【インテリア特集】第2話:収納は「余白」をつくる、使い勝手の良いキッチン(引田さん夫妻)
編集スタッフ 二本柳
写真 木村文平
東京・吉祥寺で人気のパン屋さん「Dans Dix ans(ダンディゾン)」と、「gallery fève(ギャラリー フェブ)」を営む引田かおりさん夫妻のインテリア連載、第2話。
ご主人のターセンさん、愛犬のトト君と一緒に暮らす武蔵野市のご自宅を訪れました。
「家が世界一好きな場所」と話す引田さん宅のインテリアは、淀んだ空気が一切なく、ホテルのようにすっきりと居心地の良い空間です。
今回は、使いやすさを第一に考えられた収納術も必見な「キッチン」をお届けします。
(※登場するアイテムは、全て私物です。過去に購入したものを紹介しているので、現在手に入らないものもございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)
第2話
キッチンスペース
家事の効率を良くするために洗濯機もキッチンへ。埃のたまりやすい土台の部分は思い切って取り外されていました。
「キッチン汚れの原因はほとんどが水垢。だから、そこさえ徹底して拭いてあげれば綺麗を保てますよ」と話す引田さん。
毎晩必ずふきんを使いシンクの水分を最後まで拭き取るそうで、キッチンは隅々までピカピカでした。
キッチンツールをほとんど外に出さず、すっきりした空間にしているところは第1話のリビングと同様。
こうして見てもまな板にスポンジ、やかん以外には何ひとつ外には出ていませんでした。
収納スペースには必ず「余白」を。
「収納棚も開けていいですか?」とお願いすると、快くすべての扉を開けてくださった引田さん。
そうして中を覗いてみると、、、あれれ?なんだかどの棚も物が少ない?
「だってね、ギュウギュウに物が入っていたら取り出しにくいじゃない?収納棚のスペースをまるごと全部は活用しない。『余白』を必ず作る、というのが我が家の収納ルールですね」(引田さん)
言われてみると当然のことのように思えますが、なかなかの盲点でした。
ボウルは何個も重ねることなく、種類ごとに段を分け、ゆったりと置かれていました。これなら濡れた手で欲しいサイズのボウルを探さずに済みますね。
もちろん電子レンジやトーストの両脇も、しっかりと「余白」が残されていました。
余白を作れないほど、物を増やさない。
これほどスッキリと収納できているというのは、逆に言えば、引田さんは余白が作れないほどに物を増やさないことの証。
料理道具はどうしても色々ほしいものが出てくるけれど、なるべく買い足さないようにと心がけているのだそうです。
だからキッチンに置かれた道具は、どれひとつとして「何となくある」というものがありませんでした。
上のやかんは一見同じものですが、左は体が弱っているときに鉄分を取り入れるようにと活用する「鉄」製のもの。とはいえ毎日使うには重たいので、普段使いには右側の「銅」のやかんを愛用しているそうです。
引田かおりさん夫妻のキッチンをお届けしました。
表に出すのは極限まで減らし、ほとんどのキッチンツールを収納棚にしまってしまうという徹底ぶりが気持ちの良いキッチンスペース。収納棚には「余白」を残し、調理中の出し入れをスムーズにできるよう工夫されていました。
次回は、そんな引田さんの「モノの選び方・飾り方」に注目してみたいと思います。どうぞお楽しみに。
(つづく)
もくじ
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引田かおり(ギャラリー・パン屋オーナー)
2003年吉祥寺にギャラリーフェブをオープン。陶芸家、布作家などジャンルを問わず独自の目線でさまざまなものを紹介している。また同ビル地下一階にパン屋「Dans Dix ans(ダンディゾン)」も営む。安心・安全な素材でおいしいものを提供することを心がけている。夫・ターセンさんこと保さんはブログ「ターセンの光年記」で日々の暮らしで感じたことを記録、更新中。http://hikita-feve.com/diary/
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