【スタッフコラム】無理しないでね。
編集スタッフ 齋藤
もし、いつもの通勤時間であったなら、わたしは慌ただしさにいっぱいいっぱいになってしまい、おそらく周囲には気を払わなかったと思います。
けれどこの日は取材に向かっていたため、迷ったり万が一のことがあったりしてはたいへんと、早めに出発。そのため時間に余裕があったのです。そうしたら心にもゆとりが生まれたようで、騒がしい朝のホームに関わらず、何気ないけれど印象に残る、とある言葉に気づくことができました。
時刻は朝のラッシュで、階段を降りホームに着いたわたしは、もうすぐにでも電車の扉がしまるというよくある場面に遭遇。そして数人がわたしの横をさっと駆けて行き、電車に乗り込みました。
わたしは次の電車でも十分に間に合う時間だったため、乗るのをあきらめてそのままホームに残ることに。
こういう時ホームには、駆け込み乗車への注意がアナウンスされるかと思います。そして案の定、落ち着いた駅員さんの声が頭の上で響きました。
けれどこの日聞いた言葉は、いつもとちょっと違っていたのです。
「無理しないでくださぁい」
ホームに響いたのは、この一言だけ。
電車が無事出発し、束の間の落ち着きを取り戻したホームに立ちながら、わたしの脳裏にはこの一言が幾度も繰り返し響いていました。よくある言葉のはずなのに、慌ただしい場面で聞けたからでしょうか、少しばかり感動してしまったのです。
平日の朝いつもわたしは「いけないなぁ」とは思いつつ、時間や人の波に追われ、心に余裕がなくなっていました。自分のことだけで精一杯になってしまうのです。
そしてそんなわたしからは、きっと「無理しないでください」という言葉は出てこない。わたしにはこの言葉が、自分の事情ではなく相手を思いやろうというあたたかな視線がなければ、浮かんでこないもののように感じられたのです。
忙しいとつい自分を守ることばかり考えたり、周囲のことに無関心になったりしてしまう。けれどそんな時こそ「無理しないでね」と、そっと誰かの身を案じて言えるような人になりたい。
そんな気持ちになってみれば、目まぐるしい朝のホームにいながらも、急に気持ちは穏やかになれた気がしたのでした。
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