【たゆたうふたり】後編:「自分が良ければいい」から「どうやったら伝わるだろう」へ。大人になるって、こういうことなのかな(石井 × 原田)
【ほしいものづくり、始めています】第2話:自信をもって紹介したいから、サンプルをたくさん作ります。
文・スタッフ長谷川、写真 クラシコム
この連載では、私たちクラシコムのオリジナルブランド「KURASHI&Trips PUBLISHING」を、スタッフの愛用レビューや制作チームの声をまとめて、あらためて紹介しています。
お客さまからのご好評や、「もっとこうだったら嬉しいのに」と率直なお言葉をいただきながら、クラシコムのスタッフはものづくりの楽しさと難しさを日々感じています。
それをいちばん体感しているのが、商品開発にかかわるデザイナーとバイヤーたち。
「バッグのカラーはどれがいいだろう」「このポケットはもう少し下につける?」など、テーブルに広げたサンプルたちを前に、ひとつの商品を作り上げるまでに何度も試作して、話しあいます。時には「値段はいくらがちょうどいいのか」を販売する前日まで議論する姿も……。
▲バイヤー松田(左)、デザイナー佐藤(中央)と。ご飯をつくって、ランチがてら話を。
サンプルをいくつも作る理由を、デザイナー佐藤は「良くないところをなくしていくためにはボツ案が必要だから」と言います。バイヤー松田も「そのほうがお客さまにも自信をもって紹介できます」と笑顔で答えてくれました。
連載第2回では、KURASHI&Trips PUBLISHINGの商品が生まれるまでのことを、デザイナー佐藤とバイヤー松田に聞きます。
オリジナルの良さは「納得したものだけ」を作れること。
商品開発のタネになるのは、日常の暮らしや、普段使っているものから得た「何か足りない」という気持ちです。
松田:
「お客さまへ新しい商品をお届けしようと、候補を2つ、3つと取り寄せてみるのですが、『ここがいまいち』と感じてしまって、しっくりくるものに出合えないことがあります。バッグなら、生地がもう少し薄くて、質感がくったりしていたら……みたいに。
仕入れだけでは解決しない問題をクリアできて、私たちが納得したものだけをお渡しできるのは、オリジナルブランドならではだと思います」
▲Vegie bag × KURASHI&Trips PUBLISHING/コラボトートバッグ (グレー)
納得するために、何度もサンプルを作ります。
その納得を得るために、「自分たちがこれなら欲しい」と思えるところまで、実際に物を触りながら作り上げていきます。
リトルプレス・フォルダーケースも、いまの形に落ち着くまで、あらゆるパターンを試しました。
Vegie bag × KURASHI&Trips PUBLISHINGのコラボトートバッグを作ったときには、ロゴのパターンをたくさん紙に印刷してバランスや位置を決めたり、実物サンプルで生地や色味の質感、持ち手の長さを調整したり。
佐藤:
「サンプルをたくさん作るのは、“ダメな部分”をちゃんと確認するためですね。完成形へ向かうときに、さらに良く思えてしまうような可能性をなくしておかないといけません。『このバッグってカーキ色のほうがかっこよかったんじゃない?』とか、『ロゴがもっと大きければよかった』とか、ならないように。『絶対にこれがいい!』って言い切るためにも、実物のサンプルで確かめるのが大事なんです」
プロの現場であればイメージや設計図で制作を進めていけることもあるでしょう。でも、KURASHI&Trips PUBLISHINGでは、サンプル制作に費用や時間が掛かっても、実物だけを見て判断をするようにしています。
バイヤーたちにはいつもの仕入れと同じく、展示会で目にした時のような気持ちで商品を選びとってほしいという想いも込められています。
「そんな『プロのような素人』の目線を忘れないのが、クラシコムらしいあり方かもしれないね」と佐藤は言います。
▲KURASHI&Trips PUBLISHING/オリジナルティッシュボックスケース(クラフト)
「本当にほしい気持ち」があるから、オススメできます。
サンプルを見て判断するとはいえ、迷ってしまうこともあります。そんな時は使っている自分をイメージして「言葉でうまく説明できないけれど、ほしい」と直感を信じ切ります。
松田:
「店長佐藤もコラムに書いていましたが、お客さまに感じてもらう気持ちと同じように、ちゃんと自分たちの『ほしい』が入っていないと、自信を持って紹介できませんし、いつか無理が出てきてしまうと思うんです」
佐藤:
「“本当にほしい気持ち”は、他と比較ができない、ものを選び取る決め手になりますよね。お客さまにKURASHI&Trips PUBLISHINGを手にとっていただくなら、『北欧、暮らしの道具店のスタッフや、当店のお客さまがほしいと思った』ことが、ひとつの決め手になればと考えています」
▲KURASHI&Trips PUBLISHING/カレンダー(2016)。イラストは小池ふみさん。
作るときも、選ぶときも、「ほしい」という気持ちをベースに。スタッフが「ほしい」と願ったもの、お客さまから「ほしい」と聞いたものを、KURASHI&Trips PUBLISHINGは作り続けています。
連載最終回となる第3回では、オリジナルブランドの名前の由来や、ものづくりなのに「PUBLISHING」という名前をつけた意味など、代表青木×店長佐藤の想いをお届けします。
▼KURASHI&Trips PUBLISHINGのアイテムはこちらより。
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