【BRAND NOTE・minne編】第2話:好きを仕事にする、は楽じゃないから。やり甲斐を支えるアトリエへ。
「IID 世田谷ものづくり学校」の一角にあるminne(ミンネ)のアトリエは、一体どんな場所なのでしょう?作家同士での交流や販売のための勉強会を催すアトリエ運営者の和田さんにお話を聞きました。作家になりたい、続けたいという人々が集い、互いにサポートしあうリアルな場所がある強みに迫った第2話です。
編集スタッフ 二本柳
写真 砂原文
全3話でBRAND NOTE(ブランドノート)「minne(ミンネ)」編をお届けしています。
『minne』は、昔から手づくり市や雑貨が大好きだという阿部雅幸(あべ まさゆき)さんが立ち上げたハンドメイドマーケット。250万点以上もの作品が紹介されるサイトには、他では体験できない未知の出合いが待っています。
本日は、インターネット上のサービスでありながら、対面式に作家さんをサポートする場として創られた『minne』のアトリエと、そこで働くひとりの女性に話をお聞きしました。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で製作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
作家さんたちの学びの場?「minneのアトリエ」を訪れました。
渋谷の喧噪から離れた世田谷の街に、『minne』の作家さんたちが集う場があるらしい。
その噂を聞きつけて、この日わたしたちが向かったのは、ハンドメイド作品の展示や作家さんをサポートするために建てられたアトリエです。
2004年に廃校となった校舎を再活用し、さながら地元の小学校のように街の風景へ溶け込んだ「IID 世田谷ものづくり学校」に、そのアトリエはありました。
館内は一般開放。各教室は製造・デザインだけでなく、サービスの企画、製品プロデュースなど様々な分野で活躍するクリエイター・デザイナーの「仕事場」となっている。
「minneのアトリエ」内部には、作品の展示スペースと作業用のテーブル。勉強会などもここで開催されているそう。
インターネット上のサービスでありながら、“リアルな交流” の場を設けたこちらのアトリエでは、不定期で開催される作家さん向けの勉強会や、意見交換の場にもなっているお茶会などが催されています。
ここには常に『minne』のスタッフがおり、訪れる作家さんの個別相談にも対応。時には「いつも利用していて、来てみました!」と立ち寄ってくれる、作り手以外のお客様もいらっしゃるそうです。
作家さんが慕う、『minne』アトリエの管理人・和田真歩さん。
アトリエを運営しているのは、阿部さんも「作家さんにとっての良き理解者になっている」と太鼓判をおす、和田真歩(わだ まお)さん40歳。
福岡県出身の和田さんは、2度の転職を経て、28歳のときにGMOペパボ株式会社へ入社。作家活動アドバイザーとして、アトリエを訪ねてやってくる作家さんたちのサポートをしています。
実は「北欧、暮らしの道具店」のサイトもずっと見てくださっていたそうで、お家にはその愛用歴を感じさせるアイテムが山ほど…。2008年に開催した当店の蚤の市にも顔を出してくださいました。
当店で購入してくださった愛用品の一部。ヴィンテージをお取り扱いしていた開店当初のアイテムもありました!(写真は和田さん提供)
本日は、プライベートでは1児の母として、職場では作家さんたちに慕われるお母さん的存在として、日々奮闘する和田さんに迫ります。
アトリエという、交流の場
今の時代だからこそ、リアルな交流を求めていると思う。
インターネットを通じれば、街を越えて、国を越えて、気軽に「つながっている」感覚を持つことのできる今の時代。
それは『minne』でも同じで、作家さんがどれほど遠くに暮らしていようとも、わたしたちは気軽にメッセージをやり取りすることができます。
でもその画面の先にある、ものづくりに取り組むリアルな現場は、時にとても孤独。それを誰より理解していたのが『minne』のスタッフでした。
アトリエでは時々こうして「お茶会」が催されることも。(写真は『minne』提供)
アトリエが創設されたのは昨年2015年の5月。『minne』が立ち上がって3年後のことです。
その3年の間にも、出展者を募って、たびたびハンドメイドマーケットのイベントが開かれてきました。そして、そこで手伝いをしてきた和田さんの目にうつったのは「交流を求めている」作家さんたちの姿。
普段はひとりで作業をしている作り手たちが、同じ作家同士、そして作品を手に取ってくれるお客様と、直接のコミュニケーションを取ることでとても生き生きしていたと言います。
作品づくりに行き詰まったときのヒントにつながったり、新しいアイデアを得られるような場を創りたい。“インターネット” が土台ではありながら、『minne』はあえて “リアルの交流” の場として、このアトリエを創設したのでした。
好きなことは1日でも長く続けてほしい。そのために大切にしている「寄り添う」という姿勢。
「好きを仕事にする」とはよく言うコトバですが、それがなかなか難しい。仕事になった途端に、責任や義務、あらゆる重荷がドッシリと降りかかってきます。
和田さんいわく、ハンドメイドしたものを作品として販売するようになった人たちの多くも、やはり “趣味” がきっかけなのだと言います。
だからこそ、『minne』のアトリエでは、なにより作家さん自身が “楽しんで” ものづくりに励んでほしいと考えているそう。「好きを仕事にする」をモチベーションの面からもサポートしているのです。
和田さん:
「わたしはよく『作家寿命が1日でも長いほうが嬉しいです』ということを、勉強会の前にお話するんです。
せっかく好きで始めたことなのに、制作活動が心の負担になってしまわないように。そこで大切にしているのが、作家さんの気持ちに寄り添うという考えです。
“売る” ことへの責任を持つことを前提に指導はしますが、良い部分を見逃さずに、そこをのばしたい。
自分の成果を客観的に見てもらえた、ということが、喜びややり甲斐につながるといいなと思っています」
ハンドメイド好きの原点
日々真摯に作家さんたちと向き合い、「ひとりでも多くの作り手を増やしたい」と話す和田さん。実は、なんといってもご本人が大のハンドメイド好きなのでした。
仕事である前に、ひとりのハンドメイド愛好家としての目線を持つ和田さんだからこそ、作家活動に対する理解は深く、愛情も深い。それが皆からお母さん的存在として慕われる所以でもあるかもしれません。
そんな和田さんとハンドメイドのつながりについて、話を聞いてみました。
人とかぶるのは嫌、というこだわり。
和田さんが手作りしたアクセサリーと、「無印良品」の靴をリメイクし、装飾をつけたオリジナルシューズ。
和田さんは芸術コースのある高校へ、その後も芸術系の大学に進みました。
高校の友達とは、手紙を交換する感覚で手作りのものを贈り合うような環境。大学に入ると古着が流行していた時代背景もあり、個性的なファッションをする人がとても多かったそう。
思春期の頃はとくに抱きがちな「人と違う」ことへの不安や、それにともなう窮屈さは、和田さんの場合、この当時からほとんど無くなっていたようです。そして、そのかわりに生まれたのが「人と同じものを持ちたくない」というこだわりでした。
和田さん:
「人とかぶりたくない、という想いを抱きはじめましたのはちょうどこの頃だと思います。だから身につけるものも手作りしたり、買ったまま使うのではなくリメイクしていました。
20歳の頃には近所のお店で買った自転車のベルにペイントを施して、人生で初めて販売してみたことも。これが20個売れたんですよ!
ハンドメイドが身近だったのは、母が昔から手芸好きで『作れるものは作る』という人だったことも影響しているかもしれません」
人生で初めて販売したハンドメイド作品の自転車ベル。
小学生の頃、母が手作りしてくれたという手提げカバンは和田さんがハンドメイドを好きになったきっかけのひとつ。今もこうして取っておいてあることに驚きです!
就職に対する違和感を抱き、初めて働いたのは八百屋さん。
和田さんが『minne』の運営会社であるGMOペパボ株式会社に入社したのは、今から12年前の2004年。
ハンドメイド好きな和田さんが、今こうしてアトリエで作家支援をしながら働いていることは当然の成り行きのようにも思えますが、実は、それが仕事になったのはつい最近のこと。
大学を卒業した後に働いていたのは、意外にも八百屋さんだったのだそうです。
和田さん:
「当時は一般企業に就職するのはどうしても違和感があって、大学を卒業した後も近所の八百屋さんで野菜を売るアルバイトをしていました。
でも1年くらい経った時に『このままで良いわけない。どうにかして変わらなくっちゃ!』という焦りが出てきました。そこで就職したのが、たまたまウェブの受託制作の会社だったんです」
偶然に出合った業界ではあったものの、大学時代にもコツコツとした制作作業に喜びを感じていた和田さんは、ウェブ制作の作業に予想外にフィット。
そこからはエネルギッシュなまでの転職計画がはじまりました。
和田さん:
「思いがけずやり甲斐を見つけたウェブの仕事でしたが、これからもずっと続けて行きたいと思うようになりました。
最初に入社したのは受託で制作する会社だったので、最終的には『自社開発している会社に入ること』を目標にしようと決めたんです。
だから『3年間は下積みだ!』と割り切って、2つの受託制作会社で仕事をしました。ここでは勉強させてもらっているんだ、と覚悟を決めて」
そうして当初の計画通り、3年後に転職した先がGMOペパボ株式会社。念願の、自社でウェブ開発をしている会社でした。
そこでウェブデザイナーとして活躍しながら結婚、出産を経て、入社から12年が経った今はアトリエの場へ。インターネット上で物を販売することの、シビアな面も見てきたこれまでの経験が、現在の作家支援に役立っていると言います。
モノも進路も。「自分で生み出す」からこその楽しさがある。
既製品のシューズをリメイクしたり、理想のアクセサリーを手作りしたりと、昔から身近に楽しんできたハンドメイド。
そして、周囲の流れに身をまかせず、自分の内から湧き出る意志で歩んできた進路。
この2つの話は、和田さんの人生が「自分で生み出す」ことの積み重ねで貫かれていることを物語っているようでした。
わたしの高校時代を思い返してみると、同級生が大学に進むから何の疑問も持たずに大学へ進み、大学では当然のように就職活動の波に乗ってリクルートスーツに身を包みました。不器用ということもありますが、図工以外で手作りをしたことは一度もありません。
でも和田さんの場合は、ゼロから何かを作り出すことが、きわめて自然なことだったのだろうと思います。
そんな和田さんの「生み出す力」に、ちょっぴり羨ましさも感じつつ……生き方だって、ひとつの雑貨や洋服だって、自分にとっての「お気に入り」となるようなオリジナリティがほしい。その方がずっとかっこいい!と、そんな確信を抱きながらアトリエを後にしたのでした。
「minne」の作品の後ろにあった、人間味あふれた真摯なサポート。
いまやインターネットが主流となったハンドメイドの世界。
でも、世の中がインターネット時代に突入してしばらく経った今日でさえ、やっぱりウェブやアプリで作品を売買することに抵抗を感じる方も少なくないのではと思います。
『minne』同様、わたしたち「北欧、暮らしの道具店」としても、そこにある不安は少しでも払拭したい。いかにインターネットを通じてリアルを感じられるかは、常日頃から考えていることです。
だからこそ、和田さんのような、心からハンドメイドが大好きで、作り手のやり甲斐や自信を支えたい、という人間味にあふれたサポートをする人がいる『minne』に、とても共感できました。
今回、2話にわたって、魅力的な作家さんたちを生む「ハンドメイド大賞」と「アトリエ」という、ふたつの “リアルの交流” をお届けしてきました。
明日の第3話は、前回の第1弾でも好評だった「当店スタッフのお買い物体験」をレポートしたいと思います。
最近引っ越しをしたスタッフの愛用している家具や、ママスタッフが購入した子供道具など。『minne』の素敵な作品を、わたしたちの目線からご紹介します。
(つづく)
▼この日、和田さんが身につけていた『minne』作品はこちら。
(1)カワセミのブローチ
(2)アジサイリング
(3)シューズ(作品一覧)
▼『minne』がピックアップする注目作品はこちらからご覧いただけます。
もくじ
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