで、ダイニングから見ると、四角い穴の向こう側に見える「小部屋」のよう。
家族で共有する場所が多いので、ここだけは唯一個室の気分を味わえると嬉しそうに話していました。
佐藤:
「ここでご飯を作ったりしていると意外にも考えごとに集中できるんです。
素の自分に戻れる場所でもあるけれど、ここで仕事のヒントが浮かぶことが一番多いかもしれません」
そんなキッチンで私の目にとまったのが一見ここで活躍しなさそうなスピーカー。
佐藤:
「皆さんそうだと思うのですが、仕事から帰ると座る間もなくすぐに夕飯作りに取りかかります。
その時に活躍するのが、音楽。iPhoneアプリで好きな音楽をかけてこのスピーカーから流すと家モードのスイッチにスッと切り替えられるんです」
みなさんにも仕事と日常のオンオフを切り替える、自分なりの方法があるのかなとふと自分のことも振り返っていました。
食器棚事情。
(食器棚:那須のSHOZOで購入、棚:無印良品スチールユニットシェルフ)
私にとって他所の家のキッチンは、とっても気になる場所で、その中でも”食器棚”はじーっと眺めていたくなります。
それは、棚の中にその人の好みが詰まっているからかもしれません。
佐藤:
「この食器棚、実は引っ越しを3回も経験しています。最初の家ではサイズ優先で選んだのですが、次の団地の家には和の雰囲気があったのでなじんでくれて。
だけど、いまの家は本当に置いてみるまで合うかどうかがわかりませんでした。案外ストンとなじんでくれてホッとしています(笑)」
棚のなかには、北欧や和の器がさまざまに混ざっており、「日々つかう食器がほぼ収まっている」という食器棚。
お店で取り扱っているものや、佐藤が開店当初、北欧に買い付けに行ったとき購入したヴィンテージのものもあるのだそう。
佐藤:
「夫の海外出張についていって、初めてヴィンテージの食器に触れて本当にわくわくしました。そこがお店の出発点でもあります」
並べられたカップ&ソーサーにも食器棚にも思い出がつまっていました。
壁をかざって、自分を癒してます。
(壁掛け式のスプーンラック:古道具店、木製の長押:無印良品・壁に付けられる家具)
佐藤:
「食器棚の隣はスチール製のラックです。素材が違うものが横並びしているので、双方をひとつの空間に馴染ませる意味で壁には味わいのある木製のものを飾っています」
コーヒーミル用のブラシを下げてるのはアンティークのスプーンなどを飾るためのラック。
古道具店で出合った時、この壁に掛けようとすぐにイメージしたそう。
壁に並ぶものもどれも毎日使うものばかり。食器棚の隣に空いた壁にちょこちょこ飾ることでも、気持ちが満たされているようでした。
お皿あつめに見る、好みの変化。
先ほどの食器棚のなかには、佐藤のここ数年の変化が写しだされていました。
佐藤:
「最近花柄が好きになってきました。自分でも不思議なんですが抵抗がなくなってきた気がします。
今も変わらず北欧のかっこいいデザインやヴィンテージのものも大好きだけれど、和洋問わず乙女なものにも吸いよせられていってます(笑)」
暮らしの中から見つけるアイテム。
キッチンでは、当店で取扱っているものをよく見かけました。
人気アイテムである西本良太さんのコーヒーフィルターホルダーは佐藤が実際に購入して使い、「実用的!見た目もいい!」と販売にむけてご本人へ交渉させていただいたもの。
北欧を飛び越えて、商品をご紹介するようになってから、いつか自分のお店に加えていきたいという好奇心もあって、自分が率先して使ってみることも多くなったと言います。
佐藤:
「特にキッチンアイテムは、使い勝手も伝えたいので、実際に自分で使ってみるというプロセスを大事にしています」
(奥の焼き網:辻和金網、カトラリーやツールいれ:古道具店)
スタッフの暮らしにも興味津々。
ちょっぴり生活感のある場面ですがご紹介したいキッチンでのヒトコマがあるんです。
佐藤:
「実は私100円ショップが大好きで、行くとついつい買い物していたんですが、あるときスタッフから『100円ショップは目的をもって行かないとダメですよ!買う物のサイズも計らないと!』って言われて。
ハッと目から鱗が落ちるとともに俄然やる気が出てきて整頓しました。
吊るすラック、そこに入るケースのサイズをきっちり計ってから購入して並べたら気持ちいいのなんのって」
上のエピソードでもわかるように佐藤はお店を統括する立場でありつつ、一緒にはたらくスタッフたちの暮らしや感性にも興味津々で、良いアイデアには飛びついて影響を受けています。
その片鱗は、暮らしの至るところにあって台所事情にも。
佐藤:
「instagram*でスタッフが夜ご飯をアップしたりしてると、翌朝すぐレシピを聞いてしまっています」
たしかにその場面、よく見ます(笑)
いくつになっても『あ、いいな』と思った事に手を伸ばせる身軽さでありたいという姿勢はお店の風土をも作っているのかもな〜と改めて感じました。
*instagram…写真投稿共有サービス
キッチンから見える景色が、日を追うごとに変わってきました。
ここまでお届けした、佐藤宅のキッチン。いかがでしたが?
「自分の小部屋」と呼ぶほどなので、やはり佐藤らしい色が出ている場所であり、そして仕事にも影響している場所でしたね。
最後に、キッチンからの一枚です。実はここから見える四角い窓のような景色から、家族をみるのが好きなんだそう。
毎日毎日、生活をともにする家族とはいいことの共有ばかりではありませんよね。そんな家族を少し冷静に見られるのが、ここだと言います。
佐藤:
「向こう側に息子が横切る姿を見て身長が伸びたなあとか、まったくお口が一丁前になったねえとか、そういう変化が切り取られて見えて、私にとっては冷静さを取り戻すための小窓みたいなものかもしれません(笑)」
さて、次回は子ども部屋と寝室編です。
収納術や便利に感じている暮らしの日用品をお届けします!
(つづく)
【店長宅でみつけた暮らしの道具】
① HARIO/ケトル、プラストリベット/鍋敷き② FILT/ネットバッグ(ストライプ)DANSK/バターウォーマー/白セラミック焼き網③ (棚の中央)イリス/テーブルブラシセット(棚の奥)トナカイのコースター④ 西本良太さん/コーヒーペーパーホルダー⑤ 増山文さん/湯のみ、角皿、5寸皿⑥ REDECKER/コーヒーミルブラシ北欧の木工品/カフェスコップ⑦ マーチソンヒューム/食器用洗剤、フードセーフスプレー冷蔵庫横のキッチンタオル/リーノ・エ・リーナ⑧ ポーリッシュポタリー
もくじ
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