【コンディションづくり】写真家 馬場わかなさん編 第1話:育児と仕事と。暮らしを整える日々の習慣
編集スタッフ 津田
聞き手・文 スタッフ津田、写真 鍵岡龍門
馬場わかなさんに「コンディションの整え方」を聞いてきました。
秋が終わり、冬のはじまりへ。日ごとに涼しくなるなかで、季節の移ろいを感じる頃になりました。そんな季節の変わり目に、特集「わたしのコンディションづくり」をお届けします。
慌ただしくなる年末に向けてしっかりとコンディションを整えていきたい今の時期に、日々の暮らしに活かせる小さなヒントをお届けできればと思います。
今回「コンディションの整え方」についてお話を伺ったのは、フリーランスのカメラマンとして雑誌『天然生活』や料理本など多くの書籍で活躍される馬場わかなさん。
馬場さんには以前、当店の書籍『北欧、暮らしの道具店 しあわせ雑貨でつくる自分スタイル』でカメラマンをお願いしたことがありました。
料理や人物などを中心に、なにげない日常の風景をそのまま切りとったような馬場さんの雰囲気のある写真は、私たちも書籍でご一緒する前からずっと大ファン。雑誌や書籍を眺めていて、ふと「いいな」と目に留めた写真が馬場さんのものだった、ということは今でもよくあります。
そんな馬場さんもプライベートでは1歳10ヶ月になる男の子の母として奮闘する毎日だそう。
フリーランスとして精力的にお仕事をするかたわら、ご家族のコンディションにも気を配る。そのために馬場さんが「日々のコンデションづくり」で気にかけていらっしゃることを、伺ってきました。全3話でお届けします。
もくじ
仕事がある日の基本のスケジュール 。
まずは馬場さんの基本的な1日のスケジュールについて伺いました。
会社勤めではないので、普段はそんなにスケジュールを意識していないけど…と言いながら、教えてくださったのがこちらのもの。
——————–
5:30-6:30頃 起床
・メールチェックや残っている仕事の続き
・朝ごはんの支度(ごはんの残りがなければ炊く、あれば温め直す)
・お茶を沸かして保温ポットに入れておく
・出汁を切らしていたら多めにとって冷凍する
・夜ごはんの下準備(肉や魚に下味つけるなど)
8:00 家族そろって朝ごはん
8:50 夫が息子を保育園へ送る
9:00 仕事へ出発
10:00-17:30 撮影及びデータ作業
18:00-18:30 保育園へ息子のお迎え、夜ごはんを作る、洗濯機を回す
19:00 夜ごはん(夫が仕事で遅くなるときは母子で)、洗濯物を干す
20:00 お風呂に入る。息子と遊ぶ
22:00 就寝
——————–
どうやら馬場さんは、朝の時間にいろいろな家事を済ませているようです。
お茶を沸かしてポットに入れる。出汁を切らしていたら多めにとって冷凍する。肉や魚に下味を付けるなど夜ごはんの下準備をする。
特にこれら3つは、ほぼ毎朝繰り返している習慣だそう。それぞれが馬場さんのコンディションづくりにどのように繋がっているのでしょうか。
お茶を沸かす。
馬場さんが毎朝沸かしているお茶は「三年番茶(※)」。
数年前に通信講座で学んだマクロビオティックで、年中飲める常備茶として紹介されていたことがきっかけで知り、日々の暮らしに取り入れているそうです。
※三年番茶:一般的な緑茶で使われる新芽を摘んだあとの茶葉と茎を三年間熟成させて作られたお茶。カフェインやタンニンなどの刺激物質が抜けており、胃腸にやさしいと言われている。
馬場さん:
「3〜4年ほど前、吉祥寺でマクロビオティックの教室をしているオーガニックベース
その後、妊娠・出産・授乳期でカフェインを控えたいタイミングと重なったこともあり、カフェインが少ないと言われている三年番茶はいいなと。
何ごとも大ざっぱに済ませてしまう性格なので、せっかく勉強したのにほとんど実践してませんが、ところどころ参考にしてる感じで…。三年番茶は、どうやら自分に合っているみたい。
朝にたっぷりと沸かして一日中飲み続けても、あまり飲み疲れないこともあって続いているんだと思います」
出汁をとる。
大きな寸胴鍋で昆布とかつおぶしの合わせ出汁をとり、プラスチックの保存容器に小分けにして冷凍する。これはフリーランスのカメラマンとして駆け出しの頃、実家を離れて一人暮らしをはじめた時から続けている習慣だそうです。
馬場さん:
「実家の母がお鍋で出汁を取る背中を見て育ってきたので、わたしも同じようにしているのかなぁ。
美味しいごはんを食べたいから、本当は食事の支度のたびに出汁をとった方いいんだろうなと思うけど、それはさすがに難しいので作り置きしています」
市販の顆粒出汁も手軽に手に入れられるはず。仕事に育児に家のことにと目まぐるしいなかで、出汁をしっかり取るというのはなかなか大変なのでは、と思い込んでいた私。
でも「美味しいごはんを食べたい、家族にも食べさせたい」とすこしの手間を続けることが、ひょっとすると馬場さんにとっては「いいコンディションづくり」に繋がっているのかもしれません。
夜ごはんの準備をする。
肉や魚に下味をつけておく。おひたしを少し多めに作っておく。馬場さんは朝ごはんの準備をしながら、そんな風に夜ごはんの支度もしているのだそう。
馬場さん:
「午後6時すぎに保育園から帰ってきた息子は、お腹を空かせていることも多く、なるべく早く食事にできるように、朝にまとめて夜ごはんの支度もするようになりました。
息子はまだ小さいこともあって、母としっかり向き合うことを求めている気がするので、夜はなるべく家事を詰め込まずに親子の時間にしています。
でも、もちろん寝坊しちゃう日もありますよ〜。朝に余裕がないときはもうすっぱり諦めて、夕方にわーっと準備したりも」
夕方に息子を保育園に迎えにいってから寝るまでの時間は、馬場さんにとって、親子が向き合える貴重な時間。
だから、あくまで「できるときだけ」というスタンスで、ほんの少し家事を前倒しに。
そうすることで、自分もストレスなく子どもと向き合え、結果的に親子ともに良いコンディションを保てているようでした。
いい仕事をするためのコンディションづくり。
フリーランスのカメラマンとして様々な雑誌や書籍で活躍されている馬場さん。
その現場はひとつとして同じものはなく、自身のクリエイティブさも求められるなか、1歳10ヶ月のお子さんを育てながら自分も周りも納得できる「いい仕事」をするには、どんな工夫をされているのでしょうか。
仕事のコンディションを整えるためにしていることを聞いてみたら、馬場さんの答えは意外なものでした。
馬場さん:
「うーん……。意識的に何かをしているってことは、正直あまりないかもしれません。
仕事のときは仕事に集中して、家に帰ってきたら子どもと向き合う。切り替えているというよりは、切り替えざるをえないんですよね」
切り替えざるをえない。そう聞いて目からウロコが落ちました。
私は子育ては経験していませんが、家に帰っても仕事のことが頭を離れない自分のことを切り替えが下手だなぁと、なんだか人生を楽しめていないように感じてしまうことがあったのです。
でも仕事も育児も暮らしも、自分の人生の大切な一部。スイッチをオンオフするように、パチっと切り替えられないこともあるけど、なんとか前に進まなきゃいけない。
馬場さんのお話を伺っていると、そんな自分をあるがまま受け止めてあげることって意外と大切なんじゃないか、と思えてきます。
馬場さん:
「仕事と育児と。その”つなぎ”の時間になるのが、移動中の車を運転しているときです。仕事に行くときは、好きな音楽やラジオをかけてリラックス。
リラックスしつつもなんとなく仕事モードにうっすらとシフトしていき、現場に到着してから、集中力を高めます。光を見て、機材を準備して、いざシャッターを切る。カメラを構えてぐいっとギアを入れるようなイメージです。
仕事は共同作業なので、自分の『ぐっとくる感覚』を大事にしつつ、チームみんなが納得できるものが出来たときは、本当に嬉しいです」
一児の母でありながらカメラマンとして第一線で活躍されているからには、きっと何か「いいコンディションを保つ秘訣」があるに違いない。
そんな風に「正解」を求めていた自分がいたことに、馬場さんへ投げかけた質問の答えを聞きながら、はっと気がつきました。
自分の決めたルールに縛られすぎず、いま心地いいと思えることだけを続けていく。
「あまり段取りが得意じゃないし、寝坊することもあって出来ないことも多いし…」と笑顔で話す馬場さんのコンディションづくりは、とてもシンプルなものでした。
第2話では、そんな馬場さんが大好きな「食べること」についてお話を伺っていきたいと思います。
(つづく)
もくじ
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