【お出かけコラム】徹夜で盆踊り!岐阜県・郡上八幡の「郡上おどり」で420年の歴史を体感する旅
編集スタッフ 長谷川
文・写真 スタッフ長谷川
この写真、朝の4時半に撮ったものです。さて、早朝にこの人だかりの理由とは。
8月14日、15日と、岐阜県の郡上市八幡町(郡上八幡)に行ってきました。新幹線と電車を乗り継げば、東京から4時間ほどで着きます。
旅のお目当ては「郡上おどり」
郡上おどりは、夏の2ヶ月間に約30日も開催する盆踊りのお祭りで、420年近くの歴史があります。
僕が訪れた日は「徹夜おどり」という、お祭り中の特別な4日間にあたります。文字通りに夜20時から翌朝5時まで、老若男女が徹夜で盆踊りをし続けるのです。
地元の方たちだけでなく全国からファンが訪れ、参加者はこの4日間で20万人近くにおよぶのだとか。
クラシコムのある国立市の人口が7万人強。有名な夏の音楽フェス『FUJI ROCK FESTIVAL』の動員数が12万人弱だそうですから、その熱狂ぶりは想像もつきません。
昨年も参加した友人が言うには「1回行くと来年も行きたくなる」のだとか。ならば、体験してみましょう!
清流の城下町に浴衣の男女が大集合。
郡上八幡は城下町として発展しました。現在は国が定める保存地区にも指定されており、雰囲気はさながら小京都。平屋が続く町並みを歩いているだけでも気持ちの良いところです。
歩道のすぐ脇に川が流れる裏通りも。澄んだ空気に包まれています。
酒屋さんの軒先には、木桶に水で冷やしたトマトが売っていました。かぶりついたら、冷たすぎなく歯ざわりもよく、甘みがあってジューシー。「今夏ナンバーワンの冷やしトマト」の称号は郡上八幡に輝きました。
生歌、生演奏をバックに、踊り続けます。
郡上おどりの正装は、浴衣に手ぬぐい、そして歯が高めの「踊り下駄」。歯が高いのは、郡上八幡に伝わる盆踊りには地面を蹴る仕草があり、そのときに気持ちよく音を鳴らすためだそう。
盆踊りの会場は、町内で日替わり。僕が行ったときは交差点の中央に「やぐら」が立てられ、そこに三味線や太鼓を演奏する人、歌を唄う人が集っていました。そう、郡上おどりは「生音」なのです!
ちなみに、やぐらに掲げられた「春駒」はお囃子の名前。春駒は動きも大きく盛り上がるので、友人曰く「郡上おどりのキラーチューン」なんだとか。
お囃子は他にも「かわさき」「さわぎ」「まつさか」など全部で10曲。
深夜1時を過ぎても、この盛り上がり。お囃子は休む間もないほど続きます。演奏隊はクラブDJのごとく、踊り手の様子を見ながら次の演目を決めているのだそうです。
通りに前後2列になって、左に進む動作で踊ります。途中に折り返し地点があるので、交差点でぐるぐるとめぐり続けられるわけです。
踊りの多くは5つほどの動きを繰り返すので、見よう見まねでやっているうちに、自然と馴染めてきます。
疲れたら、名物を楽しみながら小休止。
盆踊りって、本気でやると思った以上に疲れます! 汗もにじむし、のども渇く。そうしたら、踊りの列から外れて、たくさんある出店へ繰り出します。
鶏肉を味噌や醤油などに漬け込んで焼く、郡上名物の「鶏ちゃん」を食べながら飲むビールは格別。清流でとれた鮎の塩焼きも逸品でした。
盆踊りして、出店で飲み食いして、盆踊りして、川で涼んで、盆踊りして……ひたすら続けていると、「盆踊りハイ」とでもいいましょうか、味わったことのない多幸感がこみ上げてくるのです。
ポップでかわいい、普段着にしたくなる下駄屋さん。
楽しみは郡上おどりだけでなく、グッとくるお店も発見しました。まちめぐりの時に吸い寄せられたのが、踊り下駄や手ぬぐいを販売する「郡上木履」さん。
店内にはたくさんの下駄や、色とりどりの鼻緒が並んでいます。
鼻緒は、伝統的な藍染めもよいのですが、郡上八幡で盛んなシルクスクリーンを活用し、ポップな柄を印刷したのもキュート。洋服にも合わせられそうな雰囲気がありました。
下駄は「メイドイン郡上」を信条に、郡上の山で育ったヒノキをつかって、木の削り出しから鼻緒すげまで、ひとつずつ手作りしているそう。
かわいいパターンの巾着もありました。こういうのを見るたびに僕の中の乙女要素が叫びだします。かわいい!
それにしても、行く前までは「盆踊りで徹夜なんて……」と思っておりましたが、すっかり考えが変わりました。これぞ元祖(?)日本の夏フェスではないかしら。
盆踊りのリズムって、なぜか体にしっくりきたんです。小さい頃にやっていたわけでもないのに……。郡上おどりの歴史を体感しながら、僕の遺伝子に刻まれた歴史にも想いを馳せる、良い小旅行となりました。
郡上木履
直営店:岐阜県郡上市八幡町橋本町908番地1-1
長良川鉄道越美南線・郡上八幡駅より徒歩18分
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