【スタッフコラム】「くすんだ青」とともに思い出す、社会人になった頃のこと。

商品プランナー 斉木

こないだ、人生でいちばんテンションの上がる「タオル」と出会いました。

乗っけから大げさですみません。でも、そのくらいうれしい買い物だったのです。ちょっと肉厚で柔らかい、そんなところも好みだったのですが、でもいちばんの決め手は「色」でした。

数年前から、「ちょっとくすんだ青」に出会うと、手に取らずにはいられなくなっています。特に好きなのは、紺色を退色させたような色。

買った場所も時期もバラバラなのに、バッグの中を探ると、同じような色の小物がたくさん出てきます。バッグからごそごそと取り出す様子を見て、「ほんとに青が好きなんだね〜」と指摘され、なんとなく恥ずかしくなったことも。

きっかけは、社会人になったことだと思います。

はじめて入社したのは、できて1年にも満たない、若い会社でした。同期もおらず、わたし以外は全員中途採用の人たちばかり。右も左も先輩だらけのなか、1日でも早くみんなに追いつきたくて、背伸びばかりしていたような気がします。

そんな頃から、紺色のものを意識して身につけるようになりました。いま思うと恥ずかしいのですが、当時のわたしにとって紺色は、「知的」で「仕事できる風」の色だったのです。

せめて見た目と持ち物だけでも、一人前に近づきたい。そんな鼻息の荒かった当時の自分が思い出されます。

それから数年。

社会人6年目も終盤のわたしは、自然と紺色にちょっと年季が入ったような色を選ぶようになりました。

若い頃を思い出し、「あの頃は青かった」なんて言いますが、きっとわたしにとっては、「あの頃は “紺” だった」。

思い出すと赤面するほどにガムシャラだった時期を過ぎ去り、でもどこかであの頃に戻りたいと思う気持ちもあり。

「くすんだ青」がこんなにも特別なのは、いまのわたしの気持ちに寄り添う、「フィットする色」だからなのかもしれません。

 

 


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