【わたしを満たす、名もなき料理】第3話:なにもない日も卵さえあれば。きほんの調理法とおいしい食べ方
台所に立つようになって20年以上、どこか正解がわからないいまま、料理にあまり自信が持てずにいます。
そんなとき出会ったのが料理家・瀬尾幸子さんの『これでいいのだ!瀬尾ごはん』というエッセイ。毎日のごはんは、手のかからない、名もなき料理でいい。自分がおいしいと思えるなら、ほっとできるなら、それでいいんです!と諭すような言葉の数々に、心が軽くなりました。
日々もっと気軽に、正解を気にせず、ただ自分を満たすご飯を作れるようになりたくて、瀬尾さんに全3話で食材の保存術や、手軽でおいしいレシピを教わっています。
第3話では、冷蔵庫に何もない日のお助け食材「卵」のきほん調理法とおいしい食べ合わせをお届けします。
たかが卵、されど卵。
きほんの調理法とおいしい食べ方
毎朝のように作る卵料理。「もっと美味しくできるのでは?」と思ってしまいます。シンプルな調理だからこそ、コツが肝心。今日は卵が大好きという瀬尾さんに、好きな調理法と食べ方を教わります。
①目玉焼き
作り方:
卵は小さな器に割り入れておく。フライパンをよく熱して油を敷く。卵を入れたら広がる白身を箸で整えて、ふたをせずに中火で焼く。白身がカリッとして黄身に気泡が1〜2つ浮かんだら火を止めれば半熟の目玉焼きの完成。
おいしい食べ方.01
「目玉焼きとキムチのっけごはん」
瀬尾さん:
「半熟の目玉焼きをホカホカごはんにのせて、キムチを添えたら、しょうゆをまわしかけて、黒コショウをたっぷり振って。黄身を崩しながらキムチとごはんと混ぜながらいただきます。
他にもウインナーやバターコーンや納豆を添えたり、目玉焼きにもみのりや粉チーズ、ラー油やコチュジャンを添えて味変を楽しむのもいいですね」
おいしい食べ方.02
「ベーコンエッグバーガー風」
瀬尾さん:
「目玉焼きと一緒にベーコンも焼いて、軽くトーストしたマフィンに挟んで、ケチャップとマヨネーズをかけたらハンバーガーみたいで食べ応えもあります。具材にレタスを加えて、ソースをマヨネーズとマスタードにしたらBLEマフィンにも。
マフィンに挟むときは、目玉焼きを両面焼きにすると、食べるときに黄味がポタポタ溢れないです」
おいしい食べ方.03
「目玉焼きの甘酢あんかけ」
▲甘酢あんは、水100cc、酢・砂糖・しょうゆ各大さじ1、片栗粉小さじ1と1/2。あらかじめ混ぜ合わせておきましょう
瀬尾さん:
「フライパンに油を熱し、卵を入れて白身が固まったら菜箸で端っこをつかんで半分に折ります。黄味が好みの固さになったら、混ぜあわせた調味料を加えてとろみがつけば出来上がりです。
ただの目玉焼きですが、甘酢あんをかけるだけでメインのおかずにもなるんです」
②卵焼き
▲上から時計回りにプレーン、ネギ入り、シャケ入りの卵焼き(それぞれ卵を2個ずつ使用)
瀬尾さん:
「卵1つにつき水を大さじ1加えると、冷めてもふわっと柔らかい卵焼きになります。出汁を入れなくても、水と塩で十分においしいので試してみてください」
「卵焼き器に油を熱したら、卵液の半量を流し入れてゆっくり混ぜて奥に寄せ、また油を敷きます」
「残りの卵液を流し入れて、内側にたたむように2回返せば完成です」
▲卵焼きに菜箸をさして返すとやりやすいそう
瀬尾さん:
「卵液を流したときに『ジュー!』と音がするくらい強めの火で、一気に焼き上げるのがおいしくなるコツです。自分で食べるのですから、少し焦げてもいいやくらいの気持ちで思い切りよく焼いてみてください。
ネギ入りは、先にネギを炒めてから卵液を流し込み同じように作ればOK。シャケ入りは、卵液を流し入れたあとにほぐしたシャケを散らして巻くだけで、作り方は同じです」
③オムレツ
瀬尾さん:
「卵2個に牛乳大さじ1、塩こしょう少々を入れたら、フライパンにバター大さじ1/2を入れて半分溶けたら卵液を流し入れます」
「ゆっくり混ぜて半熟になったら片側に寄せて、フライパンの縁のカーブを使って楕円形にまとめます」
「フライパンを返しながら皿にのせれば完成です」
瀬尾さん:
「オムレツも強火で一気に焼くとふわっと仕上がります。まずはバターだけで食べてみてください。
プレーンオムレツが上手にできるようになったら、ピザ用チーズを入れてチーズオムレツも作ってみましょう。バターライスに乗せたら立派な一品になります」
瀬尾さん:
「卵焼き器でオムレツを焼いて、食パンにはさめば食べごたえのあるオムレツサンドになりますよ」
瀬尾さん:
「食パンの内側に、マヨネーズとケチャップを混ぜたソースを塗るとおいしいです」
撮影では卵料理をたくさん作ってもらい試食もさせていただいたのですが、いくらでも食べられそうな勢いで卵料理をパクパクと頬張る自分にびっくり。瀬尾さんの卵愛あふれる料理に、卵の底力と奥深さを感じました。
後日、教わった通りに作ってみると、今まで自分がなんとなく作ってきた目玉焼きや卵焼きとは、あきらかに違うおいしさ! おいしい卵料理があるだけで、朝からほくほく幸せな気持ちになるものです。
よろしければぜひお試しくださいませ。
【写真】濱津和貴
もくじ

瀬尾幸子
料理研究家。手早く作れて、食べ飽きない料理を雑誌や書籍、テレビなどで提案。素材の持ち味をぐっと引き出すレシピが、幅広い世代に支持されている。近著に『おにぎりは味方です』(Gakken)、『60代、ひとり暮らし。瀬尾幸子さんのがんばらない食べ方』(世界文化社)ほか著書多数
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