【ワードローブお買い物計画】第1話:たくさんの服の中から、自分にあった服選びをするコツ
編集スタッフ 田中
写真 鈴木公平
今日から、エッセイストの柳沢小実さんに聞いた、洋服のお買い物についての特集を4話連載でお届けします。
先月までは、お宅訪問特集ですてきなインテリアを見せていただきました。そのなかでも印象的だったのは、すっきりとしたクローゼット。
写真 田所瑞穂
いつもおしゃれなお洋服の柳沢さん、どうしてクローゼットはこんなにすっきりしているのだろう?と、ふとした疑問からこのお買い物計画をお聞きすることになりました。
柳沢さんが活用する「クローゼットダイアリー」って?
衝動買いだったり、似た色や形の服を何枚も買っていたり、買い物の失敗談はみなさんお持ちなのではないでしょうか。
けれど、いざ冷静に服を選ぼうとすると、毎年の流行は変わるし、たくさんの服があふれていて、今の自分にどうやって取り入れたらいものか….と頭を悩ませることもしばしば。
エッセイスト・柳沢小実さんのお買い物は、とても計画的でした。ずっと以前からつけている「クローゼットダイアリー」(下写真)を使って、今自分が持っている服やこれから購入したい服をリスト化しているのだそう。
柳沢さん:
「たくさんの洋服を購入するのも、流行りにすべてついていくこともなかなかできないと思うんです。それでクローゼット整理も兼ねて始めたのが、このダイアリーです」
今回は、2015年-2016年 秋冬シーズンの服について、どんなふうに計画をたてて買い物をしたのか、また実際によく着た服のコーディネートなども見せていただきました。
お話を聞いていくうち、かしこいお買い物のヒントがたくさんあって、すぐに真似したいことがありました。
お買い物計画は、シーズン前に始める!
柳沢さんのお買い物計画は、春夏と秋冬で分け、そのシーズンが始まる前からスタートしていると聞き、お店にふらっと入って買い物をしている自分と比べて驚いたんです。シーズンが始まる前の衣替えで必ずするのが、いま持っている服のチェックだそう。
たとえば秋冬が始まる時期の衣替えでチェックするポイントは2つ、
・春夏シーズンに着ていたものが、来年の春夏も着られそうか?
・去年の秋冬に着ていたものは、これからの秋冬にも着られるのか?
上の判断基準で処分するものと継続して着るものに分けるのだとか。つまり、ひとつのシーズンの服に対して二回チェックする機会があるんです。着倒してくたびれているもの、流行の形で来年は着られなさそう、これは来年も使えそう…と判断していくと、何がわかるのでしょう?
柳沢小実さん:
「何枚くらいの洋服を着ていたのか、また次のシーズンのお買い物で何を買い足せばいいのかがわかりますよ。
クローゼットダイアリーでは、そのシーズンにたくさん着たアイテムにイエローを、今シーズンに買ったアイテムにはピンクのマーカーをひいています。ここから自分のクセも読み取って、どんなアイテムがクローゼットにあればいいのかがわかるんです」
いま持っている服が定まったら、次はどんなアイテムを買い足そうか、イメージトレーニングしていくんだそうです。
あえてジャンルの違う雑誌を数冊、読んでみる
服のチェック後、さっそく次のシーズンに何を着たいか、何を足そうかを考えます。そのために用意するのはジャンルの違う雑誌を数冊、本など。
柳沢さん:
「ジャンルの異なる雑誌を数冊そろえ、情報としてどんな形や色が流行しているのか、おおまかに把握するためにパラパラと眺めています。
その上で、自分に取り入れるかいれないかはじっくり考えます。体型に合わないものを無理して取り入れる必要はないし、流行っているものすべてを取り入れるのは経済的にも難しいですよね」
自分の好きな雑誌だけでなく、自分のテイストとは違うかな…?という雑誌も手にとる理由、それはTPOにあわせたコーディネートを知るためでもあるそうです。
柳沢さん:
「私の仕事はフリーランスということもあって、TPOが変わる場面が多いんです。料理教室に行ったり、語学学校(中国語を勉強中だそう)へ行ったり、出版社の方と打ち合わせをしたりなど。
普段読まない雑誌は、そういうときの服の参考にもなります。靴とバッグの質感や素材で雰囲気が変わるんだとわかってきて、自分なりに調節していますよ」
「ファッションは、自分を楽しくするもの」という柳沢さん、雑誌から流行のアイテムや雰囲気が好きなコーディネートなどを切り抜き、クローゼットダイアリーに貼り付けて(上写真)、イメージをふくらませます。
こんなふうに、トレンドや服のアイテムから組み立てるのもいいのですが、たまには別の観点からも。
下の本2冊は、柳沢さんが憧れるおしゃれな二人の著書。「こんな生き方、暮し方、すてきだなあ」という観点から着こなしを考えるのもまた楽しいのだそうです。
左:安井かずみ著「おしゃれ泥棒」、右:加賀まりこ著「とんがって本気」
好みのちがう友人に、客観的な意見を聞こう
自分で自分を分析するのって、難しいと思います。だからこそ柳沢さんは周りのひとに意見を聞くことも大事にしているのだそう。
柳沢さん:
「全然テイストの違う服を着ている友人にあえて聞きます。そうすると思ってもみなかった答えが返ってきたりしますよ。『そのアドバイスを受け入れたら良くなりそう』と納得したら友人の言うように変えてみることもあります」
ご両親やご主人、家族にはもっとハッキリ「似合わない」と言われることもあるそうですが、正直な意見はありがたいもの。
反対に、褒められた服のかたちや、色、柄などを思い出してみるのもいいそうです。
そして「年代や立場で褒められる服は変わってくるから、そこは臨機応変に受け止めて、自分の着る服は最終的には自分で決めればいい」という柳沢さん。客観的な意見も尊重しつつ、の塩梅がすこしわかった気がしました。
柳沢さんが服選びのためにしていること
・衣替えの時期に、処分する服とこれからも着る服を分ける
・ジャンルの違う雑誌を数冊よんで流行などを知る
・なりたいイメージの切り抜きや欲しいアイテムをスクラップ
・服の好みが違う友人や家族に意見を聞く
・褒められた服の形や、色、柄などを思い出す
第1話は、自分にあう服選びのコツをお届けしました。次回は、いざお買い物!の前にいつもしていることを教わりましたよ。お店に行く前にぜひチェックしてみてくださいね。
もくじ
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