【わたしの産休・復職エピソード】スタッフ齋藤「焦りも不安も、プラスになったら」
編集スタッフ 齋藤
産休・復職にまつわる話が聞きたくて。
春は、各方面のお母さんが産休・育休を経て復職をしたり、新たなステージを迎えるかたが多いのではないかなと思います。
そんなタイミングで、当店の新しい不定期連載のシリーズとして今回「わたしの産休・復職エピソード」がスタートします。
この連載では、これまでに産休や育休・復職を経験したかたにインタビューをし、当時の思いやエピソード、そして現在の働きかたをお届けしていきます。
まず、自分の場合を振り返ってみることにしました。
現在育休から仕事復帰をして約1年。復職したての当時を振り返ると、仕事へ向けた希望はあったものの、まだまだ「不安」が大半だった気がします。そしてその不安な思いは、休みに入る「前」にも当然のように横たわっていました。
子育てに仕事に奮闘中の方のお話を、取材を通して聞きながら、「こんな話をお休み前に知りたかった」と感じたと同時に「自分の場合はどうだった?」と振り返るきっかけにもなったんです。そこで、第1回は「わたし(齋藤)の場合」とすることに決めました。
この連載の1話1話が、必ずしも何かの解決策にならないかもしれない。でも、それぞれが感じたほんとうの気持ちとして、読んでいただけたら。そして、これらの話がなんらかの心の準備や、不安な気持ちに手を添えられるものになったらうれしいです。
MEMO
[子ども]1歳10ヶ月の男の子
[仕事の内容・入社歴]クラシコムの編集チームのマネジャー・入社5年目
[すきな時間]出社後のウォーミングアップと称したカフェオレタイム。朝のスッキリした頭で、自分が起動していくのが気持ちいい!
現在わたしは、クラシコムの編集チームの一員として 読みものの企画、編集・執筆、そしてマネジャーとしてチームのスタッフのマネジメントを担当しています。
長男を妊娠したタイミングは、マネジャーになって2ヶ月くらいの時期。当時チームは3名で、これからできることを増やしていこう!というタイミングでした。そして、社内で子どもがいるのは当時、代表の青木と店長の佐藤のみ。「ど、どうすればいいんだろう?」と挙動不審になったのが正直なところでした。
佐藤と青木に報告をした際、わたしに向けて投げかけられたのは「今の仕事内容をすべて洗い出すこと。この時点から産休に入るまでの引き継ぎのスケジュールを作ること」でした。
育休前の、わたしのくふう
引き継ぎまわりのリスト
いかにチームと自分の不安を払拭するかの準備期間。
まずはじめに取り組んだのは、仕事の洗い出しと産休までの約7ヶ月の間での引き継ぎスケジュールを考えることでした。取材には行ける?原稿なら書けそう?これまで自分しか担当していなかった仕事はだれに引き継ぐ……?それらをリスト化していくと、意外にも自分の焦りや不安も少しずつほどけていったのを覚えています。
そして自分が一定期間チームを抜けることで引き継ぐ仕事があるというのは、場合によっては引き継がれる人にとっては「チャンス」になるということも、このときに知りました。仕事が回ってきた人が、どうしたらその仕事をまわせるか。それに伴ってこれまで請け負っていた仕事をどこかに投げられるのか、もっと簡略化できないのか。だれに引き継ぐのが適正なのか。そういったことを佐藤とも何度も話し合いました。
人数が今よりグッと少なかった分、引き継ぐ内容は幅広く、数も多かったため、様子を見ながらの引き継ぎは数ヶ月かかった気がします。
育休中のわたし
(スタッフのみんなにもらった出産ファイトカード。産院にも持って行きました)
「会社の今の空気がわからない」。その不安の根っこを取るために。
育休がスタートしてからは、スマートフォンのメモ欄に書き連ねていた「行きたいところ・やりたいことリスト」を消化する日々でした。 お腹が大きくなってはいるものの、すこぶる元気!だったんです。このときの満足感や美味しい思い出、会いたい人にあえた嬉しさは確実に産後の励みにもなりました。
そして無事出産をし、少し経った頃に訪れたのが「会社の生の空気・いま現在の動きが分からない不安」。当時もいまのようにSNSを利用していたので、そこで頻繁にアップされるオフィスやスタッフの様子に元気をもらっていたものの、やっぱりどこかグラグラとした不安が漂ってしまう。これはきっと仕方がないこと、と思いながらもモヤモヤとしていました。
そんな中、休み中一番救われたなあと真っ先に浮かぶのはインスタグラム*でした。
※インスタグラム*:写真投稿共有サービス
当店のハッシュタグ(#北欧暮らしの道具店)をつけて投稿してくださっているお客さまの写真、また長男と同じくらいの月齢のお子さんの様子や暮らしを見ると「そっか、みんな眠れてないんだ(私だけじゃない!)」「この月齢でこんなことができるんだ(うちはきっとのんびりなんだな、うん)」「離乳食、参考になるな〜」と、大人と話をする機会も急激に減り大好きな暮らしまわりのことも、眠いしヘトヘトだし何もできない。
そんなフラストレーションがたまっている中で、ふとした瞬間に画像やコメントを通してワープができて、本当に嬉しかったんです。
当店のインスタグラム投稿も、まさにお客さん気分で見たり、お店自体も新商品や読み物を楽しんだり。その経験はとても貴重なものでした。そんな中でふと下りてくる「こんなコンテンツがあったらいいな」「この商品はこんな使い方できる!欲しい〜」といったメモを、スマートフォンに綴っていました。そうすることで、モヤモヤと自分なりに向き合っていたのかもしれません。
時折オフィスに遊びに行ってスタッフの顔を見たり話ができる時間も、すっごく嬉しい時間でした。
復帰後のはたらき方と変化
復帰直後、チームでぱちり。現在はさらに増えて8人のチームに。
模索をするなかで、見えてきたもの。
約1年前に仕事復帰をしてスタートした「はたらく」と「子育て」の両輪。復職をして痛感したのは、自分ができること・できないことを、これまで以上に正確に把握して正直に伝えることは、チームにとっても会社にとっても本当に重要だということ。「多分できるだろうな…..」という曖昧な見積もりは、会社で仕事をしているという点でも危険だなぁと感じました。
復帰後、産前と同じようなタイムスケジュール・見積もり感ではたらいていたとき、どうもうまく回らない、本当はもっとこうしたい…..そう感じたのをきっかけに、思い直した部分でした。いつ保育園から呼び出しがくるかわからないというドキドキのなか、前倒しで仕事をすることを意識し出したのも同じ頃です。
カバンの中身も、変わるものですね。
良い意味での手抜きと、仲間を信頼する気持ち。
一方で変化したのは「良い意味での手抜きをするようになった」ことかもしれません。仕事の手を抜く、というより「いかに自分を機嫌よく保って、帰宅してからも自分を持ち上げられるか?」という面が近いです。
出勤後はウォーミングアップ!と名付けて必ずといって良いほどコーヒー時間をつくる。 お昼は好きなご飯を食べる。おやつも欠かさず食べちゃう。(食べ物に関することばかりですね…..。)保育園へ行って帰宅後の夕飯は頑張りすぎない。正直に夫にモヤモヤを話して溜めこまない。
あれはこれはと試しながら模索していき、こんなことを実践していった結果、いまの自分を機嫌よく保てているのかもしれません。
そして、チームが8人になった今。自分は時折子どもの発熱やらで早退する場面もちらほらあります。そんななかで心がけているのは「スタッフに素直に頼ること」。今こうして仕事ができているのは、ほんとうに他のスタッフのおかげ。その気持ちを隠さずにいることを意識しています。
はじめての産休、はじめての育児、はじめての仕事復帰。そこで感じたのは、自分一人だけでは解決できないことが山ほどあるんだということでした。
そして、やってみなくては分からなかったこと、失敗して落ち込んだことの一つ一つに向き合って正直に周りにも伝えることって、子育てに限らず自分が過ごしていく日々のなかで大事にしなければ、と思ったのでした。
さて。次回からは会社を飛び出して取材を通して出会った方たちのエピソードをお届けしていきます!不定期の連載となりますが、楽しみにしていただけたらうれしいです。
(つづく)
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