【夏の終わりに読みたい本】あの頃の空想ものがたりをもう一度・柏葉幸子「大おばさんの不思議なレシピ」
編集スタッフ 田中
文・写真 スタッフ田中
「夏の終わりに読みたい本」と題して三冊の本のおすすめをしています。
今日は2冊目、児童文学を選んでみました。ぜひお楽しみください。
あの頃の空想ものがたりをもう一度
柏葉幸子著「大おばさんの不思議なレシピ」
Story:中学一年生の美奈は、家庭科の授業、お料理、お裁縫が苦手なぶきっちょさん。それを克服しようとお母さんに出してもらったのが大おばさんのレシピ。古いノートに丁寧に書かれたそれは、ただのレシピではありませんでした。不思議の世界へワープする4つの冒険が描かれています。
この本のミドコロ
どんな不思議な出来事も
受け入れられそうだったあの頃。
小学校高学年くらいが対象年齢で、わたしが読んだのもこの頃でした。この年齢の女の子は、ピュアな部分をまだ持っている子どもだけれど、大人たちに近づいていく兆しを感じるような、不思議な年頃ですよね。
このお話の良いところは、ファンタジーだけれど、現実っぽさのあるところ。当時リアルな現実世界がすべてではなくて「もしかしたら何か起こるかもしれない」という不思議な出来事も受け入れられそうな純真な?子でした(笑)。
そんなあの頃の気持ちを思い出させてくれます。
本が教えてくれる、生き方のイロハ
どのエピソードも良いですが、なかでも「魔女のパック」が好きです。
不思議の世界にワープした美奈が出会ったのは、よくあるイメージとはぜんぜん違う魔女。ふっくらした体に、つやのある赤毛、家事も大好き、きれい好き、食べるのも好きな彼女は、あることに悩んでいました。
「わたし、魔女失格じゃないかってずうっと思っていたのよ。」
(大おばさんの不思議なレシピ、柏葉幸子、 p.64)
自分がなりたい何か、理想の誰か、追い求める気持ちはあるものの「本当にそれでいいの?」「いやいや、まだ半人前。そんなワガママ言ってちゃだめ!」「でも何だか違うような気がする」そんな心の問答が聞こえてくるようでした。
結末は、本を読んだ方へのお楽しみにしておきましょう。
スタッフ田中の「読んだあとに」
「魔女のパック」を作ってしまいました!
久しぶりにこの本を読み返したわたしは、何かを作りたくなってしまい、上でもお気に入りの「魔女のパック」ならぬ「クレープ」を作りました。
物語のなかでは、ある役目をはたす重要なパックなんですが、私たちはおやつとして美味しく食べました♪
バナナと生クリーム、アーモンドスライスの上にたらりとかけるチョコソース!小さな頃の大好きな組合せでした。
▲キウイやオレンジと生クリームも美味しかったです!
そうそう、主人公の美奈は筋金いりの「ぶきっちょ」さんなんです。
どのレシピもちょっとだけ失敗していたり、それゆえに話がややこしくなることも。ちょっぴりお節介ともとれるんですけど、美奈らしさがそこにあるんです。
自分を卑下する気持ちに少し変化をもたらす不思議な世界での出来事。小さな女の子の気持ち、もう一度味わいましょう!
みなさんにも読み返して懐かしい本、ありますか?わたしは小さなころを思い出したり、その頃読んだのとはまた違う思いを胸に抱けるようでした。
次回は三冊目、夏の終わりを象徴する本をお届けします。どうぞお楽しみに。
今回ご紹介した本について
大おばさんの不思議なレシピ (偕成社文庫) 柏葉幸子 児島なおみ 偕成社 2014-07-02 |
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